Flex User Group に聞く

Adobe AIR 2.0 の魅力

先月、Flash Player 10.1Adobe AIR 2.0 のパブリックベータ版が公開されました。皆さん、もう試していただけたでしょうか。AIR 2.0 では、マルチタッチイベントやマイクロフォンの取得、ネイティブプロセスとの連携など、アプリケーションの可能性を広げる新機能が数多く用意されています。本記事では、そうした新機能をおさらいするとともに、先月開催された AIR 2.0 新機能お披露目イベント「Adobe AIR DAY」に登壇された Flex User Group の方々に AIR 2.0 の魅力を伺いました。新機能を使用したサンプル&コードも用意しているので、ぜひ AIR 2.0 の可能性を体験してください。

Adobe AIR 2.0 ベータ版の新機能

まずは、AIR 2.0 の主な新機能を紹介しておきましょう。現在公開されている Adobe AIR 2.0 ベータ版では、以下の新機能が実装されています。

マルチタッチイベント
のサポート
マルチタッチやジェスチャーなどの操作をイベントとして取得することが可能。
Microphone API マイクロフォンから入力したサウンドデータに直接アクセスすることが可能。
WebKit のアップデート レンダリングエンジンの WebKit を、Safari 4.0.3 に搭載されているバージョンをベースにしたものにアップデートし、JavaScript プロファイリングや CSS3 モジュールなどを新たにサポート。
大容量ストレージデバイス
の検出
PC に接続した USB ドライブやデジタルカメラを検出することが可能。
関連づけしたアプリで
ファイルを開く
任意のファイルを、PC にインストールされているアプリケーション(例えば、Photoshop など)から開くことが可能。
NativeProcess API ローカルにあるアプリケーションを起動したり、そのアプリケーションと連携することが可能。
グローバルエラー
ハンドリング
コード中で発生する未補足エラーのハンドリングが可能。
ネットワーク機能の強化 サーバソケット、UDP ソケット、TLS/SSL ソケットをサポート。
DNS のルックアップも可能。

 

その他の機能や詳しい内容については、Adobe Labs や Adobe AIR DAY のリポート をご覧 ください。

AIR 2.0 のココが魅力的!

先月、Adobe AIR 2.0 ベータ版の公開に合わせて、新機能の詳細を披露する「Adobe AIR Day」というイベントが開催されました。同イベントにスピーカーとして参加された Flex User Group の方々に、AIR 2.0 の魅力を伺うとともに、新機能を使ったサンプルアプリケーションを紹介していただきましょう。サンプルアプリケーションだけでなく、そのソースコードも公開されているので、ぜひ参考にしてください。

※サンプルアプリケーションを利用するには AIR 2.0ランタイムが必要です。

 

山本氏写真山本博士(twitter @hirossy)
genephics design, Inc.

たくさん新機能があり、どれも魅力的なのですが、特に NativeProcess API を利用してローカルファイルを実行できるようになったことが非常に大きいと思います。これにより、外部プログラムとの連携が容易になりました。AIR アプリと既存のプログラムとを MixUp することで、新たな価値を持ったアプリケーションがどんどん出てくるでしょう。

他に注目しているのは、マイク音声の生データを取得できるようになる Microphone API です。AIR は今後モバイルにも搭載される可能性があるので、非常に魅力的な機能だと思います。


Voice Launcher写真

「Voice Launcher」は、マイク音声によってアプリケーションを起動させる、音声認識型アプリケーション起動ソフトです。例えば、「Adobe Photoshop CS4」に対して「ふぉとしょ」と登録しておけば、マイクに向かって「フォトショ!」と言うだけで Photoshop が起動します。「Julius」という音声認識エンジンを使用しており、AIR アプリと Julius との連携部分には、新機能の NativeProcess クラスを使用しています。

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宮田氏写真宮田 亮
Webシステム開発株式会社

プレリリースプログラムで新 API の検証を行い、紹介文等を書かせていただきましたが、リリースノートで新 API が紹介された時に最も可能性を感じたのは ServerSocket クラス、それに関連して拡張・追加された DataGramSocket、NetworkInfo の各クラスです。

これにより、TCP/IP ネットワークを利用するあらゆるアプリケーションを AIR で作成するベースができるためです。AIR はクライアントサイドのデスクトップ環境なので、小規模なクライアントサーバ形態は AIR のみ、大規模な場合は LCDS や BlazeDS を併用するといったように、様々なスケールと状況に対応できるインフラになったといえます。


airPort 写真

「airPort」は、ネットワーク機能の拡張で実現可能になったデータ送受信機能を利用しています。同一ネットワーク上にあるairPortアプリケーション間で、テキストデータやファイルの送受信を行うことができます。

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伊藤氏写真伊藤 祥
http://blog.air-life.net/

AIR 2.0 の魅力の一つに、サンプルとして開発した「SORAAI」でも利用している「ネットワーク機能の強化」があります。これにより、今までクライアントとしてサーバに接続するのみだった AIR アプリケーションが、サーバとしての機能を提供できるようになりました。

AIR 2.0 の登場によって、サーバやデスクトップアプリの全てを ActionScript 3.0 で書くことができるという世界が既に姿を見せつつあります。もう AIR 開発者にできないことは無いといっても過言ではありませんよ!!


