バスキュール×東京ガールズコレクション
- リアルイベントを巻き込んだFlashサイト、モバイルコンテンツの新たな提案 -
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「これ見落としてませんか?ActionScript 3.0」
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第1回 Flashならではのサービス - バスキュール×東京ガールズコレクション
-リアルイベントへのFlashサイト、モバイルコンテンツの新たな提案- - 不況の中、台頭するオンラインソーシャルゲーム
- 角川グループ「アニメNewtypeチャンネル」が
「SDK for FeliCa & Adobe AIR/Adobe Flash」を採用 - 2009年8月注目記事
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テレビでも大盛況ぶりが話題となった「東京ガールズコレクション ’09」。イベントの一環として「東京ガールズパレード」サイトが公開され、その制作を手掛けたのはバスキュールです。モバイルとリアルイベントとの連動という仕掛けに加え、本誌が特に注目したいのはそのビジネスモデルです。Webクリエイティブ業界でのビジネスモデルのほとんどが、「クライアントから依頼されて制作し、その対価を得る」という受託スタイルでしょう。しかし、東京ガールズパレードでは、「バスキュールが独自コンテンツを作り、そこにスポンサーを募る」というスポンサーシップスタイルをとっています。業界の新しいビジネスモデルとして、その可能性に期待したいところです。本記事では、東京ガールズパレードの仕掛けとビジネスモデルについて、バスキュールのデザイナー・本瀬智美氏と、インタラクションデザイナー・渡邊敬之氏に話を伺いました。
TGC にバスキュールの「東京ガールズパレード」登場
去る9月5日、代々木体育館で「東京ガールズコレクション ’09」(以下、TGC)が開催され、のべ23,100人が来場、憧れのモデルたちを目の当たりにして熱狂しました。不況が叫ばれる昨今ですが、美を追究するガールズパワーだけは衰えることを知りません。
そんな彼女たちが熱いまなざしで見つめる巨大なスクリーンに、今年はおしゃれなアバターが多数映し出されました。思い思いに着飾ったアバターたちが、スクリーン内のランウェイを、世界の有名スポットを、堂々と闊歩します。これが今女の子たちの間で話題のサイト「東京ガールズパレード」。バスキュールのオリジナルアバター「SheSaw」(シーソー)に好きな衣装を着せてメイクを施し、ランウェイデビューさせられるという企画なのです。
会場では東京ガールズパレード会場連動ブースが設けられ、その場でケータイから参加するとオリジナルの待受Flash をゲットできるというサービスも行われました。ブースに訪れた女の子たちからは
「かわいい!」
「これ知ってる!」
「ケータイで送ったのが、どうしてここにでるの? すごい!」
という反応が。PC版はひとりずつですが、会場用として友だち同士3人で同時にランウェイデビューできる機能も用意されたため、登場した自分たちのアバターを見て「ウケるー!」と盛り上がっていました。中にはハマって何度も試す女の子の姿も。

9月5日に開催された「東京ガールズコレクション」

MCを務めたココリコの二人と、椿姫彩菜、深澤里奈によって「東京ガールズパレード」が紹介された

会場のスクリーンに映し出されるパレードの様子

専用ブースでは ケータイを使ってその場でアバターを選択、待受Flashをゲット

友だち同士でランウェイデビューを楽しむ女の子たち

自分のアバターが登場すると、思わずケータイで撮影する姿も

女の子たちが大いに盛り上がった「東京ガールズパレード by TGC × Bascule」。
バスキュールとしては新たな試みに対するテストサイト的な意味合いもあるという
実はこれが今回ご紹介する、バスキュールの新しいビジネスへの挑戦を意味するサービスの一環なのです。バスキュールが描く次のビジネスとは一体どんなものなのでしょうか? バスキュールで活躍中のデザイナー 本瀬智美氏と、インタラクションデザイナー 渡邊敬之氏にお話を伺いました。

