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チュートリアル
ポスタリゼーションテクニック:チュートリアル
ジュリアンヌ・コストは、 米国アドビ本社でシニアデジタルイメージングエバンジェリストを務めるPhotoshopの達人です。製品開発のサポート、いろいろな出版物への制作協力、 世界各地で行われるカンファレンスやトレードショー、ワークショップでの講師など、多彩な仕事をこなすジュリアンヌのテクニックをご紹介します。

ここでは、思いのままに画像のカラーパレットを削減してポスタリゼーション効果を作成するテクニックを解説します。 Adobe® Photoshop® CSには自動的にポスタリゼーションをかけるフィルタが用意されていますが、同時にすべてのチャンネルに作用する使い方しかできません。 ところが、このユニークな方法ではより柔軟な効果を出すことができます。画像をグレースケールに変換することで、ポスタリゼーションの階調の数を指定し、意図したとおりの色を割り当てることが可能です。

ポスタリゼーションをかけるカラー画像を開く
背景に散漫な要素がある場合は、それらを削除しておくことをお勧めします。輪郭のはっきりした素材に適用するほうが劇的な効果を得られます。 この例では、なげなわツールで犬を選択してから、 選択範囲/選択範囲を反転で背景部分を選択します。 次に、編集/塗りつぶしで、背景を黒にします。

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画像をグレースケールに変換
これをPhotoshopで実行する方法はいくつもありますが、自由度が最も大きいのは、チャンネルミキサー調整レイヤーを追加する方法です。 画像をグレースケールに「変換」しても、後で階調間の境界を微調整するために色の情報を保持しておくことができます。 レイヤー/新規調整レイヤー/チャンネルミキサーを選択し、新規レイヤーダイアログボックスで「OK」をクリックします。 チャンネルミキサーダイアログボックスの下部にある「モノクロ」をクリックしてから、「レッド」、「グリーン」、「ブルー」の各スライダでチャンネルごとの量を増減します。最適のグレースケール変換を指定できたら、 「OK」をクリックします。

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ポスタリゼーション効果の適用
レイヤー/新規調整レイヤー/ポスタリゼーションを選択します。 新規レイヤーダイアログボックスで「OK」をクリックし、意図した効果が出るように「階調数」(色数)の値を調整します。 この例では、4を指定した結果を示しています。 仮に、元のカラー画像に対してポスタリゼーションフィルタを使用すると、たとえポスタリゼーションのオプションで指定できる最小の値(2)を入力しても、4階調しかない効果を作成することは不可能です。これは、指定した値が各チャンネルにそれぞれ作用するため、結果として6階調のグレーになるからです。

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調整レイヤーの微調整
ポスタリゼーション調整レイヤーで作成した階調の境界が気に入らなければ、レイヤーパレットでチャンネルミキサー調整レイヤーのサムネールをダブルクリックすることで微調整が可能です。 スライダを調整すると、ポスタリゼーションの階調ができる境界が移動します。

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色の追加
レイヤーパレットで最前面のレイヤーを選択してから、レイヤー/新規調整レイヤー/グラデーションマップを選択します。 新規レイヤーダイアログボックスで「OK」をクリックします。 グラデーションマップダイアログボックスで、グラデーションの領域をクリックして、グラデーションエディタを開きます。 カスタムのグラデーションを作成して、前の手順で入力したポスタリゼーション階調数と同じ数のカラー分岐点を作成し、等間隔に配置します。

それぞれの色が、グラデーションのカラー分岐点の位置に応じてポスタリゼーションの階調に割り当てられます。 画像にリアルさを出すには、左にある分岐点ほど暗い色を割り当て、右に行くほど明るい色を割り当てるようにします。 グラデーションを使用することのメリットは、カラー分岐点に変化を付けるとポスタリゼーション画像に使用する色が変化するので、異なる色の組み合わせを容易に試せることです。

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まとめ
この方法でポスタリゼーション画像を作成してみると、調整レイヤーを活用(画像の変換、ポスタリゼーションの適用、色付け)することによって文書を無限に変化させられることがわかります。しかも、意図した効果が出るように調整することも簡単です。

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http://www.adobe.co.jp/framemaker/
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