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青森県八戸市、アドビのドキュメントサービスを採用した
電子申請の実証実験を開始

Adobe PDFとXMLを活用し、一度の記入で複数の申請を実現する
「ワンストップ・マルチ申請」を検証

【2004年9月27日】

アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石井 幹)は、本日、青森県八戸市がアドビのドキュメントサービスを採用し、「ワンストップ・マルチ申請」による電子申請実証実験を開始したと発表しました。今回の実証実験で採用されたアドビ製品は、業務の電子化を支援するソフトウェア製品群Adobe® LiveCycle™(アドビ ライブサイクル)を構成するAdobe Designer、Adobe Form Server、Adobe Document Security Server、Adobe Reader® Extensions Serverの4製品です。今回の実証実験は2004年9月24日から11月30日までの期間実施されます。八戸市では実験の検証結果をもとに、今後、諸証明書発行予約の電子申請など、より多くの市民の方が電子申請サービスを活用できるよう計画を進めていく予定です。

八戸市では、申請、届出等のオンライン化や地域ポータルサイトの開設などを目的とした、IT技術を活用した行政事務の効率化・高度化、住民サービスの向上を目指す八戸市IT推進計画を策定し、「e-八戸」プロジェクトとして推進しています。今回の実証実験もこのプロジェクトの一環として行なわれます。実証実験では、現在八戸市役所内の4つの課に、最大で8種類の申請書類の提出を必要とする新生児出生届を対象業務とし、一度の情報入力で一括申請を可能にする「ワンストップ・マルチ申請」という申請方法を採用、その効果を検証します。Adobe LiveCycle製品群はWeb、XML、PDFといった標準技術に基づく開発および実行環境を提供し、この「ワンストップ・マルチ申請」システムを確実に、効率よく開発することに貢献しています。

「ワンストップ・マルチ申請」では、申請者は今回の実証実験用に準備されたWebサイトにアクセスし、対話形式のウィザード画面に従い必要事項を入力するだけで、申請を完了することができます。申請者は、どの申請様式が必要かを気にすることなく、申請者(親)の住所、新生児の名前と生年月日といった項目別に入力を行っていくため、非常にわかりやすくなっています。これにより、申請者には従来の紙の申請と比較して、
・ 複数の届出様式に何度も同じ名前や住所を書く煩雑さがなくなる
・ 様式のどこに何を記入すればよいか迷うことがなくなる
・ 必要な情報は一度入力するだけでよいため、入力にかかる時間が短くなる
といったメリットがあります。
今回対象となる新生児出生届には、担当医師の記入が必要な項目があるため、市内の5つの病院が実証実験に参加し、申請も病院からの実施となります。

また、データを受け付ける側の市役所の各課には、申請者の情報が今までの紙の様式と同じ体裁のPDFフォームに自動的に埋め込まれて、電子的に回覧されます。このため、
・ 従来の「紙」での申請と同じ様式レイアウトで書類の確認ができるため、違和感なしに処理が可能
・ PDFの注釈機能により、付箋紙感覚での修正指示やチェック内容の記入が可能
・ プロセスが電子化されたため、受付処理がどこまで進んでいるか、いつでも確認可能
といった利便性と業務効率の向上を実現しています。さらに、万一申請に不備があった場合にも、PDFの注釈機能で付けられた修正指示やコメントを利用し、申請書の差し戻し、修正、再申請のやり取りをオンラインで行うことが可能です。

今回の実証実験では、受付サーバ用プラットフォームにLinux(Red Hat®)とJ2EE環境(IBM® WebSphere® Application Server)を採用し、流通させるデータフォーマットにはXML、PDFといった業界標準の技術を採用しています。また、ユーザ側では一般的なWebブラウザ、Adobe Readerおよび電子メール環境さえあれば利用が可能なため、この実験を行うにあたって特別なアプリケーションの配布、追加や、環境構築の必要はありません。

利用者のセキュリティを確保するという点では、流通する情報に申請者、審査部門ごとに個別のパスワードが設定されているとともに、128bitで暗号化されたPDFが使用されます。加えて、個人情報保護の観点から、当該部署の審査に必要な情報のみをAdobe PDFの閲覧制限機能によって表示させるなど、閲覧情報のコントロールに十分配慮されたシステムとなっています。さらに、電子申請推進コンソーシアムのメンバー企業であるシスコシステムズ社のネットワークセキュリティ機能や、トレンドマイクロ社のウィルス対策機能も実装されています。

暗号化されたPDFの市役所内の受付処理フローには、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社製の「Renopulse® / XBASKET®」が使用されています。「Renopulse / XBASKET」はPDFの処理エンジンにAdobe Document Serverを採用したワークフローシステムで、プロセス電子化を早期に実現するための機能を備えています。今回はプロセス設計から稼動まで、約3ヶ月という短期間でのワークフロー構築を実現しました。