デザイナー 本瀬智美氏

インタラクションデザイナー 渡邊敬之氏
「東京ガールズパレード」が誕生したワケ
――TGCが終了しました。バスキュール初の試み「東京ガールズパレード」の手応えはいかがですか?
本瀬氏
100インチのビジョンにランウェイデビューした自分のアバターを待って、登場すると記念にケータイで写真撮ってる人がいっぱいいて……。その素直な反応が嬉しかったです。今までは、(ブログパーツは別にして)本当にターゲットに届いているのかその反応が見えにくく、当日の会場連動で、どれぐらいの人が参加してくれるのか全く未知数でしたが、実際には多くの人が参加してくれまして、彼女たちの概ね良い反応を直に感じとれたのが大変有益でした。ゼロからではありませんが、開発期間5日弱で本番の日ぎりぎりまで粘って調整してよかったです。
参加してくれた女性たちは、まさにケータイを使いこなしていて、ケータイが彼女たちにとって最も身近で最も重要なツールということを実感する一方で、PCコンテンツへの反応はそれほど高くなく、若者を中心としたモバイルへのシフトに対して、時代の流れを感じています。
――改めて「東京ガールズパレード」の特徴を教えてください。
本瀬氏
これからの秋冬のファッションの中から自分が選んだ衣装を着たアバターが、PC画面内のTGC仕様のランウェイにデビューし、東京をはじめとした日本各地の名所や世界の名所、果ては宇宙にまでみんなでパレードしちゃうというコンテンツです。日本のリアルクローズを世界に広めたいというTGCのコンセプトをもとに、コスプレではなくて、普段着ているファッションの中から、これからを見据えたデザインを楽しめます。実際のイベントともコラボしてまして、作ってもらったアバターの中からピックアップしたものがランウェイの後ろのビッグスクリーンに映像として登場しました。また会場にも専用ブースを用意して、ケータイで待受Flashを保存したり、友だち同士でデビューしたりして楽しんでもらいました。
――PC版を試してみましたが、デビューの仕方がなかなかリアルなんですよね(笑)。
渡邊氏
最初スポットライトで逆光になって、扉を開けて……という、ドキドキしながらランウェイにデビューするという緊張感や、モデルとなってランウェイをさっそうと歩いているときの会場の臨場感や空気感、華やかさなどを表現することを目標にして作っています。
本瀬氏
TGCでは女の子たちはモデルさんが現れるたびに「キャーッ!!」とずっと叫んでいるんですよ! あのガールズパワーにはホント、圧倒されますね(笑)。まるで好きなアーティストのコンサートに来ている感じで熱狂しているんです。自分たちも買える服を憧れの有名モデルさんが着て目の前を歩いているわけです。おしゃれグランプリなんかも開催されているので、もしかしたら自分もTGCのモデルになれるかもしれないという、非常に身近なところに位置したイベントです。近いところにありながら、すごく憧れ感もある。そんな女の子の「憧れの舞台」を表現したいなと思いました。
――ユーザーは会員登録などをせずにすぐに参加できますよね。そしてアバターの衣装がスロットで決められる。面白い仕掛けです。
本瀬氏
まずターゲットがF1層の女の子って考えたときに、遊ぶまでにあまり手間がかかったり難しかったりしたら面倒くさがって遊んでもらえないかなと思いました。ログイン求めると気が重くなったりしますから、とにかくそういうものは一切省いて、アクセスしたらすぐに手順が分かって楽しめるように工夫しました。
渡邊氏
アクセスしてすぐ使い方がわかるように、吹き出しなどを分かりやすく出しております。
――アバター用の衣装などはどれくらい用意されたんですか?
本瀬氏
