Flash 10 周年記念企画:Flash クリエイターに聞く

Flash にまつわる10 の質問

西田幸司

西田幸司
http://raku-gaki.com/

アートディレクター・デザイナー
1976年生まれ。2001年よりフリーランスとして活動。コラージュとFLASHを組み合わせたグラフィカルなインタラクティブコンテンツを展開。2004年には「THE WEBBY AWARD」に於て日本人初で、WEBBY AWARDを受賞。


" Flashが無かったら僕が表現したい何かは、その半分も実現することができないかもしれません。"



1. いつからFlash を使われていますか?

初めてFlashのソフトを買ったのはFlash2の時でした。8年前くらいでしょうか。しかしその後、学校の作業に追われてしまい、本格的に使い始めたのはそれから2年後くらいだったように思います。Flash 4〜5にかけての時でした。アクションスクリプトが充実し、少しずつインフラも整い容量の大きなデータが扱えるようになり、ビットマップデータもモーションと組み合わせてダイナミックに使えるようになって来た頃だったと思います。

2. Flash を使い始めたきっかけは?

長藤寛和さんが作った「image dive ver.2」を見て衝撃を受けたのが最初のきっかけです。最初に画面全体が動くということに衝撃を受け、それまでやっていたHTMLがすべて覆ったような、これで何でもやりたいことが形にできるという期待を感じさせられるような衝撃を受けました。ひとつのデータを繰り返し使っても容量が同じであったり、ベクターデータをそのまま使用できたり、魅力をあげればキリが無かったように思います。

3. 今まで、どのようなFlash 作品を手がけられましたか?

グラフィックとFlashとを組み合わせたインタラクティブなグラフィックを作り、世界観を作ってきています。シャープ「SHARP The Kameyama Dream plant」でアートディレクションやグラフィック、アドビ「INSPIRATION SCENE」でアートディレクションやグラフィックやFlashなどを担当。グラフィカルな演出だけでなく、既存のメディアには存在しないFlashならではの自由度の高い情報へのアプローチを追及しています。

4. あなたのFlash 作品のうち、お気に入りの作品を教えてください。

個人作品としては「眩暈- HEAVEN -」という作品が好きです。とてもとても個人的な心象を作品にしたものです。Flash 8から実装されたDisplacementMapFilterを使用し、グラフィックを有機的に動かすことで、神秘的な空気感を実現できたと思います。グラフィックの中でカーソルを上下左右に動かす事で画像が緩やかに動き、そこに情緒を感じると共に夏の思い出を感じていただけたらと思っています。

5. 今後作ってみたいFlash の作品は?

いつか駅貼りくらいの大きなインタラクションを含んだグラフィカルなポスターなんかを作れたら幸せです。完成されたグラフィックに関わることでグラフィックに変化を与えて行く。それをカーソルだけでなく自分の体全体で起こし、自分が作品の世界の中に入っていけるような感覚を味わえるモノを作れたらと思っています。またもっと混沌を感じられるような、映像ともグラフィックともデザインとも言えない新しくて懐かしい作品を作って行きたいです。

6. Flash を通してあなたが考える” Web” とは?

まったく新しい情報へのアプローチができるメディアだと思っています。僕にとってユーザのインタラクションによる変化を含んだグラフィックを作ることが出来る場所がWebであり、それはもっともっと自由に素直に誰もが発想を形にできる場所だと思っています。そしてFlashは子供が指で何かを描くように、何かを表現するうえで簡単にその何かを形にすることができるツールだと思います。そして、歴史が浅い業界だからこそ今までに無い新しい表現プロセスを模索することができ、もっともっとあり得ないと思えるコンテンツをFlashを使って実現できると思っています。

7. お気に入りのFlash 機能を教えてください。

スクリプトとタイムラインが組み合わせれるところや、ムービークリップを入れ子に出来るということ。タイムラインを単にアニメーションの時間軸として考えるのではなく、データを入れ替えるための保管場所として使用したりすることで、スクリプトの文字列だけでなく、視覚的にオブジェクトを管理することが出来るというのが素敵だと思っています。そして何よりレイアウトも表現媒体も時間軸も何もかもがとても自由である事が素敵だと思います。

8. あなたのクリエイティビティーを触発させるモノ、ヒト、環境は?

街と人と自然です。それらの関わりにもっとも触発されます。街と人との関わりから産まれる少しこすれた生活感とか現実感、それらを包み込み凌駕してしまう自然。そこに実際に自分が関わっている現実感とその場所・時間から産まれる思いで。それらを形にすることで、現実と虚構を行き来している感じが最も僕の興味をひきます。後は感触です。触れる感じ。人、心、モノ。それらに実際に触れて質感を感じていくことでそれらに近付きたいと思い、作ることに繋がっていきます。

9. いまからFlash を始める方にTips、アドバイスをお願いします

僕が何より大変だったのは時間軸というものに慣れることでした。元々静止画やデザインをやっていて、それを動かそうと思った時、何をして良いか分からなかったように思います。が、すべては慣れで、何処と何処を抑えれば時間軸を自分の思い通りに考えていくことができるのか、諦めずに何度も何度も模索していくことが大切だと思っています。スクリプトも同じで、やはり使い続け、使いこなしていくことが大事だと思っています。そしてまた、技術ばかりを追うのではなく、自分が何者であり、自分が本当にやりたいことが何かを同時に探っていく必要もあると思います。常に感覚と技術をバランス良く磨いていく必要があると思います。

10. ズバリ、あなたにとってFlash とは?

僕の感情を形にしてくれるツールです。仕事にかかせないツールです。Flashが無かったら今の僕は無いでしょう。Flashが無かったら僕が表現したい何かは、その半分も実現することができないかもしれません。それ程、僕にとって大切なツールです。けれど、実はFlashの機能の半分もまだ使えていなくて、まだまだ勉強中です。けれどそれは、まだそれだけやれることがあるわけで、それらを勉強していくことで、それらが自分にもたらしてくれるものはどんなモノだろうといつまでも楽しみです。もっともっと使いこなせるようになりたいと思っています。

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Flash にまつわる10 の質問