Flash Player 10 パブリックベータ、新機能紹介

日本での普及率99.8%のアプリケーションランタイム Flash Player は、そのバージョンを重ねるごとに創造性の限界に挑戦した新機能が追加され、インターネット世界の方向性を破壊的に革新してきました。

Flash Player 8では、フィルタやブレンド機能、On2 VP6コーデックによる高画質ビデオ配信といった機能強化が行われました。続く Flash Player 9では、ActionScript 3.0/新しいバーチャルマシン Adobe Virtual Machine 2(AVM2)を搭載することで10倍の性能向上を果たし、さらにコンパイラを公開することでその開発の裾野をオープンソースにまで広げました。そしてFlash Player 10では、インタラクティブデザイナーとデベロッパが実現する、今までにないRIA体験とリッチメディアエクスペリエンスの構築/提供を可能にする機能強化が予定されています。これはブラウザやOSにかかわらず、映画を見ているような体験が実現できる画期的機能です。

是非Flash Player 10をインストールして、いちはやく各新機能を実際に体験して下さい。新機能を把握するには、Flash チームの作成したデモサイトがお奨めです。まずはそちらからご覧下さい。

Flash Player 10 Feature Demos and Videos
Adobe Labs - Flash Player 10 Feature Demos and Videos

なお、現在配布されている Flash Player 10はベータ版ということもあり、場合によっては閲覧できないサイトなどが出てくる恐れがあります。インストールは通常業務、閲覧に影響のない環境に行うことをお奨めします。もし問題を発見した場合には フィードバックフォーム (英語のみ)までご報告お願いします。

それでは、パブリックベータで公開されているFlash Player 10に搭載予定の主な新機能についてご紹介していきましょう。

Flash Player 10 パブリックベータで提供された新機能

カスタムフィルタ、カスタムエフェクト

Flash Player 10 には高パフォーマンスイメージプロセッシング言語、Adobe Pixel Bender によるピクセルシェーディング機能を設定することで、独自のフィルタ、ブレンドモード、塗りを生成することが可能です。Adobe Pixel Bender は Adobe After Effects CS3 上のフィルタや特殊効果を作成する際に用いられているものと同様です。そのパラメータ設定を変化させることにより、アニメーションエフェクトやリッチメディアコンテンツの効果をランタイム上で反映させることが可能です。

ほとんどのフィルタは1KB以下で、既存のFlashのフィルタと同時に使用でき、また、ビットマップ、グラフィック、ビデオ等のすべてのオブジェクトに対して、そのインタラクティブ性を維持したまま使用することができます。Pixel Bender の作成は、Adobe Labs で無償提供している Adobe Pixel Benderツールキット を使って行えます。既に世界中の開発者たちが独自のフィルタ作成に挑戦していて、Adobe.com の Pixel Bender Exchange にて無償公開しています。是非ダウンロードして、ご自身のフィルタ作成の参考にして下さい。

Flash Player 10 における Pixel Bender のデモにつきましては、Flash チームの作成したデモムービー Pixel Bender Viewer サイトをご覧下さい(あらかじめ Flash Player 10 のインストールが必要です)。

Pixel Bender View
Pixel Bender による Flash Player 10 上コンテンツへのエフェクト適用

3D 効果

すべてのディスプレイオブジェクトにZ軸座標が追加され、これまでと同様の双方向性を保持したまま 3D 変形や 3D アニメーションを付加することができるようになりました。外部ライブラリを使用することなく、すばやく、軽量で、ネイティブの 3D 効果を誰でも簡単に作成することができます。また、提供されている API を利用すると、より複雑な 3D 効果を簡単なコードで作り出すことも可能です。今まで見たことのない深度のあるグラフィックスを、3D を得意とする Web デザイナーや開発者が作成できるようになりました。