アイテムはヘアスタイルからボトムやトップスまでそれぞれ20個くらいずつですね。今回は時間の都合もあって、TGCに登場するブランドではなくて、今流行しているもの、これからの季節を先取りしたアイテムも取り入れました。色も変えられますし、メイクの色も選べますので、最終的には何百万通りという組み合わせになります。でもそれを1個ずつ選んでいたらとても大変です。昔からある他のアバターサイトなんかではアイテム数だけでも非常に多くの数がありますから、そういうサービスに太刀打ちするのも難しい。そこでスロット式を採用し、気に入らなかったら何度でもボタンを押せばいいという仕組みにすることで、誰にでも簡単におしゃれな組み合わせが選べるようにして差別化しました。そこにスポンサーさんが用意したファッションアイテムをプラスする感じです。
――それだけあるといきなり全身分選べと言われても困りますからね。
本瀬氏
おかげで一度アクセスしていただくと結構遊んでくださるので、平均サイト滞在時間は7分27秒という結果がでています。一度入ると長く遊んでもらえていたようです。
独自コンテンツにスポンサーをつけるという新しいビジネスモデルの模索
――ビジネスモデルのお話になるんですが、どういうきっかけでバスキュールと東京ガールズコレクションがコラボレーションすることになったのですか?
本瀬氏
去年の冬の弊社の忘年会に、F1層を対象にしたメディアを得意とされている会社の方が遊びにこられまして、そこでTGCのお話を伺いました。実はバスキュールはF1層に特化したTGCにすごく興味があったんです。TGCはイベントとしては独自に成功されているんですが、その後のターゲットとの接点として、メルマガやブログ以上のオンライン発イベントにふさわしいコンテンツを強化していきたいとお考えでした。そこでこれも縁ですから双方で何か面白いことやりませんかね、という感じで始まっています。
――バスキュールさんがF1層に興味ですか?
本瀬氏
はい。バスキュールとしては、今まで「初ぶる」や「Gyorol(ぎょろる)」、「魔球ロワイヤル」など、弊社オリジナルのコンテンツを作って来たんですが、F1層に特化したコンテンツは作ったことがなかったのと、独自のコンテンツにスポンサーをつけるという仕組みをやってみたいという思いがあったんです。
――コンテンツに独自のスポンサーといいますと?
渡邊氏
Webクリエイティブ業界はほぼ受託に頼っているわけですが、そうではなくて、コンテンツありきで、そこにスポンサーがうまくついてくるような仕組みっていうのをできないかとずっと思っていて、その試みの第一弾が「東京ガールズパレード」というわけです。
本瀬氏
もう5年前から、ポケモンだいすきクラブの「夏休み大作戦!」という会員向けマルチユーザのコンテンツで、夏休みの間だけという期間限定で協賛企業を募って回るという仕組みはやっていたんですが、ポケモンにはポケモンのファンがすでについていますので、協賛サイトを訪問してくれやすいんですね。でもそれがポケモン以外だとどうなるのだろうと。イベントなどで協賛を募ることはよくありますが、それをWebコンテンツで、さらにはF1層に特化したコンテンツにしたらよりいいんじゃないかなと考えまして、こちらからブランディングさんに提案させていただきました。
――「東京ガールズパレード」にもスポンサーがついているということですが、どこにあるのでしょう? ここ(画面)には出てこないのですか?
本瀬氏
実はスポンサーはアバターが身につけるアイテムのアクセサリーについているんです。アクセサリーボックスというのをクリックすると、メガネとか帽子とかいろんなアクセサリーが現れます。身につけたいものを選択すると、そこで初めて協賛のページに移動するんです。協賛各社さんのサイトでアクセサリーをゲットしてまた戻ってくるというわけです。

