アクセシビリティ

Adobe-Japan1-6文字コレクションに対応する日本語OpenType®フォントについて

概要

各種オペレーティング・システムがJIS2004基準の文字の形に対応した日本語フォントの搭載を開始したことなどを背景に、JIS2004基準のフォントの重要性が高まっています。アドビ®が2007年11月にリリースしたAdobe® Font Folio™ 11には、Adobe-Japan1-6文字コレクションに対応するJIS2004基準の日本語OpenTypeフォント(Pr6Nフォント)及びかなフォントを拡張した日本語OpenTypeフォント(PlusNフォント)が含まれています。

本文書では、主にAdobe-Japan1-6対応のJIS2004基準の日本語OpenTypeフォント(Pr6Nフォント)の特長について説明します。

Adobe-Japan1-6に対応するJIS2004基準の日本語OpenTypeフォント(Pr6Nフォント)で、Adobe-Japan1-4に対応した従来のProフォントに追加された文字の内訳の概要

新しいPr6Nには、従来のProフォントにはないAdobe-Japan1-5およびAdobe-Japan1-6で拡張された、下記のような文字が追加されています。

文字コレクションとは

従来、アドビの日本語OpenTypeフォントは(特殊用途のフォントや、かなフォントなどのサブセットフォントを除いて)、Adobe-Japan1-4またはAdobe-Japan1-3文字コレクションの仕様に収録されている文字および記号を含んでいました。Adobe-Japan1-4が開発されて以後、アドビの文字コレクションの仕様は、Adobe-Japan1-5とAdobe-Japan1-6の2回の拡張を既に経てきましたが、従来のアドビの日本語OpenTypeフォント(特殊用途のフォントを除く)は、これらAdobe-Japan1-4以後に拡張された文字コレクションには対応していませんでした。今回、Adobe-Japan1-6に対応するJIS2004基準の日本語OpenTypeフォント(Pr6Nフォント)及び従来のかなフォントを拡張したフォント(PlusNフォント)がAdobe Font Folio 11に含まれる形でリリースされました。

Adobe-Japan1文字コレクションには、2007年12月の時点で、下記の7種の追補(supplement)があります。

文字コレクション 収容文字数
Adobe-Japan1-0 8,284
Adobe-Japan1-1 8,359
Adobe-Japan1-2 8,720
Adobe-Japan1-3 9,354
Adobe-Japan1-4 15,444
Adobe-Japan1-5 20,317
Adobe-Japan1-6 23,058

日本語OpenTypeフォントは、通常、Adobe-Japan1-3, Adobe-Japan1-4, Adobe-Japan1-5またはAdobe-Japan1-6のどれかの追補に含まれる文字をすべて含むか、その部分集合(サブセット)の文字を含んでいます。ここで、文字コレクションの名前、例えばAdobe-Japan1-3の「Adobe」の部分を「登録者(Registry)」、「Japan1」は「配列(Ordering)、「4」は「追補番号(Supplement)」と呼びます。

文字コレクションというのは、文字の形(便宜的に、ここでの「文字」には記号類なども含まれます)を列挙・配列したリストで、それぞれの文字の形には、0から始まる番号が順番に割り当てられています。この番号のことをCID(Character Identifier=文字識別番号)と呼んでいます。

Adobe-Japan1-6文字コレクション及びそのサブセットに対応するフォントのエンコーディングとフォントの名称について

Adobe-Japan1-6の文字をすべて含むフォントであっても、JIS90基準とJIS2004基準のフォントの2種類がありえます(2007年12月現在)。従来のJIS90基準のフォントの場合、文字コードと文字の形との対応関係(エンコーディング)は、JIS X 0213の規格票の例示字体が2004年に印刷標準字体(注1)に変更される以前の形に基づいています(JIS X 0213:2000及びJIS X 0208:1997)。これに対して、JIS2004基準のフォントでは、JIS X 0213:2004の例示字体が標準の形として、文字コードから直接アクセスできるようになっています。(詳細は次の文書を参照)。

注1:印刷標準字体は、国語審議会が2000年に答申した、『表外漢字字体表』に掲示されている字体の集合を指します。同字体表には、印刷標準字体の他に簡易慣用字体が掲示されています。

