ホットペッパー.jpが描き出す
『北斗の拳』とブログの融合 ─ 「グルメの拳」
今月号の記事
2007年のゴールデンウィークに劇場公開される映画『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章』と、(株)リクルートの「ホットペッパー.jp」のタイアップにより「グルメの拳」。Flashによって展開されるこのコンテンツは、漫画『北斗の拳』のフキダシにグルメに纏わる言葉を入れることで新しく構築されたストーリーで、ターゲット層であるM1層(20〜34歳の男性)に「ホットペッパー.jp」の認知度を高めるコンテンツとして登場しました。
制作を担当した(株)ピクルスのタナカ ミノル氏はこのコンテンツについて、“認知度の高い『北斗の拳』のキャラの魅力を最大限引き出すために、漫画そのものの質感とFlashならではのアニメーションを融合しています”と語っています。今回用意された動画は計31本。短編から中編まで、深読みからキャッチーなものまで。フキダシに入るグルメの話題は、サラリーマンがよく言うグルメネタをベースにブレストが重ねられ、『北斗の拳』の世界観を損なわず、かつ起爆剤となるよう真摯に言葉を選びストーリーを完成させたと言います。
制作にはFlash 8が活躍しています。タナカ氏によると、当初はHTMLベースで縦長に見せる構想をもっていたとのこと。しかし、コミックの世界観に重点をおいたときに、どうしてもFlashが外せなかったと言います。オープニングは、「グルメの拳」がどのようなものなのかを暗示するアニメーションを展開。続いてマウスホイールの機能を使ってユーザがコンテンツ全体を簡単に一望できると同時に、コンテンツ数の豊富さをユーザが認識できるという二重のメリットを生み出しています。
ひとつひとつのコンテンツについても配慮が加えられており、『コラージュムービー』を面白く読んでもらうためにアニメーションで大げさな演出を加えたり、『北斗の拳』のパロディーだということを示すために、コマのスライドのみで構成したものもあります。また、深読みや理解に時間がかかるものにはサウンドよる情緒感が演出されており、見るものの理解を促すような仕掛けがなされています。
さらにこのプロモーションで特筆すべきは、作られた動画がブログパーツとして二次利用されているところでしょう。(株)リクルートでプロモーション企画を担当された石垣治美氏に、今回の企画のポイントとブログパーツによる展開について、お話をお伺いしました。
1. このプロモーションの目的とは?
M1層に浸透している『北斗の拳』のキャラクターを使って、グルメサイト「ホットペッパー.jp」の認知度をアップすること。ならびに「笑い」をテーマに彼らの「共感」を得ることを目的としています。
2. 漫画『北斗の拳』を採用したポイントは?
グルメ情報に敬遠がちなM1層の趣味志向をリサーチした結果、最もシンパシーを感じてもらえるコンテンツのひとつの答えが“昔親しんだマンガ”でした。彼らが熱狂した漫画のひとつが『北斗の拳』であり、なおかつこの世代の共通言語となっていることに、他にはない価値を感じました。
3. 完成したFlashコンテンツに対して、どのような評価をしていますか?
とても満足しています。あたかもホットペッパーのサイトをジャックしてキャンペーンサイトへの導入に誘うイントロは、Flashならではの迫力です。フルFlashのサイトにすることで、違和感なくユーザを楽しませることができたと思います。もちろんあとからあれもやっておけば、と思うことはありますが、制作会社とクライアントが一緒になって取り組んだからこそできた最適解のサイトだと思います。
4. ブログパーツとして展開する理由は?
単にムービーを公開しただけでは広がっていきません。ユーザがムービーの内容を説明する手間を省き、どんどん話題にしていけるようにブログパーツにしました。「グルメの拳」が、友人と話すきっかけになればよいと思います。友人と話すなら楽しいことがいい。そのためもあって「笑い」をテーマにしています。
株式会社リクルート インターネットマーケティング局 マーケティンググループ 石垣治美氏(左)と株式会社ピクルス タナカ ミノル氏(右)
5. ブログパーツをどのような広告媒体として見ていますか?
ユーザが能動的に動かなければ成立せず、彼らの共感があってこそ普及する広告媒体です。とても扱いが難しいですが、それゆえ彼らが自分のブログに張ってくれることの意義が大きいです。ユーザ間の広がりを期待できる、今、発展の土壌が整ったのではないでしょうか。
6. ブログパーツをどのように普及させていくか、そのアイデアは?
キャンペーンサイトでは、まずこれがブログパーツとして伝えることを認識させるために、あえてトップに「ソース」を載せています。キャンペーンの認知が進めば普及も追従すると考えているので、キャンペーンの認知向上に努めました。またブログパーツ単体でいえば、仕様にしても内容にしても「面白さ」「気安さ」がキーワードではないでしょうか。