スポンサーが協賛しているアクセサリーボックスの様子
――スポンサーさんはいわゆるスキンケアやメイクなど、女の子がキレイになるような、ファッションに絡んだメーカーさんになるわけですか?
本瀬氏
もともと女の子をターゲットとした商材のある企業さんが協賛したいと言ってくださっているのですが、特に制限はしていませんでした。アバターが身につけるアイテムをどんなものにするかはスポンサーさんと打ち合わせて決定します。例えばUSJさんなら「スターライトパレード」など、キラキラのパレードをPRしたいというオーダーで、それに絡んでキラキラしたティアラを提案しました。実は今回あの「はてな」さんも「はてなブックマーク」のPRのために「メガネ」で協賛してくださっていますし、極端な話、魚屋さんが協賛してくださってもいいわけです。
――なるほど。キラキラした魚のブローチを作るなんてことも可能ですね。
本瀬氏
その通りです。協賛の普通メニューではバナーを貼るだけなんですけど、特別メニューとしては、例えば9月から展開しているポンズさんでは、アバター自体がポンズのサイトに遊びに行っちゃうんです。そこでメイクアップアーティストの濱田マサルさんのメイクをしてもらってまた戻ってくるなんてことも可能なんです。

ポンズはアバターの訪問が可能な、ユニークなスペシャルコンテンツを提供
――それは面白いですね。リンク先のコンテンツも全部担当されているんですか?
本瀬氏
いえ、通常メニューのバナーで飛んだ先のコンテンツは、基本的にはF1層にアピールしたい記事をいれた、スポンサーさんご自身が作っているページです。ポンズさんなど特別メニューの場合は弊社で作っています。
渡邊氏
バナーだけ置かせてもらって、FlashのLocalConnectionという機能を使ってサイトとバナーを連動させています。バナー自体も弊社のサーバにおいてあって、タグだけを提供するという形です。アイテムは計10個あるのですが、できるだけすべてのスポンサーページに行って欲しいので、10個集めたらさらにボーナスアイテムをゲットできるような特典をつけ、アクセスしてもらうような工夫をしています。
――開発にあたって苦労された点はどこでしょう。
渡邊氏
開発期間もさることながら、やはり苦労したのはファイルサイズと描画負荷ですね。ファイルに関しては、必要なファイルを順次読み込むような形にしてあるのですが、それでも重くなってしまいまして、そこは反省点です。描画負荷に関しては、アバターはいくつものパーツに分かれていて、パレードでは約20体で行進しているのですが、それをそのまま動かすと非常に重いです。そこで複数のパーツを1枚の絵としてBitmapDataに生成しなおしてからアニメーションさせるという工夫をしています。
パレードする場所は、日本では47都道府県、世界ではみんなが知っているいわゆるシンボリックな場所を40ヵ所くらいチョイスしてありますが、歩いている位置を決めなくてはならないので、そこは専用のツールを作って位置やサイズの調整を行っています。

パレードの場所や位置が決められる開発用ツール
主役は「SheSaw」 別名ハイデフアバター
――アバターは今回のTGCに向けて起こされたんですか?
本瀬氏
以前からキャラクタのようなものを作りたいなと言う考えがあったのですけど、最初にTGCさんからお声がかかったので、まず女の子のアバターをデザインしました。このアバターには「SheSaw」という名前(総称)があるんですが、バスキュールも跳ね橋という意味があるので、それに合わせている感じです。今後は男の子版なども展開するかもしれません。

バスキュールオリジナルのアバター「SheSaw」

――バスキュールの中の方がデザインされたのですか?
本瀬氏
社内でやってます。アバターは女の子にカワイイと言われるものを目指しました。デザインするにあたってファッションアバターとかいろいろ見たのですが、アイテム作成の効率性などを考慮してあるので、やはり2Dとかドットが多いですよね。今アバターというものにバスキュールが参加するとして、どういう点で差別化できるかと考えたときに、今後キャラクタにしてデスクトップにのっけてもいい立体感があって欲しいという結論に達しました。弊社では「ハイデフアバター(High-Def Avatar)」って言ってますけど。
――高精細アバターということですね。
本瀬氏
と謳っております(笑)。また、その他のコンテンツに遊びにいったときにアクションが取れる、いわゆるアニメーションができているというところが他のアバターと違うかなと思っています。
――SheSawが誕生したきっかけは今回のTGCだけれども、SheSaw自体は今後いろんな形で幅広く展開していきたいというわけですね。
本瀬氏
その通りです。多方面でコラボレーションさせて、ビジネスを展開していきたいです。いわゆるアバターサービスというのか分からないですけど、バスキュールとしてはそういうのをやっていきたいなと考えています。
渡邊氏
mixiアプリでも、SheSawを使ったサービスとして「マイミクコレクション」を展開しておりますので、是非一度訪れてみてください。
――今日はどうもありがとうございました。
試験的な意味も込めて行われた第一弾の「東京ガールズパレード」が無事成功を収めたバスキュー ル。今後の活動にも注目です。
