Flash 10 周年記念企画:Flash クリエイターに聞く

Flash にまつわる10 の質問

YOUCHAN( ユーチャン)
http://www.youchan.com/

イラストレーター。1968 年愛知県出身。デザイン会 社勤務を経てフリーランスとなり、2000 年にトゴル・ カンパニーをパートナーと共に設立。Illustrator E-space会員。


" 私にとってFlash は、人生のターニングポイントになった... といっても過言ではありません。"

1. いつからFlash を使われていますか?

最初のバージョンからです。カニの絵のパッケージに「FLASH」と ステッカーが貼られていたものです。

2. Flash を使い始めたきっかけは?

もう10 年くらい経ちますが、当時わたしはソフトバンク系のパソコン雑誌付録CD-ROM に収録するアニメーション制作の仕事をしていました。もともと3D アニメーションを作っていたのですが、 2Dアニメーションを作れるソフトもいくつかあり結構がんばりました。でも、とにかく作りにくかったんですね。

そんな折、「MacUser」(現在廃刊)の編集長から、「アメリカで2D アニメーションが手軽に作れるソフトが出てる」という情報を聞き、 そして知ったのがFutureSprash Animator でした。一番最初に作ったアニメーションは、擬人化したMac がペンでMac を描いて、 その描いたMac 君同士で手をつないで走り去り、「MacUser」というロゴが出る、というものでした。シンボルとか、そんな機能はまったく知らず、ただタイムラインの概念が従来の3D ソフトと同じだったので、とにかくステージに描いてAVI 形式に書き出し、 Premiereで編集して音をつけ、納品しました。

その後、「TheWindows」(現在廃刊)の担当者が「 CD-ROMを HTML 対応にするから、せっかく Flash を使ってるならSWF で納品してください」と言われ、初めて「え? SWF って何?」と知りました。これがきっかけです。

3. 今まで、どのようなFlash 作品を手がけられましたか?

先に述べた CD-ROM 収録アニメーションを作った後、おそらく世界で初めてインターネットという媒体で Flash を使った連載企画が、インプレスの 「PC Watch」 で採用され話題になりました。最初は編集部員をキャラクター にして、面白おかしく紹介するというたわいのないものでしたが、Flash Ver.2 が出てからは音がつけられるよう になり、「インタラクティブで音も出てデータサイズが小さい」といった体験そのものが、エンドユーザにとって とても新鮮に映った時代だったように思います。

また、この企画とほぼ同じ時期に始まった 「INTERNET Watch」 の編集後記内で挿絵的なアニメーション( 通称「編集後記GIFあに」) がスタートしました。これは Flash で作り、GIF アニメーションで書き出して納品するスタイルをとっていました。10年前ということもあり、1ファイルにつき50KB以下という制限があったのです。実は 「編集後記GIFあに」は現在も継続しています。

2000年には、米国 shockwave.com 主催の 「World Internet Animation Competition in Category 10」 で「グレちゃんの冒険」が入選しました。Flash 3 で制作したもので、トゴル・カンパニーとして応募しました。

最近のものでは、「ハバネロ」などのクラシック音楽をテーマにしたヤマハ音楽振興会さんのコンテンツ 「Classic Toy」 を作らせていただきました。音楽にあったアニメーションや、作曲家に関するお勉強コーナーやオマケコンテンツなど盛りだくさんで、好評をいただいています。

また、Digital Stage さんから発売している 「LiFE* with PhotoCinema」のためのスタイルプラグイン 「YOUCHAN’ s Animation Style」 の1 と2 を制作させていただきました。

4. あなたのFlash 作品のうち、お気に入りの作品を教えてください。

トゴル・カンパニーで作った 「Tiny Toys」です。携帯電話でも PDA でも動きます。小さなおもちゃのような愛らしい作品です。オーサリングは弊社トゴル・カンパニーの代表の NORI が手がけています。

5. 今後作ってみたいFlash の作品は?

私自身、Flash そのものからは現在は離れておりまして、イラストレーションが仕事のメインになっているため、 長編アニメが作りたいとか、凝ったギミックの作品を作りたいといった積極的な欲求も、また技量もありません。 ただ、インターネットの回線が昔に比べて非常にタフになり、ビットマップを読み込むことにさほど抵抗がなくな ったことが、とても嬉しいのです。私のイラストレーションの世界を、もっと多角的にプレゼンテーションできる ようなコンテンツをNORI にオーサリングしてもらって作れたらいいなぁ、と秘かに考えています。

少々余談になりますが、パートナーのNORI が紡ぎ出すActionScript は、わたしの眼には神業のように映ります。 「これは実現できる?」と尋ねたもので、実現しなかったものは殆どありません。私自身が、そういった恵まれた 環境にいるので、技術的な部分までもトータルで考えてFlash コンテンツを作るのではなく、作品性を突き詰める ことに専念できました。そういう意味で「Flash から少し距離を置いている」ということです。

6. Flash を通してあなたが考える” Web” とは?

「楽しいもの」であるべきだと思います。

7. お気に入りのFlash 機能を教えてください。

シンボルです。シンボルを使わずに全フレームを描いた 「MacUser」での処女作の制作を考えると、この機能 のおかげでどれだけ助けられたことか... と思います。また、ビットマップを PNG で表示できるのは、イラストレ ーターとしてとても嬉しい機能です。

8. あなたのクリエイティビティーを触発させるモノ、ヒト、環境は?

本がきちんと読める環境、何もしない時間を設けられるムード、音楽が聴けるワーキングルーム、表現について深 く語り合えるパートナー、そして猫たちです。

9. いまからFlash を始める方にTips、アドバイスをお願いします

どんなチープなものでもいいので、まずは1 つ作品を仕上げて達成感を味わうのが良いと思います。昔と違って機 能が多くなったFlash は、最初はちょっととっつきにくいかと思いますが、すべての機能を網羅しなくても作品は作れますし、作品を作り上げる感動はFlash をマスターするための一番の先生だと思います。

10. ズバリ、あなたにとってFlash とは?

人生のターニングポイントになった... といっても過言ではありません。Flash を通じて知り合った友人・知人や、 当時のMacromedia のスタッフたちは、今も大切な存在です。

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Flash にまつわる10 の質問