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アドビ システムズ 株式会社
初のオリジナル和文書体、「小塚明朝(TM)」を発表
【1997年12月1日】
アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:木村 八郎)は本日、アドビオリジナル和文書体である「小塚明朝」6書体を発表いたしました。

これまで、アドビ システムズ社は62書体のオリジナル欧文フォントを発表しており、それらは優れた品質と書体デザインの独創性によって、グラフィックデザイン、出版、印刷の分野において高く評価され、多くのクリエイターに愛用されてきました。欧文書体同様、高品質で使いやすいオリジナル書体を和文書体においても実現する。このことを目標に、アドビはオリジナル和文書体のデザインと関連フォント技術の開発を進めてきました。「小塚明朝」の書体ファミリーは、その最初の成果です。「小塚明朝」はCID-Keyedフォントファイルフォーマットを採用した、Adobe(R) TypeLibrary 2.0J(Macintosh(TM)版)初のオリジナルフォントとして、各書体ごとのパッケージ、6書体パック、ATM(R)(Adobe Type Manager(R))用スクリーンフォント(6書体)の3種類のパッケージで1998年1月下旬に出荷される予定です。

「小塚明朝」とは

「小塚明朝」は、本文から見出しまでの幅広い用途に利用できる明朝体ファミリーです。キャプションなどごく小さな文字サイズで使ったときに効果的なEL(Extra Light)、一般的な本文組版から広告用コピーなどの広範な用途をカバーするL(Light)、R(Regular)、M(Medium)の3つのウェイト。見出しなどにおいて、明快で力強いメッセージを表現する B(Bold)とH(Heavy)。「小塚明朝」ファミリーはこれら6つのウェイトで構成されています。どのウェイトを使った場合でも優れた印字・印刷適性が得られるよう、各ウェイトで多用される印字サイズ・用途などの諸条件を考慮して入念にデザインされています。

印刷用の書体にとっては、文字セットと書体ファミリー全体から見た字形の一貫性・統一感もまた重要な要素です。「小塚明朝」のデザインでは、システマティックなデザインのプロセスの確立と、それに必要な開発環境の構築というレベルから取り組むことで、統一感のあるバランスのとれた和文書体のデザインが可能になりました。とはいえ、日本の伝統的な書体デザインに関する知識と経験なしに和文書体を完成させることはできません。「小塚明朝」は長年にわたって本文用書体の開発に携わってきた小塚昌彦(弊社日本語タイポグラフィ ディレクター)が制作指揮を行い、アドビの日本語タイポグラフィ グループが完成させた書体です。和文書体デザインの伝統の基礎の上に、さまざまな独創的な特長・工夫を備えた明朝体。それが「小塚明朝」です。

「小塚明朝」のデザインコンセプト

伝統を大切に、かつモダンな雰囲気の明朝体、この相反するテーマをオリジナル書体デザインの大きな目標としました。またデジタル化された明朝体であっても文字は人間が書く軌跡であり、目で見る言葉でありたいということが「小塚明朝」のテーマです。この概念的なテーマを具体化すること、それはあるときには中国の初唐の三大書家の筆勢の比較であり、また自然の造形美の発見でもありました。文字デザインの基本の訓練とともに、デザイナーチームの感覚の一体化も大きな課題でした。

「小塚明朝」ファミリーを構成する各フォントの特長

小塚明朝EL (Extra Light)
小塚明朝EL(Extra Light)は、縦線の細い書体です。それでも、横線は十分太くデザインされているため、非常に小さな文字サイズまで安心して使えるのが特長です。図版キャプションや注釈・解説文などから本文まで、小サイズで印字する必要のある組版に適しています。このような用途は、従来の明朝書体では必ずしもうまくカバーできていなかった分野かも知れません。明朝書体の利用範囲を広げるユニークな細明朝体として活用できます。

小塚明朝L(Light)
L(Light)、R(Regular)、M(Medium)の3つのウェイトは、基本的な本文組版用のウェイトから広告コピーなどにも使える中間的なウェイトまで、広い用途を守備範囲としています。その中でも小塚明朝Lは、本文用書体として標準的なウェイトを持っている書体であり、書籍などの本格的な本文組版にご利用できます。

小塚明朝R(Regular)
組み上がりの調子が重要となる本文組版では、ウェイトの選択には、テキストの内容や印刷条件に応じた微妙な判断が必要になります。LとMとの中間的なウェイトの小塚明朝R(Regular)は、現実の多様な印字・印刷条件に対応できるもう一つの選択肢を提供しています。ウェイトに対するプロの細かなニーズに応えることで「小塚明朝」の使いやすさをさらに高めています。

