アクセシビリティ

PDF文書のアクセシビリティ確保の方法

タグ付きPDFの作成手順


目次

手順2:タグ付きPDFを作成する

  1. 文書作成アプリケーションから、新規にタグ付きPDFを作成する場合

    文書作成アプリケーションから、新規にタグ付きPDFを作成する場合は、文書作成アプリケーションで、見出しや箇条書き、代替テキストなどが適切に指定されていることを確認する

    • 画像への代替テキストの設定

      画像で提供される情報は、視覚障害者にとっては読み取ることが難しく、アクセシビリティ上の大きな問題です。JISX8341-3でも、画像には代替テキストを提供することを求めています(5.4.a)。このことは、PDFでも同様です。PDF文書でも、画像で情報を提供する際は、代替テキストを提供することが不可欠です。PDF文書で表示される画像に代替テキストを提供するには、代替テキストを設定可能なワープロソフトなどを利用します。たとえば、Microsoft Word 2000以降では、画像に代替テキストを設定することが可能です。以下では、Microsoft Word 2003での代替テキストの設定方法を解説します。

      【例:Microsoft Word 2003での代替テキストの設定方法】
      画像に代替テキストを設定しておくと、画像の代わりに代替テキストによる説明が読み上げられ、利用者は画像の内容を知ることができます。

      1. 画像をダブルクリックし、[図の書式設定]ダイアログボックスを表示。
      2. [Web]タブを選択し。
      3. [Web]タブで、「代わりに表示する文字列」に画像の代替情報を入力。

        このように代替テキストを指定したWordファイルを、Adobe PDFMakerを使ってタグ付きPDFファイルに変換すると、音声読み上げの際、画像に付いたタグの代替テキストが読み上げられます。

    • 文書構造の設定

      通常の文書を健常者が読む場合、表示されたページを見て、タイトル、サブタイトル、段組み、画像など、文書構造を識別できます。これは、テキストの配置や文字の大きさなど視覚的要素をヒントに識別していることがほとんどです。しかし、音声ブラウザなどの支援技術を利用する場合、視覚的なヒントを使えないため、文書構造を理解することは困難です。アクセス可能なPDF文書を作成するには、文書構造に関する情報をPDFに含めて作成する必要があります。Adobe InDesignやMicrosoft Wordなどの文書作成アプリケーションソフトでは、文書構造を指定することができます。文書構造を指定した文書ファイルからPDFを作成すると、文書作成アプリケーションで指定した文書構造をそのまま引き継いで、タグ付きPDFに変換することができます。以下では、Microsoft Word 2003での文書構造の設定方法を解説します。

      【例:Microsoft Word 2003での文書構造の設定方法】
      Microsoft Word 2003では、[書式]→[スタイルと書式]を選択すると、見出しや箇条書き、本文などのスタイル一覧が表示されます。見出しや箇条書きなどには、その文書構造を表すスタイルを適用します。見た目の調節は、マウスの右クリックで表示されるコンテキストメニューから[変更]を選択します。アクセス可能なPDF文書を作成するためには、これらのスタイルが正しく指定されている必要があります。

      Adobe Acrobat 7.0Professionalでは、タグパネルに表示されている文書構造を示すツリーを展開するとで、Wordで設定したスタイルが「heading1」タグや「Normal」タグとしてテキストに設定されていることが確認できます。

  2. 既存のPDF文書にタグを追加し、タグ付きPDFを作成する場合

    注意: これはAdobe Acrobat 7.0 Professionalの機能です。StandardおよびElementsでは使用できません。

    既存のPDF文書にタグを追加し、「TouchUP読み上げ順序」機能を使用して、見出しや箇条書き、代替テキストなどを適切に指定する

    既存のPDF文書にタグを追加する方法は、2つ用意されています。1つは文章の装飾方法などから文書構造を自動的に類推してタグ付けする機能を使う方法です。もうひとつは、タグパネルを使って、手動でタグを付けていく方法です。自動的に類推してタグを付ける機能は、[アドバンスト]→[アクセシビリティ]→[文書にタグを追加]を選択すると、機能します。しかし、この方法では、画像への代替テキストが追加されません。また、機械的に類推しているため、適切なタグ付けができている保障はありません。そのため、アクセシビリティに配慮するには、手動でタグを追加する方法で行います。以下では、手動でタグを追加する方法を解説します。

    • 画像への代替テキストの設定

      手動でタグを追加するには、TouchUp読み上げ順序機能を使用します。TouchUp読み上げ順序機能では、見出しやテキスト、図など11種類のタグを手動で設定することができます。画像に代替テキストを設定するには、以下の作業を行います。

      1. [アドバンスト]→[アクセシビリティ]→[TouchUp読み上げ順序]を選択。
      2. マウスをドラッグして、画像領域を選択。
      3. 選択した画像の上で右クリックを押し、コンテキストメニューを表示。
      4. コンテキストメニューから[代替テキストを編集]を選択。
      5. [代替テキスト]ダイアログボックスに、図の代替情報を入力。

        これで画像に代替テキストが設定されます。

    • 文書構造の設定

      文書構造を設定するには、TouchUp読み上げ順序機能を使用し、以下の作業を行います。たとえば、見出し1を設定してみます。

      1. [アドバンスト] →[アクセシビリティ]→[TouchUp読み上げ順序]を選択。
      2. 文書ウィンドウの中から、文書構造に相当する要素を、マウスをドラッグして選択。
      3. [TouchUp読み上げ順序]ダイアログボックスで、「見出し1」ボタンを選択。

        これで見出し1の部分のタグが設定されます。TouchUp読み上げ順序機能の詳細については、Adobe Acrobat 7.0ヘルプ「TouchUp読み上げ順序オプション」を参照してください。