あなたの CMS 選択肢に追加して下さい!「SOY CMS」&「a-blog cms」

みなさん、サイト構築の CMS には何を使っていますか? 手軽に使える CMS として、Movable Type や WordPress が注目を集めているものの、万能というわけではありません。クライアントニーズはいろいろ、CMS の特徴もいろいろ。千差万別なクライアントニーズに応えられるようになるには、1つの CMS にこだわるのではなく、いくつかの選択肢を持っておく方がよさそうです。そこで、新たな選択肢としておすすめしたいのが、「SOY CMS」と「a-blog cms」です。どちらも国産であり、何と言っても「導入のしやすさ」「柔軟性の高さ」が際だつ CMS です。それでは、開発者である古荘貴司さん(SOY CMS)、やまもと かずみちさん(a-blog cms)にその特徴を伺いましょう。

既存サイトの好きなところを CMS 化できる「SOY CMS」

まず紹介するのは「SOY CMS」です。2008年3月に公開され、今では公式サイトからのダウンロード数だけでも月間700以上という人気です。

SOY CMS
SOY CMS


Edge:SOY CMS ならではの特徴を教えて下さい。

古荘:既存サイトへ導入するのには非常に適しています。HTML ができた状態から CMS に組込み、稼動させるまでのコストは、今把握している限りでは他のシステムに比べて大きなアドバンテージを持っていると思います。たとえば、メジャーなブログ型 CMS であれば一般的に数日かかるような作業が、SOY CMS だと2〜3時間あればできるという感じです。

ポイントは、SOY CMS の仕組みにあります。SOY CMS では「ページ」と「記事」という2つの単位で情報を扱います。ページはサイトマップを構成する部品、記事はサイトやページの中のどこでも自由に表示できるコンテンツという感じです。ページはゼロから作ってもいいですし、既存サイトの HTML をそのまま利用することもできます。たとえば、既存サイトのお知らせコーナーを CMS 化したいとします。お知らせ用コンテンツを記事として登録し、「demo」とラベル付けします。そして、既存サイトの HTML をページとして登録し、その際にお知らせコーナーの HTML ソース部分に以下のようにコメントと属性を追加します。これだけでいいのです。あとは、必要に応じて、表示件数などを設定します。

<!-- block:id="demo" -->
<h2 cms:id="title">デモサイトのニュースです!</h2>
<div class="news_text" cms:id="content">
この部分に記事の本文が入ります。
</div>
<!-- /block:id="demo" -->

このように既存サイトの好きなところを手軽に CMS 化できます。

また、「SOY App」という拡張機能開発の仕組みを実装しています。SOY App を使えば、簡単にメール一括配信システム、お問合わせフォーム設置システム、掲示板システムを CMS に追加することができます。

クライアントでの運用についても、分かりやすくなるように設計しています。管理画面では、制作者がページを作ったりする「サイト全体の運営」画面と、クライアントが行う「記事の追加・編集を行うだけの日常管理」画面を分けています。日常管理用画面の構成は非常にシンプルで、「記事の作成・編集」→「投稿・編集画面 」→「投稿」という一つの流れですべての作業を行えるようになっています。サイトのどの部分を更新するかは、記事の保存時に何用の記事なのか整理するためのラベルを付けたり外したりしておくだけです。同じ画面でさまざまな記事を投稿するとなると混乱しそうですが、同梱プラグインによって追加されるカスタムフィールドはラベル毎に表示/非表示を切り替えられるので心配ありません。

サイト全体の管理者の画面 記事のみ管理できる管理者の画面
左はサイト全体の管理者の画面。右は記事のみ管理できる管理者の画面

Edge:アドビ製品との連携はできるのでしょうか?

古荘:先ほども言いましたが、SOY CMS のテンプレート(ページ)は、通常の HTML ソースに CMS 用のコメントや属性を追加しているだけです。標準で同梱しているプラグインを使って、そのテンプレートを HTML ファイルとして書き出すことができます。そのファイルを Dreamweaver で編集し、再度同じディレクトリにアップロードすれば、更新することができます。デザインビューで編集しても、ほとんどの場合はそのまま SOY CMS のテンプレートとして動作させることが可能です。

下記のデモムービーでは、Dreamweaver のテンプレート機能を使って複数のページの(CMSの)テンプレートを同時に更新するということをしています。これを見ていただければ、Dreamweaver との親和性は極めて高いことがお分かりいただけると思います。

http://www.youtube.com/watch?v=OP79267lceQ

Flash との連携については、SOY CMS からは HTML だけではなく XML を出力することもできるので、ビジュアルを Flash で作成し、内部の画像やテキストを SOY CMS から渡すといったことが可能です。

