DEVIL(R)OBOTS(汚物) presents クリエイティブ・ディレクション論 - VOL.1 -

こんにちは! 業界12年モノの加齢臭団DEVILROBOTSです。さて、このたびボクたちのクリエイションに欠かせないアドビさまより、the Edge newsletter連載のお話をいただきました。光栄です! ただ、今回はかわいい「トーフ親子」側のDEVILROBOTS文責ではなく、ほとんどメディアに出ない外道衆3人=サイトウケンジ・ヨシムラヨシゾー・イケガミタケシの通称「DEVIL(R)OBOTS(汚物)」組が全5回にわたって担当します。テーマは「CSを使わない立場の人間から見るクリエイティブとは」(アドビさま、ゴメンなさい!)。主にディレクションを手掛ける3人がクリエイティブを俯瞰(傍観)、毎回DEVIL(R)OBOTSなりの付き合いを活かした意外なゲストを交えてのリアル対談をお送りしようと思っています。と言っておきながら第1回目は「DEVIL(R)OBOTSが切るDEVILROBOTSという会社」。手前ミソの本音トークをお楽しみください!

DEVIL(R)OBOTS(汚物) ロゴ

ヨシゾー:
で、この3人で何を話す?

ケンボー:
クリエイティブの真髄とかよりも汚い納期の延ばし方とか?笑

ヨシゾー:
じゃとりあえず、今回はDEVILROBOTSという会社の問題点をテーマにしよか。笑
DEVILROBOTSって、別にキャラクターだけ作ってるわけやない。デザイン会社なんやと。
そこで「キャラ以外」の仕事をしてるオレらが日常的にどんなリアルな問題を抱えてるのか。

ケンボー:
オレがすごく思うのは、うちらみたいな規模の会社は瀬戸際にきてると思うねん。年齢的なことも含めて。
今オレいろんな人と会ってるけど、みんな若いねんな。25~30ぐらい。Webの業界では若い子らがすごく元気がいい。
まあ、オレらも若いときはそうやったなーと。でもそれだけで行くと、いつか壁にブチ当たると思うねん。笑
40代以降この業界をどうやって生きていくか、悩まなアカンようになってしまう。

ヨシゾー:
確かにオレも最近、まさに40代の生き方をシリアスに考えてるよ。

ケンボー:
Webの制作仕事はここ半年ですごく減少してきてる。サイトを目的達成ツールとして的確に構築できる能力に需要があるねん。

ヨシゾー:
ケンボーはWebをゼロから制作する立場から、再構築やディレクション的な立場にシフトしてきてるわけや。

ケンボー:
そうそう。技術を持ってる人間を適切にコントロールする人間に需要がある時代になってきてるから。

ヨシゾー:
それはデビルの仕事の柱になりうる感じ?

ケンボー:
いやいやいや。今はそういう需要がある時代やけど、この時代は確実に過ぎて行くからな。

イケガミ:
今ってWebの仕事はただサイトを作るだけの時代じゃないですよね。SEO対策ふくめ総合的に目的意識を持ったサイトを構築できる人って少ないと思うんですよね。

ケンボー:
例えば「新たに○○のサイトを制作したい」と言われて、提示された案件を実際にどう落とし込むか。
競合他社もあるなか、目的を達成するために仕掛けを考えたり、導線を整備したり、不要な要素を削ぎ落としたりして手法を抽出し、サイトの構成を構築する。
で、その下に技術を持った制作チームがいる。社内で力不足の場合は他社とチームを組んだりして。
そのへんを全部やってるのが「FICC」や。あそこはスゴイで! FICCが制作したサイトって共通したポリシーが伝わってくるもん。ほんまスゴイわ。

FICCホームページトップ
FICC
©2009 FICC inc. all rights reserved

ヨシゾー:
オレは予算のないところに予算を作ることをもっと意識していきたいねん。
そこの提案力をもっと出していきたい。そのために今オレが力入れようと思ってるのは、営業やねん。
それもただ飛び込んで「うちこんなことできまっせ」じゃなくて、SPに直結した展開力のある営業をやりたい。

