NODERA (.tv) :Flash Media Server 3 で実現した
16面ライブストリーミング配信
ノデラユウジ
今月号の記事
Flash Media Server 3 販売開始

価格は前バージョンの10分の1、パフォーマンスは2倍に進化した Flash Media Server 3。ついに日本での販売を開始しました。日本語版の技術ドキュメントも公開しております。 ぜひ製品ページをご確認ください。
Web やモバイルデバイスに高品質な Flash Video をストリーミング配信できるサーバソリューション、Flash Media Server(FMS)。この新バージョンである FMS3 が、いよいよ日本国内で販売開始となりました。FMS3 はパフォーマンスが飛躍的に強化され、より安価なコストで導入できることから、Flash Video のライブストリーミングを用いた新しいサービスの実現が容易となります。ここでは、一足早く FMS3 を利用した事例として、PC に搭載/接続された Web カメラを使ったライブストリーミングのサービス「NODERA (.tv) 」を構築した株式会社ノデラのノデラユウジ氏に、同サイトの誕生秘話と、FMS3 導入によるメリットを寄稿していただきました。
まったく新しいビジュアルコミュニケーションのあり方を目指して
私が代表を務める株式会社ノデラは、Web カメラを使って簡単にライブストリーミングを行い、さらにその映像をアグリゲートできるソリューションとして「NODERA (.tv) 」を昨年公開しました。NODERA (.tv) では、登録したユーザが自身の Web カメラを使って簡単にライブ映像をストリーミング配信することができます。16の面があり、1つの面に1人の映像が表示され、1つの画面内で最大16人が同じ時間を共有できるのです。映像を使ったコミュニケーションツールやサービスは他にもありますが、それらは Skype のように1対1の閉じたコミュケーションツールであったり、USTREAM のように1対多のパーソナルキャスティングシステムであったりします。
私が NODERA (.tv) で目指したのは、まったく新しいビジュアルコミュニケーションのあり方です。NODERA (.tv) を使えば、多対多でのコミュニケーションが可能となるだけでなく、その状況を外側から視聴する人までを含めた二層構造を持つ「多対多対多」ビジュアルコミュニケーション空間を提供できるのです。NODERA (.tv) は新たなメディアとして、コミュニケーションのあり方を変えていく可能性を大いに秘めていると信じています。

NODERA (.tv) http://nodera.tv/
NODERA (.tv) の構想は、マクロメディアから Flash Communication Server が発売された頃から考えていました。まず手始めに、私自身の個人ブログでライブストリーミングを配信することから試しました。その後、1画面で複数の映像を同時に表示できるインタフェースを開発し、友人に配信用アプリケーション(プロジェクタ)を配布して参加してもらいました。そして、2007年に「NODERA (.tv) 」と名付け、登録をすれば誰でも利用できるようにして一般公開しました。最初はユーザ数もそれほど増えず、参加しているのは友人、知人、マイミクばかりでしたが、Paperboy&Co.の家入さんがブログで紹介してくれたことがきっかけで爆発的にユーザ数が増え、常に誰かが参加している状態になりました。
解けない CPU の負荷問題。解決に導いてくれたのは FMS3
参加するユーザが増えたのはうれしいことですが、それによってさまざまな問題点が浮き彫りになりました。その中でも大きな問題が「CPU の振り切れ」でした。当時は FMS2 を使用しており、8人くらいが参加すると FMS2 サーバの CPU が振り切れてしまいました。CPU が振り切れると、映像がどんどん遅れていき、時には1分ほど遅延することもありました。また、通信も不安定になり、FMS をリロードすることも頻繁に発生しました。
どこに原因があるのか。まず目をつけたのは、サーバマシンです。使用している安価なサーバの CPU スペックが低いせいだと思いました。そこで、FMS2 の推奨以上のスペックを持つサーバを用意し、実験を重ねました。他にも使用する帯域を変更したりといろいろと試行錯誤しましたが、それでも CPU 振り切り問題は解決できません。そもそも NODERA (.tv) 自体が実現不可能なことなのではないかと半ば諦めかけていました。
それでも試行錯誤を続けているうちに、処理速度が格段に向上した FMS の新バージョン3がリリースされました。早速試してみたころ、16人が同時に参加しても CPU の振り切れ問題は発生しません。NODERA (.tv) が実にスームズに稼動しているのです。FMS2 の場合は、参加人数に比例して CPU 使用率が上がっていきましたが、FMS3 では16面全面を使っても CPU パワーの10%も使用していません。FMS3 を使用して、はじめて“NODERA (.tv) が使える”と実感しました。
シンプルさを徹底した NODERA (.tv) の使い方
NODERA (.tv) を制作する際に最も意識したのは「シンプルにすること」です。「Web カメラを使ったライブストリーミング」と聞くと、多くの人が操作が難しいと想像すると思います。NODERA (.tv) では、ユーザが利用する際の敷居をできるだけ下げるように心がけ、配信側と受信側にページを分けることなく、1つのページで完結するようにしました。実際に NODERA (.tv) を訪れていただくと、そこにある Flash(swf)がすべてを実現するシンプルさを実感していただけると思います。ユーザ登録をしていない方は、「JOIN」と書かれたメールのアイコンをクリックし、名前、パスワード、メールアドレスを入力して送信します。自動送信されたメール内にあるURLにアクセスすれば、ユーザ登録は完了です。
あとは、NODERA (.tv) にアクセスして「LOGIN」と書かれたカメラのアイコンをクリックします。先ほど登録した名前とパスワード、どこから配信しているかを表す「LOCATION」を入力します。そして、プルダウンメニューから自分のパソコンに接続された Web カメラを選びます。ちなみに Mac 本体に内蔵されている iSight カメラを使用する方は「USB Video Class Video」を選びます(ここはわかりにくい名前ですが、メニュー項目は OS のイメージングデバイス名から取得しているので、いずれ OS がわかりやすい名前にしてくれることを願います)。あとは「OK」ボタンをクリックするだけで、ライブストリーミングが開始されます。とても簡単ですよね?ぜひみなさんも、NODERA (.tv) という「多対多対多」ビジュアルコミュニケーション空間を楽しんでください。
ノデラユウジ
株式会社ノデラ、株式会社ノデラドットティーヴィーの代表取締役社長。1976年5月1日生まれ。ノデラインタラクティブ名義で Flash クリエーター業を中心に活動後、2006年5月1日、Flash を中心とした RIA、システム、Web などを手がける株式会社ノデラを設立。2008年2月22日、株式会社ノデラで作った NODERA (.tv) を専門に扱う株式会社ノデラドットティーヴィーを設立。
