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Webサイトやエディトリアル、執筆など幅広い分野で活躍するI&Dの宮川千春さんは猫と音楽をこよなく愛す素敵な女性。今回も取材のために白金台にあるオフィスにうかがうと、総勢8匹の猫達が取材陣を迎えてくれた。
宮川さんは多摩美術大学を卒業後、外資系ゲーム会社でキャラクターデザインなどを担当し、かなり早い時期からMacに慣れ親しんだという。だが長く勤めるうちにクライアントではなく、自分のボスが気に入るデザインをしていることに気づき、次第に不満を募らせていく。「ボスの顔色をうかがったり、ほかの誰かのために働くのではなく、やはり自分のために働きたいと思うようになりました。ボブ・ディランの“マギーズファーム”という曲は『マギーの農場で働くのはいやだ』という歌詞なのですが、以前は何気に聞いていたその曲も、こういうことだったんだな、と実感しましたね」。
そのような時に彼女はAdobe® Photoshop®とAdobe Illustrator®に出会うことになる。「何やらすごいソフトがあって、それを使えるようになればフリーでもやっていけるらしい、と聞いたんです。それがPhotoshopとIllustratorだったんですね。だから大袈裟じゃなく、アドビとアップルの存在がなければデザイナーをやっていなかったと今でもそう思います(笑)」。独立したての頃は「STEP BY STEP」や「AtoZ」を熟読し、PhotoshopとIllustratorの習得に励んだ。その後、イラストレーターの新矢千里さんをはじめ、同じくフリーの友人らとユニットを組んで活動を始めたのがI&Dである。現在は自身もファンだったというMUSIC Watchのサイトや、design plexでの連載、松岡圭祐氏の書籍装幀など、Webデザイン・執筆・印刷媒体をそれぞれ1・1・1の割合でこなす。
Webデザインの仕事は自身のプロモーションサイトを立ち上げたことがきっかけとなった。「最近はチラシ1枚を発注するような感覚でWebデザインの仕事がくるようになりましたね」。インターフェイスとなるデザインはI&Dで担当、PhotoshopとIllustratorを使用しパーツごとに作成した後、プログラマーに渡し、Adobe Golive(TM)で仕上げるという手順を取っている。「プログラミングは、やり始めると面白くてハマってしまう。やはりデザイナーがいちばん時間をかけるべきところはその部分じゃないと思うので、コーディングなどはGoLiveのような便利なツールを使ったり、優秀なアウトソーシングに依頼していますね」。
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今回のコンテンツ用にAdobe LiveMotionにて制作されたアニメーション。この個性溢れるキャラクターがウィンクする際に使用されている「移動しながらゆがむ」という効果の適用方法を紹介 このアニメーション制作に使われているLiveMotionテクニックを知るにはここをクリック
また、クライアントの要求に答えるためにI&Dでは、デビット・シーゲルの『WEBサイト・マネジメント 成功するWEBサイト構築術』をもとにプロジェクトごとに調査票を作成し、必ず事前にチェックしているという。「クライアントや、代理店も含め、“どんなサイトにしたいのか”という点について同じ認識を持つため、既存のサイトで好きなものをいくつか挙げてもらいます。グラフィックスのクオリティをどこまで求めるのかなどについても“何となく”ではなく確実に答えを出してもらう。それをやっておかないと後で恐ろしいしっぺ返しがくるんです」。プロジェクト調査票は、サイトの目的や更新の頻度、何にポイントをおくかなど質問に答えていくうちに回答が出るようになっている。すべてがフィックスして完成する印刷と違い、Webデザインには終わりがない。後からサイズの違い、目的や意識の違いなど、様々な問題が起きないためにもこの調査票の果たす役割は大きいと言う。
そしてデザインする際にはやはりクライアントに満足を与えるということ、そして見る側の立場に立ったデザインを心がけていきたいとのこと。「良いWebデザインというのは難しくて、対象やそのサイトのコンセプトによって変わりますよね。いつも思いきった斬新なデザインを提案すれば良いというわけではなく、例えば今、担当している東洋信託銀行のサイト(富士通株式会社総合デザインセンターソリューションデザイン部共同開発)は、比較的年輩の方が見られることが多いとのことでしたので、ユニバーサルデザインをコンセプトに、メニューの文字も大きいサイズにして、テキストの前にボタンを配置するなど工夫を凝らしました」。クライアントワークである以上、いくら斬新なデザインでも、デザイナーのエゴで作るべきではないと宮川さんは語る。
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