
その極めて高い解像度とクオリティから、テレビの制作・放送業界で最も話題を集めているハイディフィニション(HD)方式。しかし、まだHDテレビを持っていない視聴者に対して、HDの鮮明で美しい映像をどのように伝えればよいのでしょう。これこそまさに、クリエイティブエージェンシーで制作プロダクションでもあるSTEAM社が直面した課題でした。STEAMは、『ディスカバリーHDシアター』の番組プロモーション用に、ディスカバリーネットワーク全体で流すTVブランドキャンペーンの映像を制作することになっていたのです。
「我々が制作することになっていたスポットCMなどは、視聴者が最初からHDで見るとは限りませんでした」とSTEAMのクリエイティブディレクター、トニー・モレンダ(Tony Molenda)氏は語ります。「視聴者に実際のHD映像がどれほど鮮明で美しいかを見てもらえない状態で、どうにかしてHDのすばらしさを伝えなければなりませんでした。」
「Adobe Premiere Proでは、DVの処理と同じぐらい高速で10 bit非圧縮HD映像の処理が行えます。そのまま映画のスクリーンで流せるほどクオリティの高い非圧縮フル解像度のHD映像を、これほど高速で処理できるのには驚きました。」
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founder and creative director, STEAM
モレンダ氏と、STEAMの設立者でクリエイティブディレクターでもあるスコット・ブライアント(Scott Bryant)氏は、HD映像を見ることは自宅のリビングで生の体験をすることとイコールだという主要コンセプトを考え出しました。そこで、キャンペーンで流す最初のスポットCMには、自宅のソファに座っている1人の男性を登場させることにしました。何もない空間に、この男性が指で架空のテレビを描き出します。彼がリモコンでチャンネルを変えると、改造オートバイを紹介する『アメリカン・チョッパー』やリフォーム番組の『トレーディング・スペース』のような、ディスカバリーチャンネルの人気番組に出てくる人物を演じる俳優が彼のリビングに現れ、番組の中でやるように、改造バイクのデザインや部屋のリフォームを行います。
STEAMは、このブランドキャンペーン映像の考案と制作を非圧縮HDフォーマットで行いました。使用したソフトウェアはAdobe Video Collection。これをBlackmagic Design社製のHDカードを使ったBoxxワークステーション上で作動させました。「この強力なハードウェアのセッティングとアドビソフトウェアが、フル解像度のHD映像を処理する際に立ちはだかっていた技術的、時間的な壁を取り除いてくれました」とブライアント氏は語ります。
制作とポストプロダクションの両方を行う数少ない会社の1つであるSTEAMは、絵コンテから制作の最終段階に至るHDプロジェクトを簡単に進めるために、アドビのソフトウェアを活用しています。このユニークなフルコースのビジネスモデルをうまく機能させる上で、Adobe Video Collectionが非常に重要な役割を担っているのです。
ブライアント氏によると、アドビのアプリケーション間の連携性が極めて高いため、最初から最後までコンセプト通りに作業を進めることが、かつてないほど簡単になったそうです。「アドビの『切り抜きと貼り付け』のワークフローは、グラフィックや映像、アートワーク、ロゴなど、作成したものすべてを、制作過程の最初から最後に至るあらゆる部分で何の苦もなく活用できるという状態にまで進化しています。」

STEAMでは、絵コンテから最終的な制作に至るHDプロジェクト全体でアドビソフトウェアを使用しています。アドビアプリケーション間の連携性が極めて高いため、グラフィックや映像、アートワーク、ロゴなどすべてを、ワークフロー全体を通して活用することができます。
STEAMは、複数のHDビデオストリームをセットの各所に送ることにより、多くのシーンをクライアントにプレビジュアライズ(事前確認)してもらいながら制作を進めました。こうすることで、必要な変更をその場で行うことができたため、後の制作工程における変更を回避できました。
『ディスカバリーHDシアター』キャンペーンのために、STEAMはまずAdobe Photoshop® CSを使用して、コンセプトと流れを説明するための絵コンテを作成しました。絵コンテが完成すると、次にそのPhotoshopファイルをクライアントのレビュー用にAdobe PDF(Portable Document Format)へ変換。ディスカバリー側がAdobe Acrobat®でマークアップおよび注釈ツールを使用してSTEAMへのコメントを追加し、それを受け取ったSTEAMは絵コンテを完成させて制作に取り掛かりました。
