
日本とフランスの著名メディアに、モータースポーツを始めとする速報性の高いスポーツ写真を提供している藤原啓さん。スピードが要求されるスポーツ報道の世界で、質の高い写真をコンスタントに撮り続けるために必要な条件とは何か。Photoshop LightroomとPhotoshop CS3を使いこなし、第一線で活躍するフォトグラファーのワークフローをご紹介。
実はカメラを本格的に買い揃えたのは、5年ほど前。当初は趣味のつもりが、いつしか本業になっていました。海外から来日するジャーナリストたちの取材コーディネートをやっていたこともあり、親しくなったジャーナリスト仲間からの撮影依頼や、本国のメディアを紹介してもらったりしたことが、カメラマンとしてのキャリアを育ててくれました。
依頼による撮り下ろしは少なく、独自に撮影した写真をメディアに買ってもらうスタイルです。良い写真が撮れるとその分収入も増えるので、やりがいのある世界ですね。プレスルームで知り合いの編集者を見つけては「良い写真が撮れたよ」と売り込んでいます。モータースポーツが中心ですが、ヨットのアメリカス・カップなども撮影しました。現在はプジョー関連の仕事が多いので、年に10回ぐらい日本とフランスを往復し、のべ3ヶ月は海外で撮影しています。
2002年、Photoshop 6.0からのユーザーです。通常のカメラマン同様に、露出補正、ヒストグラムの調整、年賀状の作成など様々な用途に使ってきましたが、最近はPhotoshopでレタッチすることを前提に撮影の仕方を考えることが多くなりました。例えばジャズライブなど暗い環境で撮影する時、適正露出だと手ブレ、被写体ブレが避けられない時もあります。そこであえて露出を一段アンダーで撮影してから、Photoshopで明るさを調整して自然な写真に仕上げます。ストックの中からポストカード用の写真を選んで仕上げる時にも、Photoshop上での微調整は不可欠ですね。
カメラマン仲間にパブリックベータを薦められたのがきっかけで、Lightroomは発売当初から愛用しています。それまではPhotoshopでサムネール用の小容量JPEGデータを作っていたことを考えると、写真選びの効率は大幅にアップしました。6時間のレースだと撮影点数は1500点にも及びますので、写真をいかに短時間で選んで補正できるかが勝負になります。Lightroomで特に気に入っているのは、XY比較モードで、補正前と補正後を左右に並べて比較表示できること。似たような写真をいくつも並べて、直感的に取捨選択できる機能もいい。現像時によく調整するのは、色温度、色かぶり補正、自然な彩度など。レンズのゴミ取りも楽になりましたね。写真はRAWデータで管理しますが、納品はメールにJPEGを添付するのがほとんどです。

XY比較モードでは、補正前と補正後の画像を左右に並べて比較表示できる
藤原 啓/フォトグラファー
2004年のWRCラリージャパンでプジョースポールの通訳を担当。その後、フォトグラファーとして2007年からプジョースポールが参戦するル・マンのシリーズを追っている。フランスの有名スポーツ紙『レキップ』の週刊マガジンに度々写真を提供。モータースポーツ以外のスポーツやジャズシーンなどの撮影も手がける。
この事例のPDFファイルをダウンロード
画面表示用(PDF:867KB/3ページ)
印刷用(PDF:4.20MB/3ページ)

藤原さんも活用されているLightroomの充実した機能の中から、今回は画像の選定と基本的な画像補正作業についてご紹介します。