小塚明朝M (Medium)
広告のキャッチフレーズや小見出しなど、本文と見出しとの中間的な太さをカバーするのが小塚明朝M(Medium)です。ウェイトが太くなるにつれて、横線はより細くシャープに設計されています。これはELからH(Heavy)まで、それぞれのウェイトの用途に合わせて合理的にデザインされている「小塚明朝」ならではの特長です。

小塚明朝B(Bold)
一般的な見出し用途を念頭に設定されたB(Bold)のウェイト。用途は、雑誌・書籍などの小見出しや見出しだけに限りません。言葉を力強く表現する必要がある、さまざまな場面で力を発揮します。小塚明朝Bは単に縦線を太くしただけの書体ではありません。細いウェイトに較べると、全角の中での文字の相対的な大きさ(字面率)はより大きく、横線はさらに細く設計されています。見出し用書体に必要とされるメリハリのあるシャープな力強さをそなえています。

小塚明朝H(Heavy)
ファミリー全体の中で最も太いウェイトがH(Heavy)です。鮮明で迫力のある明朝体の美しさ、力強いメッセージ表現が必要となる用途で活用いただけます。見出し用とはいえ、無理に極太にして字形のバランスを崩すことがないよう、慎重にウェイトの設定を行いました。すっきりとして明快な表情をもつ小塚明朝H。ポスターやブックカバーのタイトルといった従来の用途だけにとらわれない、見出し用明朝体の新しい可能性が拡がります。

プロフィール

小塚昌彦 Masahiko Kozuka
1929年 東京生まれ
1947年 毎日新聞社入社
1952年より毎日新聞社の活字書体のデザインに携わる。1970年以降、CTSデジタルフォントデザイン開発を担当。1986年、同社技術本部定年退職。1986年より株式会社モリサワでタイプディレクターとして主要書体のデザイン開発にあたる。1992年アドビ システムズ 株式会社入社。現在、日本語タイポグラフィ ディレクターとしてアドビオリジナル和文書体の開発を行っている。

日本語タイポグラフィグループ

アドビのオリジナル和文書体のデザインとフォント開発を担当するグループ。タイプフェイスデザインとタイポグラフィを専門とするスタッフで構成され、小塚昌彦の指揮のもとに「小塚明朝」のデザインを完成させた。タイプフェイスデザインと日本語タイポグラフィの立場からアドビのフォント開発の一翼を担っている。

必要なシステム構成

■68030/40またはPowerPC(TM)プロセッサを搭載したMacintoshおよびPower Macintosh(TM)
■CD-ROMドライブ
■漢字Talk(TM)7.1以降またはMac(TM) OS 8日本語版(QuickDraw(TM)GX対応)
■8MB以上のRAMを搭載したMacintosh(Power Macintoshでは16MB以上のRAM)
■ハードディスクが内蔵または外付けされた純正ポストスクリプト日本語出力装置(RAMに1MB以上の空きメモリが必要です)

希望小売価格

小塚明朝 各49,000円(解像度の制限はありません)
6書体パック 198,000円
ATM用スクリーンフォント(6書体) 72,000円

発売時期

1998年1月下旬



Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)は、1982年に創設され、米カリフォルニア州サンノゼの本社を拠点に活動を展開しています。アドビは電子メディアによる書類の作成・表示・印刷・伝送などを実現するソフトウェアやコンピュータ技術の研究開発を行っています。自社技術をコンピュータ機器や印刷器材の大手メーカーへライセンス供与するほか、コンピュータで利用可能なフォントやアプリケーションソフトウェアの開発も行い、ヨーロッパと環太平洋地域の拠点からの販売網を通じて世界各地に製品を提供しています。アドビシステムズ株式会社は、1989年に設立されて以来、世界中の製品メーカーとの協力により、日本市場向けポストスクリプト製品の開発に携わると共に、Adobe Illustrator、Adobe Photoshop、Adobe PageMaker、AdobeAcrobat(R)をはじめとする各種アプリケーションや書体の開発、販売、サポートを行っております。

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Adobe、Adobeロゴ、小塚明朝、ATM、Adobe Type Manager、Photoshop、Illustrator、PageMakerやAcrobatおよびPostScriptはAdobe Systems Incorporated(アドビ システムズ社)の商標です。Macintosh、Power Macintosh、QuickDraw、MacOSおよび漢字Talkは米国およびその他の国で登録されているApple Computer, Inc.の商標です。その他全てのブランド名および製品名は個々の所有者の登録商標または商標です。

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