STEAMは、まずディスカバリーチャンネルで最も人気のある番組の出演者役の俳優を雇い、自社スタジオで、ソニーのHDCAMカメラを使用してスポットCM撮影を行いました。制作ではAdobe Premiere® ProとAdobe After Effects®に、Blackmagic DeckLink HD Captureシステムを併せて使用し、ソニーHDCAMの非圧縮HD映像をデジタル化しました。次に制作チームは、撮影した映像を使用して、キーのテスト、映像の比較、エフェクトの配置を行いました。Blackmagic DeckLink Workgroup Videohubを利用して複数のHDビデオストリームをセットの各所に送ることにより、STEAMは多くのシーンをクライアントにプレビジュアライズ(事前確認)してもらいながら制作を進めることができました。このプロセスを経たおかげで、スポットCMがどのように仕上がるかを誰もが確認でき、もっと後の制作工程でコストのかさむ変更を行う必要が生じるのを回避できたため、時間とコストを節約することができました。

STEAMはAdobe Premiere ProとAfter Effectsを使用して、『ディスカバリーHDシアター』のスポットCM映像を10 bit非圧縮HDフォーマットで編集し、モーショングラフィックとエフェクトを制作。STEAMのクリエイティブディレクターであるスコット・ブライアント氏とトニー・モレンダ氏は最初から最後までオンラインで作業を行い、クリップとグラフィックをフル解像度のHDで編集しました。
撮影が終了すると、モレンダ氏はAdobe Premiere Proで映像編集を開始し、ブライアント氏はAfter Effectsを使用してエフェクトとグラフィックの制作に取り掛かりました。
モレンダ氏は、Adobe Premiere Proを使用して10 bit非圧縮HDフォーマットでプロジェクトを編集する際、終始オンラインで作業を行い、クリップとグラフィックをHDフル解像度で編集しました。この方法をとったことでオフライン編集が不要になり、制作チームのワークフローにおいて膨大な時間を節約することができました。また、クライアント側でも同じように時間とコストを大幅に削減できました。
「Adobe Premiere Proでは、DVの処理と同じぐらい高速で10 bit非圧縮HD映像の処理が行えます。そのまま映画のスクリーンで流せるほどクオリティの高い非圧縮フル解像度のHD映像を、これほど高速で処理できるのには驚きました」と、ブライアント氏は語ります。「高解像度のグラフィックと映像を使う際のメリットは他にもあります。キーイング、トラッキング、カラー修正が、より簡単に行えるのです。」
ブライアント氏はAfter Effectsを使用して、『ディスカバリーHDシアター』のスポットCM用のすべてのビジュアルエフェクトとグラフィックを制作しました。このソフトウェアでは、HD映像のエレメントのキーイング、トラッキング、合成、カラー修正に加え、クライアントから支給されたIllustrator形式のソースファイルを使用して、ディスカバリーのロゴのアニメーション制作も行いました。また、2DエレメントをPhotoshop CSで作成し、After Effectsで3Dモデルに作り上げて、バーチャルなスクリーンエフェクトを制作しました。
「アドビのソフトウェアを当社のワークフローにすっかり統合できたため、作業時間を節約できるようになったのです」と言うブライアント氏。「例えば、私がAfter Effectsでプロジェクトを更新した場合、その変更内容はモレンダが作業しているAdobe Premiere Proのプロジェクトに即座に反映されます。このため私たちは、スポット映像の編集作業と、モーショングラフィックやエフェクトの制作を同時進行させることができるのです。」
「クオリティと柔軟性を兼ね備えたAdobe Video Collectionを中心として、当社のビジネスが成り立っていると言っても過言ではありません。」
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founder and creative director, STEAM
Adobe Video Collectionを使用したことにより、STEAMでは時間的に余裕を持って、よりクリエイティブな作業を行うことができました。また、クライアントのコストも節約できたうえ、極めて高い柔軟性とクリエイティブコントロールを備えた、新しいタイプのワークフローを実現できました。しかもアドビのソフトウェアは非常に廉価で、モレンダ氏によると、「Adobe Video Collection全体でも、ちょっといいスーツを買うのと同程度の値段。当社のような、会社規模を拡大せずに世界レベルのクリエイティブサービスと制作を提供したいという会社にとって、これはまさに理想的」ということです。
革新的なこの会社が、今後もIntel、TLC、Washington Mutual、Hoover、Mattel、Fox Sports、Foo FightersといったクライアントのプロジェクトでHDTVのスポット映像やミュージックビデオなどの制作を行っていくなかで、Adobe Video Collectionは常に強い味方であり続けることでしょう。「HDを扱うのであれば、Adobe Video Collectionに優るものはありません。ワークフローへの統合がスムーズで、業界屈指の充実機能を備えているうえに、価格も非常に手頃で、他のデスクトップツールとは比較になりません」と、ブライアント氏は言います。「クオリティと柔軟性を兼ね備えたAdobe Video Collectionを中心として、当社のビジネスが成り立っていると言っても過言ではありません。」