デビルオブツ×文原聡:

「仕事どう? これから会社どうするの?」

さてさて、デビルロボッツのババ(ジョーカー)=デビルオブツ(ときどき切り札)です。連載1回目を無事クリアし、真価が問われる2回目。CM、DVDで大人気の「ネセサリー」なアニメーション「GOLDEN EGGS」のすべてを手がけるstudio crocodile 文原聡さんを迎えての対談です。巷をトリコにするクリエイティブのA(エース)に、斜め目線のジョーカーどもが果たしてどんな角度で切り込むのか!! 意外とまっとうなトークに収まりました。クリエイティブで食っていくための、なるほどな視点がここに!(今回、激しい下痢によりヨシムラヨシゾーは欠席。スミマセン。。。。)

DEVIL(R)OBOTS(汚物) x studio crocodile ロゴ

ケンボー:
いきなりベタな質問やけど、文原くんはアドビのソフトは使ってる?(笑)

文原:
使ってるよ。Photoshopとか。あと編集にPremiereやAfter Effects使ってるし。ほぼアドビかな。

イケガミ:
ソフトのこと聞いておきながら(笑)、今回の対談では、実はソフトをうまく使うことよりも、大もとのモノづくりに対しての姿勢とかバックグラウンドを話していただきたいなと。クリエイティブで食うためのノウハウとか。

ケンボー:
今GOLDEN EGGSはメディアに露出してて勢いすごいけど、例えば10年後に向けて今のままでやっていくんじゃなく、もっと幅を広げたり表現の方法や露出の仕方を変えたりしていかなアカンなーとか、そういう葛藤ってある? 

文原:
あるけど、それは葛藤っていうほどじゃないねー。

ケンボー:
仕事の選び方は直感的に?

文原:
自分にしかできないか、他の人でもできるか。無理してはやらない。
無理してできなかったら、逆に迷惑をかけてしまうので。

ケンボー:
今CMをメインにやってるけど、今後やってみたいことはある?

文原:
やっぱり基本はオリジナルアニメだね。GOLDEN EGGSのようにDVDにできるぐらいの。
DVDを作って、そこに付いてくるCMやデザインをやったりとか。

ケンボー:
文原くんの肩書きはイラストレーター? デザイナー?

文原:
いや、イラストもデザインもディレクションも、全部。

ケンボー:
全部自分でやらんと、あのテイストは出せへんもんなー。あの独特の声優さんは、自分で選んでるの?

文原:
いや、あの声優は友だちだから(笑)。

ケンボー:
あ、そうなんやー!(笑) 映像に付ける音楽は? 別の人が作ってる?

文原:
音楽は自分のイメージに合ったありモノを最初に付けておいて、こういうイメージでお願いします、って感じで。
似たアレンジのものを作ってもらったり。

(C) PLUS heads inc.

ケンボー:
今は営業しなくても、代理店とかから仕事が入ってくる感じ?

文原:
いろんな人が声かけてくれるよ。やった仕事を見た人がまた声かけてくれたり。

ケンボー:
キャパシティの限界もあるしなー。

文原:
あるねー。組織じゃないから、数はこなせない。だから断ることも多いかな。他の人がどれくらい断ってるのかわからないけど。

イケガミ:
アニメはめっちゃ制作時間かかりますしね。企画から考えてるし。

文原:
1枚や2枚じゃないからね。

ケンボー:
3Dのソフトを使うっていうことは、コマで描いていく感じじゃないよね。モデリングしてそれに動き付けて……。

文原:
そうそう。もともとそっち方面だったし。CGの、技術屋というか。

ケンボー:
ソフトは何を使ってるの?

文原:
ソフトイマージュ。

イケガミ:
実写を撮りたいと思わないんですか?

文原:
思わない。ライバルが多いところに行きたくないんですよ(笑)。実写はライバル多いでしょ(笑)。

ケンボー:
わかるわー!