SORAAI

「SORAAI」は、勉強会や講演などのように時間制限のあるイベントで活用できるタイマー機能や、スピーカー/オーディエンス間のリアルタイムコミュニケーション機能を備えたツールです。ネットワーク機能を使い、スピーチ内容が楽しければ「へぇ」、つまらなければ「ぶぅ」という反応をスピーカーにリアルタイム で送信できるようになっています。この反応によって、セッション時間を短縮・延長する仕組みもあります。

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廣畑氏写真廣畑大雅(taiga)
http://taiga.jp/

一番の魅力は、やはり「ネイティブプロセスの起動と相互通信」だと思います。

以前、外部デバイスと連携するアプリケーションを開発したとき、AIR アプリケーションとデバイス間の通信をブリッジアプリケーション経由で補う必要があったのですが、そのブリッジアプリケーションは AIR アプリケーションから直接起動することができず、正直不満を感じました。

ですが、AIR 2.0 では、AIR アプリケーションから他のアプリケーションの起動から終了までコントロールすることができるようになったので、アプリケーションの精度が格段に向上しました。今後この機能により、優れた AIR アプリケーションが世にたくさん出てくるのではないでしょうか。


Touch Viewer 写真

「Touch Viewer」は、Flex 4 ベースの画像ビューアアプリケーションです。指定ディレクトリまたはマウントした USB ストレージデバイスのドライブ直下に保存されている画像ファイル(JPG、GIF、PNG形式)を一覧表示して、選択した画像を閲覧したり、マルチタッチ機能を用いてサイズ・角度・明度を変更したりすることができます。

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有川氏写真有川榮一
AKABANA

AIR 2.0 は、今までできなかった新しい体験を実現することが可能です。

その理由は、新機能の中で最大の魅力である NativeProcess API です。既存のアプリケーションの起動停止、そして AIR との相互通信が可能です。

もう一つは、「ネットワーク機能の強化」です。サーバとして動作したり、UDP の送受信を行ったりすることが可能です。

AIR 2.0 を利用することで、インターネットやアプリケーション、OS を統合した新しい RIA(Rich Integrated Application)を実現できます。


Come On AIR 2.0

「Comm On AIR 2.0」は、Adobe の Stratus を利用した P2P コミュニケーションツールで、動画・音声・画像・テキストを共有することができます。スクリーンキャプチャも共有でき、その取得には NativeProcess API を使用しています。

【サンプル関連記事】

青空文庫をリアルな感覚で読める Aozora Bookshelf:
MashUpAward 5 アドビ賞作品
Aozora Bookshelf 画面写真
アドビ賞

Aozora Bookshelf (制作:ポイント・アット株式会社

青空文庫サイト上で公開されている文学作品を、現実に読書するような感覚でパソコン上で読むことができる青空文庫ビュー ア。自分だけのお気に入りの本棚を作って、オフライン時に読むこともできる。

「Web アプリケーションの開発者にとって Adobe AIR は、リッチな UI 構築を容易にするだけでなく、マルチプラットフォームに対応していることから、魅力ある選択肢です。また、ローカル DB アクセスが可能なので、デスクトップアプリケーション開発にも有用です。Aozora Bookshelf の本棚の UI や、オフラインでの読書などは、AIR の特徴を活かすことで実現しています。今後は、モバイル分野での展開に注目です」(ポイント・アット株式会社 荒木哲也)

 

優秀賞
  • radioooo
    Twitter と YouTube を AIR 上でマッシュアップしたジュークボックス。
  • CastOven
    温め時間と同じ長さの動画を YouTube から探して再生する電子レンジ。

FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash
アプリケーションコンテスト開催のお知らせ!

Felica & AIR / Flash アプリケーションコンテスト

FeliCa と Adobe AIR / Adobe Flash の組み合わせによって、ネットとリアルをマッシュアップする展開を加速すべく「FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flashアプリケーションコンテスト」を只今開催中です!
(応募受付 2010年2月15日まで)

もちろん、Adobe AIR 2.0(ベータ版)の新機能との組み合わせによる画期的な作品も期待しております。副賞として「液晶テレビ BRAVIA」「PlayStation3」などを用意しております。この機会にぜひチャレンジしてみてください!

応募作品の開発にあたり、すでに無償公開している「SDK for FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash Basic」のほか、本誌8月号で紹介していただいた「SDK for FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash Standard」を、本コンテストにご参加いただける皆様に限定で無償提供しています。Edy や FeliCa Plug(FeliCa 無線インターフェイス)機器をご利用になりたい場合は、ぜひご活用ください。

また、本コンテストを含む SDK for FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash の情報提供として、コンテストサイトにてサンプルアプリケーションのソースコードも公開しております。例えば、アコーズ社が開発した「FeliCa Plug 内蔵歩数計」のデータを読み取るアプリケーション。このアプリケーションでは、FeliCa 無線インターフェイスである FeliCa Plug を採用しており、Web 画面に歩数計をかざすだけで2週間分の歩数、消費カロリーなどを Flash 上に表示します。ここからどういう方向に展開するか、クリエイティブの発揮しどころですね。

FeliCa Plug 内蔵歩数計の外観 歩数計読み取り開始

 

SDK for FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash "Edy" Sample application

Standard 版では、Edy の残高や履歴を確認できるサンプルアプリケーションが入っています。こちらも、 ビューアの見せ方、マッシュアップの仕方、あるいは数値をもとにした遊び方など考えられそうです。

他にも、カードと URL を紐づけて、カードをかざすだけで特定のサイトにジャンプするアプリケーション、FeliCa リーダーライターからおサイフケータイに URL を Push するアプリケーションなどがあり、今後もサンプルアプリケーションのソースコードを随時公開していきます。


応募方法など詳細については、FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flashアプリケーションコンテスト情報をご覧ください。皆様からのたくさんのご応募を楽しみにお待ちしています!

※FeliCa は、ソニー株式会社の登録商標であり、ソニー株式会社が開発した非接触 IC カードの技術方式です。