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書店に並ぶ美しい書籍の数々。さまざまなデザインが施された本のカバーは、書籍自体の売上を大きくを左右する大切な要素だ。出版大手の新潮社では、社内に独自の装幀室を持ち、自社出版の9割以上もの書籍デザインを内部制作している。これは他の多くの出版社が、装幀を外部発注するケースが多いなかで、極めて珍しいこと。 |
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新潮社・装幀室 室長 高橋千裕氏 |
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新潮社・装幀室 デザイナー 黒田貴氏 |
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新潮社の装幀室がデジタル化に取り組み始めたのは、約10年前。Macintoshを数台導入し、書籍の装幀における、デジタル処理の可能性を探ることから徐々に始まった。このとき同時に、Adobe® Photoshop®が導入されたという。 |
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「出版社として、実際の作業におけるデジタル化をシミュレーションするまでに、それからさらに5年かかりました。と言うのも、その5年間は、デジタル処理の可能性を探りながら、特に印刷所との連携作業について検討が必要だったためです。書籍の顔となる装幀は、最終的な印刷の仕上がりが最も大事な部分です。だから印刷所との連携は欠かせない。原稿の受け渡しフォーマットの取り決めやワークフローなど、詳細な部分まで綿密な調整が必要でした」と、装幀室室長の高橋氏。 |
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そんな経緯を経て、すべての作業がほぼ完全にデジタル化したのが、今から3年前。現在11人いる装幀室のスタッフは、ひとり1台のMacintosh環境で、サーバも設置され、仕事環境はネットワーク化されている。 |
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| 日本の出版文化を支える新潮社。装幀室には大量の紙見本とともに手掛けた数多くの作品が並んでいる |
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書籍デザインのワークフローは、たとえばカバーデザイン用にイラストレーターから送られてきた紙原稿の原画を、印刷所や社内のスキャナによってデジタルデータ化するところから始まる。
イラストレーターへの発注と同時に、全体のデザイン作業も並行して進められる。その第一段階として行われるのが、社内プレゼンテーションと著者プレゼンテーション。つまり「商品」としての、デザインシミュレーションだ。その段階でのおおまかなデザインワークから、PhotoshopやAdobe® Illustrator®が活用される。
「タイトルなどの文字要素は、基本的にIllustratorで描き起こしをしたり、フォント加工しています。レイアウトもIllustratorで行います。機能の使い方はオーソドックスですが、Illustratorがなければ進まない作業が大半。さらにそれらの作成データをディスプレイ上での確認だけではなく、すべてプリントアウトし、ダミーの本にかぶせ、実際に手にとって確認します。何故なら本というのは、手に持って読むものですから。実際に持ってみないと、感じがつかめません」と高橋氏は語る。 |
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