Inter BEE 2006 速報レポート!

2006年11月15日〜17日に開催されたInter BEE 2006。アドビは、従来の映像編集、合成、オーディオ編集、DVDオーサリングに加え、業界標準であるFlashを中心としたWeb制作までをカバーする全ワークフローの展示・デモを披露しました。特にビデオ機能およびアドビ製品群との連携強化がはかられたFlash Professional 8に、映像業界からの注目が集まりました。



Inter BEE 2006 アドビブースInter BEE 2006 アドビブース


Video, Here, There, Everywhere掲げられたメッセージは「Video. Here, There, Everywhere」。HDビデオからWebコンテンツまで、まさに「至るところに映像を」を実践できるアドビのソリューション群が展示された


FlashFlashのブースでは、携帯電話までをカバーする広範囲性をアピール。さらにFlash Media Server 2によって、映像とWebコンテンツの融合も示された

開幕と同時に大勢の訪問者で賑わったアドビブース

ブースデモでは「Adobe After Effects Professional 7.0」「Adobe Premiere Pro 2.0」「Flash Professional 8」と「Adobe Creative Suite Production Studio」とそれぞれの製品の紹介を20分毎に行い、大勢の訪問者で賑わいました。

Adobe Creative Suite Production Studio
Adobe Premiere Pro 2.0とAdobe After Effects 7.0を中心に、オーディオツールのAdobe Audition、DVDオーサリングツールのAdobe Encore DVD、さらにAdobe Photoshop CS2、Adobe Illustrator CS2がワンパッケージとなったProduction Studio。

最近のアドビ製品は、それぞれのソフト間の連携機能が強化されており、Premiere ProとAfter Effectsでは、一方のソフト上で扱っているビデオクリップをコピーすれば、もう片方のソフトにペーストできるというシームレスなやりとりが行えます。PhotoshopやIllustratorも映像制作に欠かせないツールとして、機能が強化されています。

Adobe Premiere Pro 2.0
Production Studioが製作に大いに活用された映画「ハミングライフ」(監督:窪田崇、2007年1月13日より公開)を題材に、さまざまな機能を紹介。「ハミングライフ」では、HDとHDVの2種類の撮影素材があり、HD非圧縮を扱えるAdobe OpenHDソリューションが選択されました。「ハミングライフ」は特に、1つのタイムラインにHDとHDVの混在が可能というPremiere Proの編集機能が威力を発揮した作品です。

Premiere Proのもつインタフェイスやショートカットキー設定の柔軟性、3ウェイのカラー補正、マルチカム編集、DVDへの簡易書き出し、そして制作プロセスで大変役に立つClip Notes機能などが披露されました。

After Effects7.0 Professional
同じく映画「ハミングライフ」のオープニングを題材としたデモが行われ、3,000ピクセルまで対応し、HDやHDVなどもネイティブで扱えるAfter Effectsの優位性がアピールされました。

バージョン6.0から搭載しているテキストアニメーション機能は、オープニングのタイトルモーションにさまざまなバリエーションを加えることが可能です。また、Premiere ProやAfter Effects、Photoshopなどを購入すると同梱されてくるAdobe Bridgeにもタイトルのモーションプリセットが250種類以上も用意されています。そのプリセットを利用し、さらに複雑なモーションを作り込むことができるのです。

この他、バージョン7.0より高度化されたブラーエフェクトやスロー再生機能、そしてモーションを綿密にコントロールできるグラフエディタ機能などもデモされました。

Flash Professional 8
Flashの基本機能紹介からはじまり、TOYOTAのサイト「EURO Styling for AVENSIS」を題材として、Flash 8の新しいビデオ機能が紹介されました。これはAVENSISのプロモーションを目的としたWebサイトで、Flash 8のビデオ機能を最大限に利用した完成度の高いサイトとなっています。Flash 8で新たにOn2 VP6コーデックが追加されたことで、高品質なアルファチャンネルをもった映像の取り込みが可能です。そして現在、ストリーミング用ツールでアルファチャンネルをサポートしているのはFlashだけです。

Flashへのビデオ撮り込みの方法が、2種類ほど紹介されました。ひとつは、Flashのオーサリング機能を使って取り込む方法。Flash上のFlash Video EncoderでFLVフォーマットにエンコードします。Flash Video Encoderは、QuickTime、AVI、MPEG、DV、DVIなどのフォーマットをサポートしています。

もうひとつは、Premiere ProやAfter Effectsなどビデオ製品を利用して取り込む方法。Premiere ProやAfter Effectsで書き出しを行うとき「Flashビデオへの書き出し」を選択するだけでFLVフォーマットのビデオを完成します。

放送機器展であるInter BEEでのお披露目ということで、強化されたビデオ機能に注目が集まったが、Flashのアニメーション機能も大いに取り上げられ、テレビ朝日の深夜番組にも登場した、蛙男商会のFlashアニメ「秘密結社の爪」やライブドアのネットアニメ「やわらか戦車」が紹介されました。

アドビの「今」と「これから」が一望できたブース展示

Flash Professional 8
前バージョンMX 2004に比べてビデオ機能が格段にアップされた。アドビのビデオ製品から継承されたドロップシャドウやグローなどのフィルタ類、加算や乗算などの描画モードなどの機能追加で高度なオーサリングツールと進化。Flash Professional 8上のパブリッシュ設定でFlash Liteを選べば、Flashに対応している携帯電話コンテンツが作成でき、コンテンツはFlash Liteエミュレーター機能で、携帯電話上でどのように動作するかの確認まで行えます。

Flash Media Server 2
Flashビデオ専用ストリーミングサーバ。展示では、Flash Media Serverを活用してオンデマンドやライブなど配信サービスを展開しているJストリーム社のソリューション例が紹介されました。Flashナビゲーション型入力フォームは、申し込みや資料請求で使用される入力フォームに対し、ナビゲータ人物映像で手順などを案内するFlash Media Serverのストリーミング配信。人物はアルファチャンネルを利用したFlashビデオで、加えてFlashのインタラクティブ性などと機能が最大限に利用されています。

Adobe Soundbooth
Adobe Auditionの開発グループが、容易な操作でクオリティーの高い音楽制作を行うために開発したソフトウェアです。特に、Flashとの併用を意識して開発されています。WindowsとIntel Macに対応。パブリックβ版はAdobe Labsより無償でダウンロード可能です。

Adobe OpenHD
OpenHDとは、アドビ、HP、Intel、AJA、Blackmagic、Bluefish、Matroxといった映像業界の主要15社が認定するオープンで拡張性の高いHDターンキーソリューション。Blackmagic DesignやBluefish444、Matroxなどのビデオカードを介すことによって非圧縮のHD素材などが扱えます。今年のInter BEE 2006では、AJAの「XENA」グラフィックカードを搭載したターンキーシステムも加わっていました。

After Effects 7.0
参考出展ながら注目を集めていたのが、この10月にアドビが買収したSerious Magic社の製品「ULTRA」。After Effectsとの併用でキーイング作業をより高度なものにします。リアルタイムに処理を行い、キーイングの困難なDV素材も容易に扱えるのです。同じくSerious Magic社の製品「DV RACK」は、ビデオキャプチャ時にモニタリングできるツールです。

なお、Inter BEE 2006のさらに詳しいレポートはこちらのページでご覧いただけます。