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  迅速かつ正確なコラボレーションをAdobe Acrobatで実現 August 2005
三菱重工業株式会社
写真:Katsuhisa Kida
ビジネスの進歩とともに、ワークスタイルは大きく変化してきた。中でも、数多くの支店や事業所を持つ企業にとって、物理的に離れたメンバーとのコラボレーションは大きな悩みの1つだ。紙文書を回覧しながら共同作業をしていては、ビジネスの変化スピードに対応できない。

三菱重工業(三菱重工)の原動機事業本部は、プロジェクト遂行上のリスクを漏れなく定量的に管理し、遠隔地のメンバーとのコラボレーションを活性化させるため、輸出プロジェクトリスク管理システム「CORM-21」を構築した。このシステムの核となったのが、Adobe Acrobatなのだ。

紙ベースでのリスクマネジメントが限界

三菱重工の原動機事業本部は、発電プラントの計画や設計、建設、改造などを手がけている。この中でCORM-21は、発電プラントの輸出工事プロジェクトの遂行リスクを減らすために構築された。発電プラントの建設プロジェクトは、受注から完成まで数年にも及ぶ大規模なもので、莫大な金額が動く。

プロジェクトのプラント設計仕様書も膨大になる。総数が数千ページにも及ぶことも珍しくない。これらプロジェクトに関連する仕様書や設計文書を精査しながら、プロジェクトを効率よく遂行する必要がある。

ここで大きなテーマとなるのは、仕様書や設計文書をいかに精査するかだ。ある項目について見落としがあると、後々のリスクになりかねない。たとえば商品の引渡しの際、顧客から「こんな仕様の製品を発注した覚えがない」と言われた場合、それが三菱重工にとって莫大な損失となる可能性がある。とはいえ、各項目を悠長に精査していては、プロジェクトのスケジュールに支障をきたしてしまう。

原動機事業本部プロジェクト推進センターの日岡孝則グループ長は「リスクマネジメントの観点から、リスクについての検討履歴を残すことも重要です」と説明する。つまり、関係するメンバーが、どういった経緯で検討を重ねてきたのかを残しておくことで、リスクを低減できるからだ。

三菱重工では従来、これらのリスクを紙をベースに洗い出していた。膨大な設計書をコピーし、長崎や高砂等にある各事業所に送付。遠隔地の担当者は、自分のセクションに関係ある項目について精読し、リスクとなりそうな部分があれば、横浜にある本社を含めて担当者間にメールでやりとりしていた。

同センターの中村千鶴子主任は「これでは、自分のセクションに関係ある項目を検索するだけでも相当の時間がかかる上、当然見落としも出てきます。また、各地からバラバラと送付されたメールの内容を集約するのに相当の手間がかかっていました」と打ち明ける。

Adobe Acrobatがシステムの核心を担う

メインとなるシステムは大きく2つ。1つは、プロジェクトに関連する設計文書を電子化し、Web上で公開するためのツール「Hi-Spec」。もう1つは、リスク分析結果やその検討履歴などを管理する「Risk Assessment System」(RAS)だ。

プロジェクトに関連する種々の文書は、まずHi-Specを通じてPDF化、Webで公開される。各担当者はWebブラウザから文書を閲覧し、問題と感じた項目があればAdobe Acrobatを使いPDF上にコメントを入力する。その項目に対する検討内容・結果はRASに集約・保存され、いつでも履歴を照会できる。また同時に、RAS経由でリスク基準をいつでも参照できるようになっている。

日岡氏は「この仕組みは、Adobe PDFなしでは成り立ちません」と断言する。たとえばプロジェクトの検討段階では、文書内容の電子化精度を保つため、手作業での入力を予定していた。だがその仕組みでは、入力専門スタッフが必要になる。たった1文字の読み取りミスが、莫大な損失につながる可能性もある。Adobe PDFを利用すれば、紙文書と寸分違わないイメージを取り込んで保持しながら、透明テキストを埋め込んで検索に利用できる。

システム導入後のPDF登録フローはこうだ。営業担当が各種文書を入手すると、それを別会社の作業担当が、数人でOCR(Optical Character Reader)で読み込み、スペルチェックする。そこで読み取った文書は、システム窓口や本社支援チームが受け取り、読み取りミスがないようチェック。その後、Hi-Spec上に公開される仕組みだ。そこにAdobe Acrobatでコメントを書き込む。書き込まれると関連部門の担当者にメールを送信する仕組みも、後に追加している。
三菱重工業株式会社
所在地: 本社
〒108−8215
東京都港区港南2−16−5
電話:03(6716)3111
事業概要: 原動機事業
発電プラントの計画段階から設計・建設・運転・改造といった分野を幅広く手がけている。

Adobe Acrobatの主な利点
紙文書のイメージをそのままPDFに保持して扱える
PDF化することで、文書の送付・共有にかかる時間を大幅に短縮
文書共有とオンラインコメントでチェック漏れをなくす
コメント機能を活用することで、検討内容等の履歴を確実にトラッキング
「しおり機能」でファイルを、あたかも1つのファイルであるかのように扱える
検索機能によりキーワードを抽出できるほか、「しおり機能」により目的のページに瞬時にジャンプ可能。これにより、文書の精査業務効率が向上
紙文書に比べて過去の文書を参照しやすいため、プロジェクト成功のためのナレッジを蓄積しやすい

使用したアドビ製品
Adobe Acrobat

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日岡 孝則氏   日岡 孝則氏
原動機事業本部
プロジェクト推進センターグループ長

中村 千鶴子氏   中村 千鶴子氏
原動機事業本部
プロジェクト推進センター主任

西 泰史氏   西 泰史氏
株式会社リョーイン
情報技術グループ

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