風変わりなユーモアとばかばかしさを愛する情熱ニューヨークの地下鉄に落書きしていたことを認めるデザイナーはめったにいない。また、Funny Garbageのようなデザイン会社もめったにない。「壁に絵を描くことは、タイポグラフィーや構成の点でとても勉強になるんだ」クリエイティブディレクターのChris Capuozzoは慎重に言葉を選んで話した。「道具をすべてもって家を出る。そのときには作業の順序をもう考えているんだ。このプランに従って作業を進めるんだけれど、やりすぎてもいけない」
Capuozzoと、やはりFunny GarbageのクリエイティブディレクターであるPeter Girardiは、もともとストリートペインティングを通して知り合った。ニューヨークの交通当局の許可なしに何年間か創作活動を続けた後、2人はコミックブックの制作をはじめた。「制限のあるメディアが好きなんだ」Capuozzoはいう。「コミックでは、コマという限られたスペースでストーリーを表現しなきゃならない。この制限はWebサイトを構築する場合と似ているね」
その後、CapuozzoとGirardiは、ニューヨークのビジュアルアートの学校に在籍した。そのあいだも2人の友情は続き、やがて、さまざまな分野のマルチメディアアーティストを集めて、Funny Garbageが誕生した。現在のスタッフには、元ファッションデザイナー、テレビプロデューサー、そして "偉大なフレディーニ" がいる。フレディーニは、かつてはコニーアイランドで剣を飲み込む曲芸を披露し、自らを「世界最悪の魔術師」と呼んでいた。Alta Vista、Cartoon Network、コンパック、I.D. Magazine、ワーナーブラザーズレコード、Nikeなどが、Funny Garbageのクライアントである。
Funny Garbageでは、印刷、Web、CD-ROM、モーショングラフィックスなど幅広いメディアをあつかっている。そして、クライアントに応じて異なるスタイルを取ることで注目されている。Capuozzoはこういっている。「企業プロジェクトと小規模でクリエーティブな仕事のバランスをとるようにしている。そうすることで、Webコンテンツの表現方法を探っているんだ」
Funny Garbageが手がけた小規模だが、注目すべきプロジェクトには、日本の会社のためのアニメーションWebサイト「Willing to Try」がある。これは、最近カンヌ映画祭にノミネートされた。ミニマリストアーティストであるRichard McGuireが加わったことで、このサイトはシンプルなビジュアルキューだけで、訪問者に予想もしない体験を味わわせるものとなっている。Funny Garbage自身のサイト「Kipple」も必見である。ここでは、社員個人が定期的にデザインやコミュニケーションの実験を公開している。
Capuozzoたちは、Adobe® Illustrator®、 Adobe Photoshop®、 Adobe Streamline®、Adobe GoLiveなど、さまざまなツールを活用している。「Adobe Photoshopがなければ、Webも存在しないといってもいいね」とCapuozzoはいう
Funny Garbageを現在のような注目すべき成功に導いたものは、好奇心旺盛でアナーキーな精神を持つ者たちのチームワークだといえるだろう。最も重要な要因は、Capuozzoによれば、Funny Garbageの全員がすぐれたデザインと風変わりなユーモアを愛していることだという。また「ポップカルチャーと人生のばかばかしさを愛する、思い入れと情熱も大切だ」と彼はいう。