必要な安全衛生のポスターを貼って、従業員や仕事仲間の安全が確保された状態を維持できる体制を整えましょう。
必要な安全衛生のポスターを貼って、従業員や仕事仲間の安全が確保された状態を維持できる体制を整えましょう。
安全を最優先している職場では、仕事のスピードや品質の点で差が出ます。従業員は職場が安全であるとわかっていると、落ち着いて仕事ができ、持てる力を発揮できるものです。雇用主にとっても、そのような従業員のための安全な環境づくりは、最優先事項であるに違いありません。
どの会社でも、安全性には日頃から配慮しています。労働省統計局のレポートによると、2020年にアメリカの労働者で仕事が理由で病気や怪我を患った人はおよそ270万人を数えたそうです。健康と安全の標識を正しく表示することはそういった傷病を削減するのに不可欠なツールです。健康や安全の標識については、すべての企業が特定の法令に従う責任があるものの、それ以外にもこのようなポスターを社内に掲げることで、組織内に安全に対する心構えを浸透させることができます。
地域でどのような標識がよく使われているかは、勤務先の場所や業種によって異なります。米国労働省(DOL)から提供されているelaws の法令データである FirstStep Poster Advisorを利用して、各地域における企業の業種や規模によって義務付けられている事項を確認する必要があります。
地域に関係なく共通して利用されている標識には次のようなものがあります。
「職場の安全衛生は法律によって義務付けられています」というOSHAのポスター 労働安全衛生庁(OSHA)で承認された州計画を整備している州では、「職場の安全衛生は法律によって義務付けられています」のポスターの使用が義務となっています。この職場の安全衛生ポスターは無料でダウンロードでき、以下に見られるように労働者の権利を網羅しています。
雇用主はポスターをダウンロードして印刷するか、OSHAに紙のポスターを依頼することができます。保管のため、ポスターの原本のPDFコピーをとっておきましょう。
PowerPointのプレゼンテーションなど、別の形式でポスターを必要とする場合は、PDFを別のファイル形式に変換できます。ポスターを窓に貼りたい場合は、反転や回転が可能なラップフィルムに作り変えることも可能です。PDF回転ツールを使用し、それをPDFからJPGへと変換するか、または印刷に適した別の形式に変換します。
このポスターをどのような形で使うかが決まれば、全ての従業員が見ることのできる目立つ場所に掲示します。休憩室や共用エリアに貼ると効果的です。ただし、リモートで働く従業員のために電子版も作っておきましょう。このような重要なファイルをJPG としてだけ保存している場合は、改変されるのを防ぐため、オンラインで共有する前に必ずJPG からPDFに変換しておきます。
公正労働基準法(FLSA)の最低賃金ポスター 従業員が勤務する州の最低賃金を理解しておくことは大切なことです。DOLには職場に掲示できる最低賃金のファクトシートが用意されています。このファクトシートには、FLSAが義務付けている規定で、従業員が最新の最低賃金額を知る権利があるという法律が記載されています。OSHA のポスターとは異なり、更新版が発行されると取り替えなくてはなりません。法律の規定について説明し、最低賃金額が大きく表示されています。
最低賃金の特別規定に該当する労働者がいる場合は、障害のある労働者の権利および特別最低賃金のポスターも表示しなくてはなりません。ポスターは大・小、カラー・白黒のバージョンがあり、DOL のWebサイトからダウンロードできます。ファイルはすべてPDFなので、必要に応じて変換できます。
従業員ポリグラフ保護法(EPPA)ポスター EPPAは採用で多くの民間組織が嘘発見器を使うのを禁じており、EPPAポスターはこのルールを謳っています。すべての従業員から見える場所に表示するだけでなく、すべての就労応募者や採用候補者からも簡単にアクセスできるようにしておかなければなりません。
軍人雇用・再雇用権法(USERRA) ポスター 退役軍人が就労する、あるいは再就労する場合にのみに適用される軍人雇用・再雇用権法のポスターには、退役軍人の従業員が有する次の権利が記載されています:
関連する従業員に配布できるよう、電子版がPDF形式で用意されています。
家族医療休暇法(FMLA)のポスター FMLA のポスターは、対象となるすべての雇用主に掲示の義務が課せられており、次のような状況の場合、従業員が受ける資格のある休暇について表示しています。
ポスターには取得資格や対象期間など、休暇取得に関する具体的な条件が詳細に記されています。このポスターは、ダウンロード可能なPDFとして入手し、全従業員から見える場所に表示します。
勤務地や業界によって、次のような情報の表示が義務付けられることもあります:
これらの文書は州のDOL のWebサイトで入手できます。居住地域で義務付けられていた(場所によってはまだ継続中の)新型コロナウイルスに関する規定を掲載する掲示物のように、状況に応じて表示が義務付けされていることにも注意しておきましょう。会社の人事部門は、このようなコンプライアンスに関する最新情報を随時入手できるよう、手続きをした方がよいでしょう。
独自のポスターを作成して掲示してもよいでしょう。この独自のポスターには、従業員の士気を高めるポスターや、社内規程、時間ごとの就労スケジュールなども含まれます。
安全衛生のポスターは、人が見て、読んで初めて役に立つもので、法律で義務付けられているポスターならなおさらそうです。
ポスターは、すべての従業員が見えるように配慮しましょう。ポスターの適切な掲示場所として考えられるのは以下の通りです。
一般の従業員が毎日ポスターを目にしていれば、その場所は格好な掲示場所と言えるでしょう。ポスターを見るために誰かに頼む必要があるような場所の場合は、掲示場所を変えましょう。また、従業員がポスターのコピーを常時取得できるよう、ポスターのバックアップをとっておきます。
ポスターが目立つ場所に貼られていても、読みづらいポスターは役に立ちません。他言語への翻訳、点字版、文字読み上げなどの対策もとっておきましょう。
読みやすさは文章表現にも当てはまります。DOLが作成したポスターには、明確にする必要性がある紛らわしい用語が記載されているかもしれません。 PDF をWord に変換してコピーを作成するのが、重要ポイントを失うことなく、紛らわしい表現を編集するのに最も簡単な方法です。雇用主はPDFの特定の部分を明確にするためにコメントを追加することもできます。いずれの場合も、テキストと画像のレンダリングはできる限り最高品質のPDF が必要になります。
リモートワークの環境ではとくに、オンラインによる情報が最も用途が広くアクセスしやすいです。新入社員への歓迎メールや従業員向けの文書ポータルはこれらのポスターを共有したり、変更が生じた場合に全従業員に対してアップデートを行ったりするのに最適な方法です。
最後に、掲示されたポスターの内容についてディスカッションを行うために、個別あるいはグループでの会議を提案します。従業員の中には具体的な説明を求めるのを躊躇う人もいます。共通の理解に立つには、明確な説明を積極的に行った方がよいでしょう。
従業員に情報を提供する優れた方法とは、簡単にアクセスでき、重要な情報を更新、共有できることです。この方法により、従業員は安心感やサポート感を得ることができ、同時に企業はHR 関連のコンプライアンスが効果的かつ効率的に遵守された状態を保つことができます。
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