ケンボー:
オレのメールを公開したろか? 3,500円の見積もりを通すために送った膨大な履歴を。笑

ヨシゾー:
デビルならではの営業を確立したい。クライアントのココロとフトコロどっちもくすぐるような。
うちが提案できるシーンや地域 って、もっともっとあると思うんや。

ケンボー:
うちの一番の強みって、受け皿の広さやしな! オレの歌唱力ふくめ。

ヨシゾー:
だからゼロから入り込んで末永くお付き合いするっていうほうが、うちらには合ってるよな。
提案力 + 介護力というか、笑。ディレクションしつつケアする。

イケガミ:
ボクらが入り込んでいったら、そこを良くしていく自信はありますからね。

ケンボー:
うちは結構クライアントに入り込むほうやと思うで。
クライアントと普通に飲みにも行くしな。恋バナしかせえへんけど。液体なみに浸透度はめちゃめちゃ高いで!笑

全員:
染みこんでいくよなー爆!

ケンボー:
液体営業じゃなかったらグロスで考えられへんし。

イケガミ:
液体やからこそ、低予算でも対応できるっていうのもありますからね。

ケンボー:
値段だけじゃなく、気持ちが入るやん。クライアントに対して。

ヨシゾー:
それは大事やな、うちらみたいな会社は。そういう仕事が増やせれば一番ハッピーやと思うで。
だからこそトータルディレクションの強みをはっきりアピールしていかんと。
「北井さんがキャラデザインされてるのは知ってるんですが、他の方は何されてるんですか?」っていまだに言われるしな。

イケガミ:
でもしょうがないといえばしょうがないですよね。

ケンボー:
心配せんでも「イケガミ デビルロボッツ」って検索したら、7年前の2ちゃんねるのスレッド出てくるで。白帯百姓ってのが。

イケガミ:
あれはケンボーさんが書き込んだんでしょ!!! でもちゃんと自己アピールしていかないといけないですよねー。
ボクらは「エキシビション開催中」みたいな告知できないですからねー。

ケンボー:
365日、毎日「白帯デザイナー」ってスレッド立てたらええやん!笑

ヴィレッジバンガード専売のディズニーROCKアルバム・ジャケット
ヴィレッジバンガード専売のディズニーROCKアルバム・ジャケット
© Disney

GOOD AND EVIL MUSIC初の12" EP・BGF "sprites of remix" ジャケット
GOOD AND EVIL MUSIC初の12" EP・BGF "sprites of remix" ジャケット
© 2008 GOOD AND EVIL MUSIC

ヨシゾー:
それとクリエーターの強みって何かいうたら、なんでも自分でできることやん? 告知も制作もプロモーションも。
草の根的なノウハウと行動力には自信あるけど、まだ100%発揮できてない気がするんよ。

ケンボー:
本質的に「提案する」っていうところまでいってないからな。

ヨシゾー:
キャラの活かし方や居場所、みたいなこともトータルで考えていかなアカンと思うし。
今は「クオリティ」の解釈がものすごいシビアになってきてるからな。

ケンボー:
社内エージェントがあってもええよな。先のあるキャラクターの提案って、まだちゃんとやってきてないから。

ヨシゾー:
例えばキャラを使ったビジネスモデルを提案して、それをうちが責任持ってディレクションしていくというか。

ケンボー:
年に1回ぐらいは、会社でしょーもないことしたいよな。しょーもないけどクオリティは高い、みたいな。

EDGE注:DVDのみで発表したもので、ほとんどメディアには出てないお宝映像です。
iPod/iPhoneで見るとiPod/iPhoneがキャラになって歌いだすという
コンセプトのもと制作されたクリップです。超レア!