文原:
なんでオレがこういう考え方になったかって考えたことがあって、オレらの世代って第二次ベビーブームの人口がけっこうヤマのときで、受験戦争とか激しかったんですよ。オレは受験戦争負けた派だから、そうなるともう劣等感というか、競争に勝てない!みたいな精神が備わっちゃって。で、みんなががーっと行くところの端のほう端のほうを通ってきたから、今に至るみたいな(笑)。

イケガミ:
こっちが空いてるやん!と(笑)

文原:
そうそう。アニメで誰もアドリブやってないじゃん、じゃオレやっちゃおう!と(笑)。

ケンボー:
オレは四番手ぐらいを行くクセが付いてしもたわー(笑)。

文原:
逆に四番手ぐらいが全体が見やすくていいかもね。トップは周りが見えなくて迷いやすいかも。
トップの人間は「あ、そういうとこあったんだ!」って見抜けなかったり。

ケンボー:
トップはトップしか見いひんからなー。文原くんは、みんなが何を残していきよるかなーって見てる感じなんや(笑)。

文原:
こぼれたモノをね(笑)。もうエコですよ。拾って集めるみたいな(笑)。

(C)Disney

文原:
メンバー同士で会話ってしてるの?

ケンボー:
してるよー。最近はGW前にしゃべった(笑)。
仲が悪いとかは全然なくて、互いに距離をとりあう、みたいな(注:デビルロボッツは5人組)。

文原:
それはおもしろい関係だねー。珍しい。

ケンボー:
オレは会社としてこうなっていくことは、すごい自然なことやと思うんよ。

文原:
周りで仲いい友だちが、一緒に仕事やろう、お店出そう、ってやると、だいたい喧嘩別れしてるから。
オレも今友だちと会社をシェアしてるけど、仕事もお金もセパレートしてる。だからけっこううまくできてる。
デビルは収入も全部同じで、よく仲良くやっていけてるよねーーー(笑)!? 

イケガミ:
キャラを作るキタイさんが看板としていて、でもキャラだけじゃなく、企画書作ってディレクションもして、Webや映像も作る。トータルでやってるという意識をみんなが持ってることは大きいと思いますよ。

ケンボー:
文原くんはもっと会社を組織化するつもりはないの?

文原:
それはやらない。アシスタントを1人2人入れるぐらいは考えてるけど。
組織にしたら給料払ったり保険入ったりと、そういうことに追われるから。

ケンボー:
ホンマ仕事以外にやらなアカンことが恐ろしいほどあるよ! 人が増えたらしんどいことがいっぱいある。

(C)ZUIYO/studio crocodile

ケンボー:
オレは外に出てなんぼみたいなことも多くなった。もう自分で作るのイヤやもん! ぞっとする。
2年ぐらい前からディレクションに徹しよう思って移行してきた。少ない予算のときは自分で作ることもあるけど、しっかりした予算があるときは、自分では作らない。さすがに40歳前でガリガリ作るのはなー。。。。。
文原くんみたいな職業はいくつになってもその肩書きで机に向かってできる仕事やから、スゴイ羨ましいと思う。

文原:
そうだね。爺さんになってもやりたいし。

ケンボー:
キタイくんも仕事が人生の一部になってるしなー。オレらのスタイルもかぶるクリエーターがあんまりおらへんけど、文原くんも今周りを見て「オレとかぶってるなー」って思うクリエーターいる?

文原:
うーん、いないかもね。

イケガミ:
これからマネする人がいっぱい出てくるんじゃないですか?