Flash チームの作成したデモムービーもあわせてご覧下さい。

3D効果のデモ
携帯電話を3D状に配置

リッチテキストレイアウト

これまでのテキストフィールドに柔軟性の高い新しいテキストエンジンが搭載され、アンチエイリアスや回転、スタイル、フォント属性の自由なコントロールが行えるようになりました。これはデバイスフォントを使用している場合でも同様で、フォントを埋め込むことなくアンチエイリアスやフィルタを適用させることが可能です。また、合字(リガチャ)のようなタイポグラフ要素もサポートされ、双方向性溢れる Web をデザインしたり開発したりすることができます。さらに、縦書き、往復、右から左など、さまざまなテキストレイアウトがオプションとして用意されており、RIA 構築、電子書籍、オンライン出版などを実現することが可能です。

Flash チームの作成したデモムービーもあわせてご覧下さい。

新しいテキストエンジンによる日本語の縦書き
新しいテキストエンジンによるデバイスフォントの縦書き表示

描画APIの強化

これまで ActionScript を使って動的に線を描くためには、各線ごとに逐一コードを記述する必要がありました。今回その描画 API が拡張されたことで、スタイル属性の再設定や、3D API の処理、綺麗な形状の描画が驚くほど簡単に行えるようになりました。これによって、曲線をひねったり、スタイルを変更したり、パーツを置き換えたり、さらにはフィルタやエフェクトをかけたりすることもできます。

カラーマネジメント

Flash Player 10 では、カラーマネジメント機能による Web アプリケーション上における正確な色再現が可能になりました。選択したカラーマネジメントによって SWF 全体を sRGB 色空間に変換し、最終的にモニタの ICC カラープロファイルに沿って出力します。この機能はランタイムで有効・無効を切り替えることができます。

GPU ハードウェア アクセラレーション

これまで CPU を使ってソフトウェアで行っていた画面処理をビデオカードによるハードウェア処理で行うことができるようになりました。CPU よりも遥かに高速な GPU の処理能力とメモリ帯域幅を活用して SWF コンテンツのレンダリングを行い、CPU には 3D コンテンツのレンダリングや高精細なエフェクト、複雑なビジネスロジックの処理など他の処理に注力させられるため、全体的なパフォーマンスが劇的に向上します。

GPU による画面処理は、ビットマップやビデオの重ね合わせ処理、エフェクトやブレンド効果などのすべてのラスターオブジェクトが対象ですが、HTML パラメータによる GPU 処理の有効化指定とシステムに GLSL 互換の OpenGL 2.0 に対応したビデオカードが検知された場合に有効になります。

Vector データタイプ(ECMAScript4 新規格)

ECMAScript4 に追加された Vector と呼ばれる新しいデータ型に対応しました。配列に似た形ですが、要素のデータ型を同じにすることで配列よりもかなり高速な処理が可能です。

リッチメディア

Adobe Flash Player 10 パブリックベータ版と次期バージョンの Adobe Flash Media Server との間では、新たに高性能なストリーミング(ダイナミックストリーミング)がサポートされるため、利用可能な帯域幅が変動したとき動画品質を自動的に調整し、動画をスムーズに再生できるようになります。バッファリングのために再生が一時停止することがなくなるため、ユーザー体験が大幅に改善されます。

また、UDP ベースのセキュアなプロトコルを利用可能にするRTMFP(Real Time Media Flow Protocol)のサポートや、新たにオープンソースのオーディコーデック Speex を採用し、より高品質な音声配信が可能になります。VoIP などのアプリケーション開発の可能性も身近なものになります。

 

その他、クリップボードへのアクセスやリッチテキストをサポートしたコンテキストメニュー、4191x4191ピクセルのビットマップサポート、動的な音声生成機能ファイル読み込み機能などが追加されています。

その他の関連情報

正式リリース前にこれらの新機能を活かした Flash Player 10 コンテンツの作成に挑戦してみたいという方は、以下の Flex による解説(英語のみ)を参考に始めていただければと思います。いちはやくその新たな魅力を体験して下さい。

Targeting Flash Player 10 Beta with Flex SDK 3.0.x

その他、以下の Flash Player 10 についての関連情報もあわせてご覧下さい。

実際に開発に挑戦頂いて、もし不具合を確認された場合や、ご意見、ご要望等ございましたら、フィードバックフォーム(英語のみ)までご報告をお願いします。今後の Flash Player の製品開発における品質向上に有効活用させていただきたいと思います。みなさまのご協力をお願いいたします。