『Windows Vista上のJIS2004基準のフォントについて』

アドビでは、従来のJIS90基準の日本語OpenTypeフォントでは、Adobe-Japan1-4の文字を含むフォントの名称の末尾には"Pro"を付けて、Adobe-Japan1-3の文字を含むフォントの名称の末尾には"Std"を付けて区別してきました。JIS2004基準のフォントの場合、Adobe-Japan1-6の文字を含むフォントの名称の末尾には、"Pr6N"を付け、主にAdobe-Japan1-3の文字を含むフォントの名称の末尾には"StdN"を付けて区別します。また、かなと若干の記号類だけを含んでいた従来のかなフォントを拡張してAdobe-Japan1-3の文字に対応し、さらにJIS2004基準としたフォントに対しては、"PlusN"をフォント名の末尾に付けて区別します。

従来のJIS90基準の日本語OpenTypeフォントのフォント名称の例

(小塚明朝®とりょう®はAdobe Systems Incorporatedの登録商標です)

メニュー名称 PostScriptフォント名称
小塚明朝 Pro R KozMinPro-Regular
小塚明朝 Std R KozMinStd-Regular

JIS2004基準の日本語OpenTypeフォントのフォント名称の例

メニュー名称 PostScriptフォント名称
小塚明朝 Pr6N R KozMinPr6N-Regular
りょう Text PlusN R RyoTextPlusN-Regular

(Plus Nの名称は、主にかな文字等だけを含むサブセットフォントをAdobe-Japan1-3に必要な文字を加えて拡張し、さらにJIS2004対応に必要となる文字等を追加したフォントについてのみ用いています。通常のフルセットのAdobe-Japan1-3対応のフォントをJIS2004基準にした場合には、StdNを用います)。

主にAdobe-Japan1-3の文字を含むフォントをJIS2004基準に対応させたフォントの名称の付け方

メニュー名称 PostScriptフォント名称
(書体ファミリー名) StdN (太さを区別する名前) (書体ファミリー名)StdN-(PostScriptフォント名称の残りの要素)

なお、アドビではJIS90基準のAdobe-Japan1-6フォントは、特殊用途の一部アプリケーション専用フォントを除いて、一般用途のフォントとしてはリリースしていません。今後アドビがリリースする日本語OpenTypeフォントは、原則として、JIS2004基準のフォントとなります。

上の例の小塚明朝Pr6N Rのように、Adobe-Japan1-6文字コレクションのすべての文字を含むJIS2004基準のエンコーディングのフォントの場合、その収容文字数はAdobe-Japan1-6文字コレクションの文字数である、23,058と等しくなります。それに対して、りょうText PlusN Rのように、仮名フォントを拡張してAdobe-Japan1-3の文字に対応したフォントや、従来のStdフォントのようなAdobe-Japan1-3文字コレクションを基にして作られたJIS2004基準のフォントの場合、基本のAdobe-Japan1-3の文字に加えて、JIS2004基準とするために必要な文字(及びその他の追加の文字)が含まれます。そのため収容文字数は、Adobe-Japan1-3文字コレクションの文字数よりも多くなります。この追加の文字数は144文字で、その内訳は以下のとおりです。

JIS2004基準のStdNフォントで追加された文字の内訳

追加文字の合計は144文字。この144文字のリストを、下記のPDF文書に示します。
『JIS2004基準のStdNフォントで新たに追加された文字』(PDF, 116K)

Pr6NフォントでのOpenTypeの異体字切り替えの機能について

Adobe-Japan1-6に対応したJIS2004基準のPr6Nフォントでは、JIS2004基準の文字の形が標準となっています。そのため、アドビのPr6Nフォントには、JIS90基準とJIS2004基準で形に変化のあった文字について、従来のJIS90基準の文字の形に戻すための異体字切り替えの機能を持っています。この異体字切り替えの機能(OpenTypeフォントの'jp90'GSUBフィーチャ)に対応したアプリケーション・ソフトウェでは、個々の文字について、標準のJIS2004基準の文字の形とJIS90基準の文字の形のどちらかを選択することができます(例えば、InDesign® CS3では字形パレットのオプションから「JIS90字形」として指定できます)。