
「Jasper」では実写素材とともに、3D CG素材も多用されているが、「tamdem」が使用する3DCGツールCINEMA 4D との連携にもProduction Premiumは欠かせない。合成用3DCGオブジェクトのモデリングでは、CINEMA 4Dへ読み込ませるパスの作成にIllustratorが活用されている。このオブジェクトにCINEMA 4D上でアニメーション付けしたものをアルファチャンネル付きのTIFFの連番ファイルに書き出し、After Effectsに取り込む。After Effectsでは、実写の加工とともに、3DCGパーツを実写と合成、微調整などを行い、さらにエフェクトを加えてカットを完成させていく。

”Jasper”の1シーン。数多くの素材で構成され、After Effects上で合成されていることが分かる
(c) 2008 Columbia Music Entertainment,Inc.
両氏はAfter Effectsのプラグインをよく利用するという。光線やきらめき、ストローク、パーティクルなどを生成するTrapcode社シリーズや、GenArts社のSapphireシリーズなど。プラグインの豊富さも、制作にとって欠かせない要素であるという。 またよく使うAfter Effectsの機能は、別の素材ファイルからアルファチャンネルを生成してくれるトラックマット、3D空間でのアニメーションを設定する3Dレイヤー、キーを選べば豊富なアニメーションのバリエーションを表示してくれるブレインストーム、そしてCS3から追加された新機能でキーの変化をグラフにして表示してくれるグラフエディターなど。
「PhotoshopやIllustratorとやりとりの多いワークフローで、Production Premiumのソフト間の連携は大変すばらしく、効率性を上げてくれます。特に、実写と3DCG素材との組み合わせが多いミュージック・ビデオの制作においてAfter Effectsは比較するものがないほど必要不可欠なツールとなっています。」と田向氏は話している。通常、制作のスタート時にはPhotoshopのレイヤーで合成イメージを決め、After Effectsにそのレイヤー構造を保持したまま取り込み、それをガイドとしてシーンを組み立てていくという。
キャビアでは、昨年のAdobe Creative Suite 3 Production Premium発売開始直後の9月に、従来の製品からアップグレード導入した。「CS3となって、安定性が増してきました。Intel Mac、Mac OS Xとの相性もよいようです。パペットツールなどの新機能は今後の制作に活用できる可能性を感じていますが、作業を進める上で安定かつ快適に作業ができるという点もCS3の大きなメリットです。今の満足度はかなり高く、安心して制作に打ち込めます」と出村氏は話している 。

”T.I.M.E.” 時間をテーマにした、全編3DCGで構成された作品
(c) CASIO COMPUTER CO.,LTD.