Edge:今後の予定を教えて下さい。

古荘:EC 機能や、サイト運営や周辺業務に便利なさまざまな機能は SOY App として継続的に追加していく予定です。その他にも ASP によるサービス提供も計画しています(現在も ASP による提供はしていますが、機能制限が多く「お試し版」としての位置づけです)。

管理画面 UI の変更も含めて、大抵の機能追加・改善はそう難しくありません。もしこんな機能がほしいなどのリクエストがあれば、是非ご意見をお寄せ下さい。

SOY CMS 利用事例
SOY CMS 開発者

古荘氏写真

古荘貴司
株式会社日本情報化農業研究所
代表取締役

京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻修士課程修了。大学院在学中には行動心理学を研究。大学院修了直後の2005年、株式会社日本情報化農業研究所を設立、代表取締役就任。2008年3月オープンソース汎用 CMS「SOY CMS」を公開する。

Web 制作会社が作った Web 制作者のための「a-blog cms」

次に紹介するのは、使い勝手の良さが評判の「a-blog」をベースに、CMS としての機能をより充実させた「a-blog cms」です。6/23 に正式リリースしたばかりですが、有償利用 2,000サイト 以上の実績を誇る a-blog の後継システムということで期待がもてます。

a-blog cms
a-blog cms

Edge:a-blog cms ならではの特徴を教えて下さい。

やまもと:エントリー投稿フォームの柔軟性が一番の特徴だと思います。Web 制作者が CMS を導入する際に最も重視することの一つは、「クライアント側での更新のしやすさ」ではないでしょうか。いかにクライアントのニーズやスキルに合わせた投稿フォームを用意できるかが重要となります。

a-blog cms では、サイトや管理画面のテンプレートが HTML となるため、Dreamweaver のような HTML エディタを使って、自由に投稿フォームを作成することができます。また、サイトのカテゴリごとに異なるテンプレートを設置することもできます。たとえば、a-blog cms を導入している「ジェイプロジェクト硬式野球部 」の場合、「お知らせ」「試合結果」「選手紹介」の各カテゴリでは掲載情報の構成がまったく違いますが、それぞれの内容に適した投稿フォームを用意しています。そうすることで、クライアントも迷わずスムーズに更新できるようになっています。

「お知らせ」カテゴリの投稿フォーム 「試合結果」カテゴリの投稿フォーム

左は「お知らせ」カテゴリの投稿フォーム。右は「試合結果」カテゴリの投稿フォーム

 

その他の特徴としては、メールフォームのシステムが標準機能として実装されています。入力項目のチェック機能はもちろんのこと、複数のページに分割されているフォームを作ることや、複数のフォームを一括管理し CSV ファイルをダウンロードすることもできます。

Edge:アドビ製品との連携はできるのでしょうか?

やまもと:基本的にサイトのテンプレートはすべて HTML です。通常のようにデザインした HTML に、<!-- BEGIN aaa -->~<!-- END aaa -->{aaa}といったコメントタグを挿入することでシステムと連動させます。

<!-- BEGIN_MODULE Entry_List -->
<ul>
<!-- BEGIN entry:loop -->
<li><a href="{url}">{title}</a></li>
<!-- END entry:loop -->
</ul>
<!-- END_MODULE Entry_List -->

Dreamweaver では SSI のインクルード機能をデザインビューでプレビューできます。その機能があることを知って、同様の記述(たとえば、<!--#include file=" header.html" --> )でテンプレートのインクルードができる機能を用意しました。他にも、エクステンションマネージャからスニペットをインストールできる XMP ファイルも同梱しています。

また、Flash とは動的 XML 生成による連携はもちろん、オプションモジュールになりますが、エントリーにアップした写真を表示させるFlashモジュールも用意されています。

Edge:今後の予定を教えて下さい。

やまもと:正式版をリリースしたばかりなので、これからいろいろと充実させていきたいと思います。今後にご期待下さい。

a-blog cms利用事例
a-blog cms 開発者

山本氏写真

やまもとかずみち
有限会社アップルップル

2000年秋に最初の「a-nikki」という日記 CGI を公開しました(この時に考えたインターフェイスが a-blog cms まで引き継がれています)。当時はプロバイダに勤めていましたが、2002年に独立し Web 制作を個人事業主として開始、2004年秋にはアップルップルを法人化して「a-blog」を開発しリリースしています。また、名古屋の Web 業界を盛り上げるための活動として、WCAN という Web 制作者のための勉強会の主宰を2000年より行っております。


最後に

みなさん、いかがでしたでしょうか。この記事で紹介しているのは、ほんの一部の機能です。a-blog cms は、30日間サーバ上にインストールしてお試し利用できますし、ローカル PC 上であれば期間制限もなく開発用として無料で利用可能です。SOY CMS は、オープンソースで非商用・商用利用もすべて無料ですし、手軽にお試しできる SaaS 版もあります。ぜひ、試してみて下さい!