米国で広がるCMSテンプレートビジネス「スキニング」
今月号の記事
WordPress、Joomla、Drupal、Xoops など、さまざまな オープンソースCMS が存在します。みなさんも、クライアントワークに オープンソースCMS を使用していることでしょう。米国では、オープンソースCMS のテンプレートをデザインすることを「スキニング(Skinning)」と言い、このような仕事を主に行っているデザイナーを「スキナー(Skinner)」と呼んだりもしています。最近、米国のフリーランスデザイナーの間では、新たなビジネスとしてこのスキニングを始める例が増えています。そこで本記事では、Dreamweaver & Fireworks プロダクトマネージャー森房が、人気の CMS「Joomla」のテンプレートビジネスで有名な「RocketTheme」の CEO であるAndy Millerさんにビジネスの状況を伺いました。
森房:
テンプレートビジネスを始めたきっかけは何ですか?
Andy:
私は昔、大企業で自社サイトを制作していました。色々な部署があり、その部署にあうCMSのテンプレートを作るのですが、「3ヵ月ごとに新しいテンプレートを作って、以前に作ったテンプレートは破棄する」という作業の繰り返しでした。
森房:
効率が悪いですね。
Andy:
そうなんですよ。仕事とはいえ、せっかく一生懸命作ったものを3ヵ月ごとに捨ててしまうのはもったいない、再利用できないかなぁ~と思って、会社を立ち上げました。
森房:
昔からスキニングをしていたのですね。
Andy:
はい。最初は1人でやっていたのですが、ユーザのニーズが多く、会社の急成長に伴い、1人雇い、2人雇い、と今の会社のサイズになりました。
森房:
RocketThemeのTeamのページを見ると、北米、ヨーロッパ、エジプト、日本と世界中に社員がいますね?
Andy:
やはりオンライン のサービスビジネスをする上で、24時間のテクニカルサポートは非常に重要だと思います。世界中にチームメンバーがいることにより、フォーラムで24時間のテクニカルサポートに対応できるようになりました。
森房:
海外に優秀な人材を見つけるのは大変だったのではないですか?
Andy:
もちろん大変でしたが、 Joomlaのコミュニティーで、我々のテンプレートの大ファンの方で一緒にやっていこうという素晴らしい人々に出会えたのが幸いでした。
森房:
では、実際のRocketThemeのサービスの特徴を教えてください。
Andy:
我々のサービスは、テンプレートを一つ一つバラ売りするのではなく、会費制でユーザが公開されている全てのテンプレートを使えるところが大きな特徴です。
森房:
過去の資産を再利用する素晴らしいシステムですね。
Andy:
そうですね。ユーザの皆様に色々と使っていただき喜んでもらえるのが最大の喜びです。テンプレートを使用する上で、やはりユーザが一番大変なのは、テンプレートをどうカスタマイズ、管理するかです。そこで我々は、チュートリアルとオンラインでのサポートフォーラムに力を入れております。
森房:
チュートリアル・ムービーや、スクリーンショットが豊富なステップバイステップで、非常にわかりやすいですね。
Andy:
ご覧になるとわかると思いますが、画像の編集のチュートリアルは、Fireworksを使う方法で説明しております。
森房:
ありがとうございます。恐縮です。でも、何故Fireworksでのチュートリアルなのですか?
Andy:
それは、私自身がVersion 1.0から使っていて馴染んでいるし、ディベロッパーにも簡単に扱え、ファイルサイズが小さくて重宝するからですね。ネイティブファイルがPNGなので、ファイルの管理が楽なのもあります。Sliceで切るには、Fireworksほど優れているアプリケーションはないでしょう。
森房:
それでは、サービスの利用条件、価格体系などを教えてください。
Andy:
はい。RocketThemeに入会すると、現在公開されている全てのテンプレートがダウンロード可能になります。もちろん、新規に制作されたテンプレートも随時自由にダウンロードして使えます。ダウンロード可能期間や使用できるサイト数は、会員の種類によって異なります。会員の種類は次の通りです。
| 会員の種類(ダウンロード可能期間) | 使用可能なサイト数 | 価格 |
| 3ヵ月間 | 2つのサイトまで | $50 |
| 1年間 | 3つのサイトまで | $75 |
| 1年間の更新 | 現在のサイト数に2追加 | $60 |
| プロフェッショナル向け1年間 | 無制限 | $250 |
| プロフェッショナル向け1年間の更新 | 無制限 | $200 |
Andy:
あいにく日本語でのサポートはないのですが、是非JoomlaでRocketThemeをお試しください。
森房:
今後、日本でも同じ展開を期待したいですね! 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
インタビューの後、自分で日本語のJoomlaのサイトを立ち上げ、RocketThemeからお借りしたテンプレート を使ってみたのですが、何の問題もなくすんなり動いてしまったので驚いています。
RocketTheme.comは、JoomlaとPhpBBのテンプレートで確立した会社でしたが、欧米ではフリーランスで活躍している デザイナーの多くの方が、小規模のクライアント向けに、オープンソースの色々なCMSを使用しスキニングのデザインをすることにより、新たなビジネスの幅を広げているようです。もちろん、クライアントのサイトの規模、サポート体制、拡張性を考慮し、静的サイトが良いか、ダイナミックな動的サイトが良いかも考えた 上で、Fireworksを使って是非、RocketThemeのスキニングに日本からも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
Andy Miller
CEO / 創設者 / Kafunaトップ
Andy は Mambo CMS のコア開発者時代である2004年から mambodev.com を開始。 Mambodev.com がテンプレートベースの CMS として人気が出始めた頃に、 RocketThemeと名前を変更しました。 Andy が Joomla のコア開発者であることも影響し、RocketTheme はJoomla のテンプレートクラブとしては一番人気となりました。
Andy は University of Florida のコンピューターエンジニアリングを卒業し、大手グローバル企業に勤務。この経験が Andy の Web デザインへのパッション、世界中の人々が良いデザインの Web を構築することへと結びついております。
森房卓史
アドビシステムズ・インコーポレイテッド
Dreamweaver & Fireworks プロダクトマネージャー
アメリカ本社にて Adobe Illustrator の品質管理部から製品開発に携わり、Adobe InDesign、Illustrator のプロダクトマネージャーを経て、Illustrator CS3 出荷後、Dreamweaver 兼 Fireworks のプロダクトマネージャーに就任。常に「お客様第一」を唱えつつ、品質改善、パフォーマンス向上、使い易さを最重視した製品作りを心がけている。