アドビ システムズ 株式会社 代表取締役社長 兼 電子申請推進コンソーシアム会長の石井 幹は、今回の八戸市で開始された電子申請実証実験について、「八戸市の実証実験に当社の技術が採用されたことを嬉しく思います。実証実験で検証されるワンストップ・マルチ申請は、申請者にとって従来の方法よりもわかりやすく、誤りの少ない情報入力を支援することを目的として、新しい考え方に基づく手順を採用しています。電子申請推進コンソーシアムとしても、IT技術を活用して、申請者にとっても、情報を受け取る側にとっても本当に使いやすいシステムの開発に注力して参ります」と述べています。

今回採用されたアドビの各製品の役割および特徴は以下の通りです。

Adobe Designer
Adobe Designerは、インテリジェントな電子フォームテンプレートを設計するGUIベースの開発ツールです。今回の実証実験ではウィザードフォームの設計等に使用されています。Adobe Designerで作成されたXMLテンプレートはユーザの利用環境に応じてAdobe PDF形式やHTML形式のフォームとして変換、利用することが可能です。レイアウトや文字に関する書式設定の自由度が非常に高く、GUIベースの操作で作成できるので、プログラミング等の専門知識を必要とせずに、思い通りのフォームを作成することができます。入力欄についても、通常の自由記入欄、ラジオボタン、一覧表を表示しての選択など様々な設定が可能です。また、入力されたデータの計算、記入漏れのチェック、選択項目に応じた記入可能欄の変更といったビジネスロジック(配置されたプログラムからの要求を受け、データベース内におかれたデータに対して各種の操作を実行すること)を追加することができます。この設定は、一度作成したフォームの変更も簡単に行えるため、類似したフォームを複数作成する際に便利です。

Adobe Form Server
Adobe Forms Serverは、Adobe Designerで設計された電子フォームテンプレートをPDFフォームやHTMLフォームで配信し、入力データをXMLとしてキャプチャできるほか、データとフォームテンプレートを統合させることによってPDFの生成も可能な電子フォームプラットフォームです。今回の実証実験では、申請者へのウィザードフォーム配信とデータの取り込み、および市役所で受付処理する際のPDFの生成に利用されています。

Adobe Document Security Server
Adobe Document Security Serverは、サーバ上でのPDFへの電子署名付与、検証、および暗号化、復号化の自動実行を行うためのセキュリティサーバ製品です。今回の実証実験では、Adobe Form Serverにより生成されたPDFを暗号化処理し、情報漏えい対策を行うために利用しています。

Adobe Reader Extensions Server
Adobe Reader Extensions Serverは、Adobe PDFに対する審査、修正作業を、Adobe Readerから可能とするための権限付与を行うサーバ製品です。サーバ上でPDFに特別な「権限」を付与することで、Adobe Reader上でPDFドキュメントに対して、保存、入力、注釈の追加、署名、送信などの処理を行うことが可能となります。今回の実証実験では、市役所職員が申請内容の修正指示や、それに対して申請者が修正を行う作業をAdobe ReaderとPDFで実現するために使用されています。

今回の実証実験における、これらの製品の詳しい適用範囲、システム構成などは、電子申請推進コンソーシアムのWebサイトhttp://www.e-ap.gr.jp/topics/040806/hachinohe.pdfに掲載されています。

Adobe LiveCycleについて
Adobe LiveCycleは、これまで人手を介して行われてきた業務プロセスをエンタープライズアプリケーションに統合することによりビジネスの無駄を省くのみならず、規模の大小を問わず、企業や組織全体でより安全で確実なコミュニケーションを可能とするアドビ システムズ社製ソフトウェア製品群の総称です。企業や組織は、LiveCycleを導入することで顧客とのコミュニケーションの向上、組織内業務効率の改善、規制への対応など、ビジネスにとって重要な問題を解決することができます。Adobe LiveCycleではさらに政府機関や、金融、製造業をはじめとする組織の皆様に、これまで実現が難しいとされていたファイヤウォールの外にいる人々と、あるいは常にオンラインにいるとは限らない人々との間の安全な情報のやりとりとその処理の自動化を実現します。

アドビ システムズ社について
アドビ システムズ社は、人々のそして企業のコミュニケーションをより豊かにするために、業界をリードするデジタルイメージング、デザインならびにドキュメント技術のプラットフォームを、一般ユーザ、クリエイティブプロフェッショナルおよび法人ユーザ向けに提供しています。アドビ システムズ社の2003年度の売上は12億米ドル超でした。アドビ システムズ 株式会社はその日本法人です。詳細な情報は、Webサイトhttp://www.adobe.co.jp/でご覧いただけます。