Discover ─ 最先端のアドビテクノロジー、
新たなる発見、広がるクリエイティブの源泉
今月号の記事
- Adobe MAX Japan 2007 レポート─ Connect.
- Adobe MAX Japan 2007 レポート─ Discover.
- Adobe MAX Japan 2007 レポート─ Inspire.
- Developer Center 今月のトピックス
- Edge 最新ニュース/イベント・セミナー情報
Adobe MAX Japan 2007に参加した方の多くが、アドビテクノロジーの最先端部分に触れ、新たな発見を見いだし、2008年以降の各々のアクションに結びつけていきたい、という思いのがあったのでしょう。Adobe AIR関連のセッションには大勢の参加者が集まり、静寂の中にもホットな空気が漂っていました。この空気感はActionScript 3.0、Spry Framework、Flash Videoといったセッションでも同様です。Adobe MAX Japan 2007は、そういうクリエイティブな空気に満ちあふれた場であったのです。ここでお伝えする各セッションの模様は、Edge Newsletterを通じてアドビテクノロジーの最先端部分に触れている皆さんには、どれも興味深い内容ばかりでしょう。
Adobe AIRのすべてが分かるセッションの数々
アドビの最先端テクノロジーの中心となるのは、言うまでもなくAdobe AIRです。Adobe MAX Japan 2007でもAIRに関連するセッションが数多く行われました。その中でも「カンペキな初心者のための、Adobe AIRの基礎の基礎」は、“AIRとはいったい何か?” “AIRでアプリケーションを開発する、その手法にはどういうものがあるのか?”という誰もがもつ疑問について、デモを中心に解説するセッションでした。

Edgeでもご紹介しているように、AIRはWeb標準技術を全面採用し、実行環境はもちろん開発環境もWindows、Mac、そしてLinuxのクロスプラットフォームが用意されているという、Web技術と高速かつ高機能化できるデスクトップアプリケーションの「いいとこどり」なプラットフォームです。このセッションのデモでは、Flex、Dreamweaver、Flashという3つの異なる開発環境で、それぞれ独自の手法を使い、結果として同じように動作するAIRアプリケーションが完成するというデモが行われました。つまり、ActionSciprtに慣れた人でも、JavaScriptに慣れた人でも、各々のアプローチで自由にAIRアプリケーションが組み上げられるわけです。
参加した方々がAIRについて同じ前提に立ったところで、各々のアプローチを追求していくためのセッションに散らばっていきました。「僕らはこれを待っていた! Flash ユーザに捧げる AIR 開発手法」では、Air Extension for Flash CS3 を使用したAIRアプリケーションの作成手順が詳細に解説され、まだ日本語化されていないドキュメントも多い中、スピーカの説明を聞くという分かりやすい形で機能の詳細を把握できるのは、Adobe MAX Japanならではの大変有り難いセッションだったことでしょう。
「Flash+Coldfusion 8でつくるAIRアプリケーション」では、ユーザのローカル環境で単体動作するAIRから一歩進んで、Coldfusion 8によるサーバ機能と連携するAIRアプリケーションを作成する上で必要となる「考え方」をレクチャーするセッションとなりました。Coldfusion 8の新機能を活用することにより、Flash単体で開発されたAIRアプリケーションよりも、さらに多目的なファンクションを実装できます。
ColdFusion 8の新機能については「What is new in ColdFusion 8」セッションで詳細に語られました。Ajaxサポートの強化により、Ajaxと直接XMLデータのやりとりが可能となったり、ColdFusion側でAjaxのコードが自動生成されブラウザ上で動作できるUIコンポーネントが実装されます。さらに.NETとの連携など、サーバソフトウェアとしてさらなる強化が図られ、より多彩なWebサービスが提供可能になるのです。
TwitterやFacebookを見てもわかるように、WebサービスがひとつのWebサイト内に留まらなくなってきている昨今、Flash+Coldfusion 8でアプリケーションを開発するベネフィットは容易に想像つくことでしょう。
これからのWebクリエータには必須!
Spry、ActionScript 3.0、Flash Video制作
Ajax関連としては、「実践、すぐに始める Spry framework for Ajax」セッションで、Dreamweaver CS3を使ったAjax化されたサイト作成手順と各機能が紹介されました。この手のセッションはコーディングの話題が中心になりがちですが、Dreamweaver CS3を使って一切のコードを書かずにAjaxの機能が扱えるSpryだけあって、「Ajaxとはこんなにも簡単なものだったのか」という驚きの印象をもった方も多かったほど、その手軽さを十分実感できたセッションでした。

そして忘れてはならないのがActionSctipt 3.0です。Flash CS3の登場でさらなる市民権を獲得してきていますが、これからActionSctipt 3.0の世界に入ってくる人は当然、大勢います。「ActionSctipt 3.0 はじめの一歩」はそのセッションの名のとおり、初級者がActionScript 3.0を始めるにあたって、スクリプトがアニメーションにどのように作用するのか、実際の目で見て分かる内容となっていました。初めての人でもスクリプトによるアニメーションに開眼する良い動機付けになったのではないでしょうか。
そして基調講演でも入念に語られたWebにおける映像表現。これから映像制作を手がけたいと考えているWebクリエータに必見だったのが「Webクリエータのための初めての映像制作ガイド」です。このセッションでは、Web向けの映像制作フローを「企画」「撮影」「編集」「Webへの最適化」を中心とした11のステップに分けて解説されました。その流れはCM制作の過程に近いものであり、セッション参加者は企業のWebサイトやプロモーションサイトなどの映像が、CMと同じくらいのポテンシャルを持ち始めているのをこのセッションで発見できたことでしょう。
日々のWeb制作に新しい変化を