文原:
でもそれはね、マネして欲しいと思ってる。マネされるってことは認められたってことだし。

ケンボー:
オレらも海外行って初めてパチもん(ニセもの)見たとき、すっっっごい嬉しかったもん(笑)!
パチもん作られたからいうてなんの変化もないんやけどね(笑)。この10年間、売り上げほとんど伸びてないし(笑)。

文原:
いやー、でもオレはその方がいいと思うなー。右肩上がりっていうのはあんまり好きじゃなくて。
右肩上がりになっちゃうと、同じ仕事しててもちょっと下がっただけで、オレ頑張ってないんじゃないか、って焦りが出てくるし。横ばいがいいねー。

ケンボー:
問題はどのラインで横ばいか、いうことやねん。昔に比べて経費は上がってきてるから、経営的には全然ラクじゃない。
Webの仕事もけっこう厳しいし。Webは二極化がほぼ終わった感じかな。同じところが同じようなサイトを作ってて。
そこからこぼれてくる仕事をどうやって取っていこうかなーと。
自分らがどうするのか、会社としてどうするのかとか、毎日考えてるよ!


DEVIL(R)OBOTS(汚物) ロゴ
DEVIL(R)OBOTS(デビルオブツ)

サイトウケンジサイトウケンジ(ケンボー:39歳)

メインで使用しているソフトは弥生会計。え? クリエーター? いえ、違います。
副業として、Web関連や色々なメディア制作のディレクションなどをしています。
特技は予算交渉とリスケです。

ヨシムラヨシゾーヨシムラヨシゾー(40歳)

汚物長老。趣味はMRIとCT。仕事に年の功を発揮できていないことが日々の悩み。
プランニング、コピーライティング、音楽制作が意外とできます。
今は営業力向上のためにスマイル修行中。GOOD & EVIL MUSICの倉庫番。

イケガミタケシイケガミタケシ(30歳)

アートディレクター、デザイナー。
アニメーションからデザインまで幅広くこなすが、イラストが全く描けない。
トーフ親子を描いてくださいと言われるたび「描けないんです…ハハハハ… 」と謝り、相手に残念な顔をされる機会多数。
現在のメインクライアントはアパレルブランドのOLIVEdesOLIVE。
キャラクター業界とは全く違う道に侵入中。

DEVILROBOTS(デビルロボッツ)
DEVILROBOTS(デビルロボッツ)

1997年設立。れっきとしたデザイン会社として登記。平均年齢36歳。精神年齢17歳。キタイシンイチロウ:キャラクターデザイナー・アートディレクター、サイトウケンジ:クリエイティブディレクター、ヨシムラヨシゾー:クリエイティブディレクター・音楽制作、イケガミタケシ:アートディレクター、ニシヤマコトヒロ:トランスレーター の5人から成る。グラフィック、キャラ、ロゴ、広告、カタログ、パッケージ、Webサイト、ムービー、プロダクト、音楽の企画・制作を手掛ける。クライアントはトイメーカーからレコード会社、菓子店、教育、アイドル、社団法人、友達まで。音楽レーベルGOOD & EVIL MUSIC主宰。

HP http://www.dvrb.jp/w/
CONTACT thedevilrobots@dvrb.jp

studio crocodile
studio crocodile

The World of GOLDEN EGGS】を手掛けるstudio crocodile
2005年、キッズステーション・MUSIC ON TV!でのオンエア以来、様々な反響を巻き起こしているアニメ。
米国の田舎町を思わせる伝説の街「ターキーズヒル」を舞台に、そこに暮らす「金の卵」描いた作品。
毎回、個性豊かな人間(や七面鳥)のぶっ飛んだ日常が描かれる。60人を超える登場キャラの声を担当している声優さんはなんと二人だけ!!キャラのセリフでは、ついつい使いたくなっちゃうおもしろフレーズ連発!!

そんな話題のアニメの企画/監督/ストーリーすべて手掛けるマルチな才人こそが、studio crocodileの文原聡さん。CMではディレクターもつとめます。studio crocodile inc.はGOLDEN EGGSの製作者である文原さんを中心として2008年に設立したアニメーションスタジオ。

主な作品:日産NOTE(CM)、サントリーC.C.レモン (CM)、NEC LaVie-A (CM)、安室奈美恵、湘南 乃風、北斗の拳、ディズニーなどとのコラボレーション作品