ヨシゾー:
大好きな富野さん(富野由悠季さん)もスタジオワークの大切さを言うてはるけど、うちらもそこの効果を上げていかな。
少人数のほうがこれからの時代にフィットしてるとも思うし。少人数ならモチベーションを落としてるヒマないからな。

イケガミ:
うちみたいな会社って、他にあるんですかね? 誰かがトップ、みたいな感じじゃない当時のデザインユニットみたいなのって。

ケンボー:
もうないって。そんなん全部潰れてしもたやん。
ただ、今のWeb業界は、昔のデザインチームブームみたいになってるで。

イケガミ:
それが10年後どうなってるか。

ケンボー:
作り手のままでいたら40、50になっても寝んと制作せなアカン。体力の限界に気付く。そうなったときに、技術はあるけどディレクション力がない。

ヨシゾー:
そういう意味でオレは気を使う立場の営業を見直したいんや。気の使い方をもっと意識したい。
プロジェクトがホンマにいい方向に向かってるかどうかをフォローしつつ、2年後3年後も見据える。
営業ってクリエイティブも見るけど、クライアントが実質的に喜んでくれるかどうかも考えるやん。

ケンボー:
それはプロデューサーやな。難しい役割やで。

ヨシゾー:
これは歳いってできる仕事やと思うねん。この人がいるだけで安心する、みたいな。

ケンボー:
お! さすがデビルのエグザイル。ええこと言うな。オレもそうなりたいわ~。

ヨシゾー:
なろうや!!

ケンボー:
今も試行錯誤中やわ。

ヨシゾー:
うちは若い子を毎年増やして実働の新陳代謝をはかる規模の会社じゃないから、熟練に応じた仕事の形態を売っていかなアカンのちゃうかな。
単純にこの歳でやりたいことを考えてたらそこに行き着いた、ということもあるし。

ケンボー:
そのほうがコストパフォーマンスも良くなるしな。


DEVIL(R)OBOTS(汚物) ロゴ
DEVIL(R)OBOTS(デビルオブツ)

サイトウケンジサイトウケンジ(ケンボー:39歳)

メインで使用しているソフトは弥生会計。え? クリエーター? いえ、違います。
副業として、Web関連や色々なメディア制作のディレクションなどをしています。
特技は予算交渉とリスケです。

ヨシムラヨシゾーヨシムラヨシゾー(40歳)

汚物長老。趣味はMRIとCT。仕事に年の功を発揮できていないことが日々の悩み。
プランニング、コピーライティング、音楽制作が意外とできます。
今は営業力向上のためにスマイル修行中。GOOD & EVIL MUSICの倉庫番。

イケガミタケシイケガミタケシ(30歳)

アートディレクター、デザイナー。
アニメーションからデザインまで幅広くこなすが、イラストが全く描けない。
トーフ親子を描いてくださいと言われるたび「描けないんです…ハハハハ… 」と謝り、相手に残念な顔をされる機会多数。
現在のメインクライアントはアパレルブランドのOLIVEdesOLIVE。
キャラクター業界とは全く違う道に侵入中。

DEVILROBOTS(デビルロボッツ)
DEVILROBOTS(デビルロボッツ)

1997年設立。れっきとしたデザイン会社として登記。平均年齢36歳。精神年齢17歳。キタイシンイチロウ:キャラクターデザイナー・アートディレクター、サイトウケンジ:クリエイティブディレクター、ヨシムラヨシゾー:クリエイティブディレクター・音楽制作、イケガミタケシ:アートディレクター、ニシヤマコトヒロ:トランスレーター の5人から成る。グラフィック、キャラ、ロゴ、広告、カタログ、パッケージ、Webサイト、ムービー、プロダクト、音楽の企画・制作を手掛ける。クライアントはトイメーカーからレコード会社、菓子店、教育、アイドル、社団法人、友達まで。音楽レーベルGOOD & EVIL MUSIC主宰。

HP http://www.dvrb.jp/w/
CONTACT thedevilrobots@dvrb.jp