Webサイト制作の世界においても、Dreamweaver CS3の登場によって作業フローのさらなる効率化という「発見」があります。「Dreamweaver CS3で実現するマルチブラウザに対応したWebサイト制作」では、Web制作でDreamwever CS3を正しく使いうことにより、煩雑になりがちなOS/ブラウザ毎の検証などの作業を抑え、Web制作全体のフローをスムーズに進めていくためのノウハウが解説されました。Word書類で作られた原稿を元にWebサイトのコンテンツ構造に落とし込み、CSSでサイトデザインを組み立てていくという一連のフローの中、このセッションで紹介されたDreamweaver CS3のテクニックやノウハウ、Fireworks CS3との連携、複数スタッフとの共同作業におけるTIPSなどは、どれも有益なものでした。
現在のWebコンテンツ制作において重要視されているのがアクセシビリティです。「PDF、SWF、HTML でアクセシビリティを実現するには」セッションでは、AcrobatやInDesignを使ってアクセシブルなPDFを生成する方法、Flash MX以降より追加された「アクセシビリティ」パネルを使用した、SWF内のボタンやコンポーネントに対する読み上げの設定やタブキーによるフォーカスの遷移指定、そしてDreamweaverの環境設定方法やページチェック機能と問題発生時の修正方法が紹介されました。日米におけるアクセシビリティの法整備や規格改訂の動きや、PC用ブラウザに留まらない再生環境の充実などが進む昨今、アクセシビリティに関する知識を蓄えるのに有効なセッションとなりました。
実際の仕事現場ではまだまだActionScript 1.0/2.0で革新的なコンテンツを制作している方々がたくさんいます。「AS3 だけじゃない! まだまだいけるぞ AS1/2!」セッションでは、ActionScript 1/2 を利用して如何に効率よく作業を進めるのかを命題に多くの大手クライアントワークをこなしているトザキ氏を講師として呼び、フレームワークやMVC(Model-View-Controller)という概念をFlashの世界に持ち込んで、いかに作業分担やコードの視認性向上を図るか、実例を交えてその手法を紹介されました。実際に使用されているコードの紹介や実装の実例など、セッションの内容は盛り沢山。限られた時間でありながらアプリケーションのモデル構造を中心とした非常に内容の濃いものでした。本セッションの補足については氏のブログでも確認できます。
※※※
このように、Adobe MAX Japanは多種多様な「発見」に溢れた2日間でした。そしてWebの世界の常として、これからも日増しに新たな発見の種がどんどん生まれていきます。ぜひ次回のAdobe MAX Japanでも、誰よりもいち早く自分だけの「発見」を手にしてください。
◎ここで紹介したセッションの一覧
| A-1 | カンペキな初心者のための、Adobe AIRの基礎の基礎 |
|---|---|
| アドビ システムズ 株式会社 テクニカルエバンジェリスト 太田禎一 | |
| B-6 | 僕らはこれを待っていた! Flashユーザに捧げる AIR開発手法 |
| 株式会社ants Flashデベロッパー タナカヤスヒロ 氏 | |
| B-8 | Flash + Coldfusion8でつくるAIRアプリケーション |
| 株式会社アゼスト チーフ 後藤雄介 氏 | |
| F-3 | What is new in ColdFusion 8 |
| アドビ システムズ社 ColdFusion 担当 シニア テクニカル エバンジェリスト ベン フォルタ | |
| C-5 | 実践、すぐに始めるSpry framework for Ajax |
| 株式会社エイチツーオー・スペース 代表取締役 たにぐちまこと 氏 アドビ システムズ 株式会社 ビジネスデベロップメントマネージャー 林岳里 |
|
| C-1 | ActionSctipt 3.0はじめの一歩 |
| ソフトウェアトレーナー テクニカルライター オーサリングエンジニア 野中文雄 氏 | |
| D-5 | Webクリエータのための初めての 映像制作ガイド |
| ザ・ストリッパーズ株式会社 代表取締役 遠崎寿義 氏 | |
| C-3 | Dreamweaver CS3で実現する マルチブラウザに対応した Webサイト制作 |
| アンカーテクノロジー株式会社 神森勉 氏 | |
| F-7 | PDF、SWF、HTMLで アクセシビリティを実現するには |
| 株式会社インフォアクシア 代表取締役 植木真 氏 アドビ システムズ 株式会社 ビジネスデベロップメントマネージャー 田邊佳嗣 ビジネスデベロップメントマネージャー 林岳里 |
|
| C-4 | AS3だけじゃない! まだまだいけるぞAS1/2! |
| +39/KARATE SYSTEM/ トザキケイイチ 氏 (WEB屋) | |
