Java開発者も絶賛するActionScript 3、その魅力。

 

今、Java開発者の間で、新しいActionScript 3が注目されています。従来のActionScript 2に比べて言語仕様などがJavaに近くなり、洗練されたオブジェクト指向のプログラミング言語になったという理由も大きいですが、それ以上に、フロントエンドにFlash Player 9を用いることによる可能性、そしてプログラマがビジュアル表現をコントロールできるメリットが大きく受け入れられています。このポイントについて、Java開発者について伺ってみました。

ActionScript 3で開発効率と表現力が大幅に向上

谷口貴志氏

株式会社エイ・エス・ヴイ
ソフトウェア開発ディレクター
谷口貴志氏

株式会社エイ・エス・ヴイ(以下「ASV」)は、映像関係を得意とするソフトウェア開発会社。その業務内容とFlashの関わりについて、ソフトウェア開発ディレクターである谷口貴志氏は次のように話します。

「弊社の独自製品としてWebサイト上の動画にメタデータを付け加える『Fictoreal』というサービスを開発しています。とくに、Web上での動画再生については、プレーヤにFlash Playerを採用しています。たくさんの方に見ていただくには、たくさんのコンピュータにすでに入っているもので再生できるのが絶対条件です。Flash PlayerはLinuxでも再生できますし、Flash Player 9ではパフォーマンスが大幅に向上などの利点があります。また、エンドユーザに何かをクリックさせたり、インストールさせないと動画が再生できないのは敷居が高いので、その点をクリアできるのはFlash Playerしかありません」

「もともとはJavaで開発していました。Javaはクロスプラットフォーム環境ではありますが、ユーザにとってみればJavaの実行環境が必要で、Javaアプレットのダウンロードにも時間がかかるなど、ユーザ側の実行環境としては敷居が高いです。それよりも、ユーザ側でのインストール率が高く、Webブラウザ上で簡単に動画を再生できるFlash Videoのほうがユーザのメリットは大きいですね」

そして今、谷口氏が開発ツールとして活用し始め、大きな可能性を感じているのがActionScript 3です。動画配信サービスにおけるフロントエンドとしてFlashを用いる上で、その開発言語であるActionScript 3にどのような魅力を感じているのでしょう。

「もともとJavaで開発をやっていたので、ActionScript 3のJavaライクな文法は、とても入り込みやすいんです。まだ日本国内ではActionScript 3に関する情報が多いとは言えませんが、Java開発者なら今からでもスムーズにActionScript 3による開発を行うことができると思います」

Javaにはない、オブジェクトのビジュアル操作

Fictoreal

Fictoreal
世の中の様々な情報を「映像」を媒体として結びつけ、提供する情報配信システム。視聴者側で動作するプレーヤはFlashで実装されている。映像の展開に沿って内容説明や補足情報をメタデータとして映像に紐付け、視聴者のマウスアクションなどによりそれらを引き出すことができる。映像制作側の情報だけに留まらず、視聴者のコメントなども融合することにより視聴者に様々な切り口から映像やメタデータを提供できるのが最大の魅力となっている。

さらに谷口氏は、ActionScript 3の開発効率の高さについても魅力を感じています。

「ムービークリップはJavaにはない概念で、とても多機能なオブジェクトですね。例えばマウスカーソルがオブジェクトに重なっときのマウスオーバーの操作などは、JavaよりもFlashとActionScript 3のほうが圧倒的に楽に実現できます。また、Flashならオブジェクトの拡大縮小や回転なども簡単に制御できます。Javaの場合は回転を制御するだけでも何行も記述しなくてはいけませんが、ActionScript 3ならRotationのパラメータをいじるだけで良いのです。ビジュアルのコントロールがとてもやりやすくなっています」

また、ActionScript 3で強化されたXMLのサポートにも注目されています。

「XMLは通信時にも保存時にも頻繁に使われます。ActionScript 3ではXMLの構造をごく自然に扱うことができるんです。XMLの用途は非常に多岐に渡るので、これは大きいと思います」

ActionScript 2からActionScript 3に進化したことによる、数々の改善点も、谷口氏には魅力的に映っています。

「ActionScript 2に比べて、厳格な型付けとエラー処理が可能になりました。ActionScript 2ではエラーが曖昧なため、そのまま作業を進めて後々苦労することもありましたが、ActionScript 3ではちゃんとエラーはエラーとして出ます。これだけでもデバッグにかかる時間が大幅に減り、開発効率は段違いに良くなったと思います。文法もActionScript 2に比べてよりJavaライクで自然なものになっています。また、内部のXML操作やループ処理などを行う際、ActionScript 3では最適化処理をしなくても高いパフォーマンスを得ることができています」

Adobe Flex Builder 2

Adobe Flex Builder 2
Eclipseベースで開発が進められるAdobe Flex Builder 2。Java開発者がActionScript 3に取り組むには最適なツール。

デバッグが効率的になったことに関しては、「実行時に発生する、原因がつかみにくい動作不具合がなくなりました」と、大きく評価しています。谷口氏が実際にActionScript 3のコーディングに用いているツールは「Adobe Flex Builder 2」です。Adobe Flex Builder 2はEclipseベースの開発環境、MXML(Flexのプレゼンテーションを記述するためのXML)、ActionScript、CSSに対応したパワフルなコーディングツールで、問題点を効率的に把握し解決できるデバッグツールも内蔵しています。Java開発者がActionScript 3に取り組むには、最適なツールなのです。アドビのWebサイトから、Flex Builderの30日無償試用版がダウンロードできますので、ぜひ一度お試しください。

ActionScript 3がプログラマとデザイナーの架け橋に

ビジュアルな動きを持つインタフェイスのデザインを作り上げるときには、デザイナーの仕事とプログラマーの仕事に切り分けられるケースが多いです。そういったケースを見据え、谷口氏は「デザイナーから“こういうインタフェイスを作ってほしい”と依頼されたものが、ActionScript 3なら実現しやすいと思います。今まではバラバラだったデザイナーとプログラマー、そしてFlashでアニメーションを作ってきた人たちが一緒に仕事ができたら、可能性が広がると思います」と話し、「JavaはFlashの表現力に勝てません。エンドユーザにお使いいただくクライアントアプリケーションとしては、これからはFlashが第一候補になってくるのは必然でしょう」と展望を語っています。

ActionScript 3を架け橋にデザイナーとプログラマーが出会ったとき、お互いの仕事の可能性は大きく広がる──ActionScript 3には、そんな期待を感じることができるとも言えるでしょう。