HDR(ハイダイナミックレンジ)カメラ設定について
ハイダイナミックレンジへの理解を深め、このカメラ設定が最適な撮影場面について学びましょう。
HDRは写真のテクニックの1つで、上手く使えば写真の明るいところと暗いところの両方のディテールをより細かく表現し、見応えのある作品を生み出せます。HDR設定とは何か、そしてどんな場面で使えばよいかを詳しく学びましょう。
HDR写真とは何か
HDRとは、ハイダイナミックレンジ(high dynamic range)の略称です。ダイナミックレンジは、写真の中の明るい色調から暗い色調までの範囲を意味します。人間の目はダイナミックレンジがとても広いので、影の中やハイライトの部分も細かく見ることができます。カメラのダイナミックレンジは人より少し狭いので、同じだけのディテールを捉えるのは難しいことがあります。
過去のHDRと現在のHDR
HDRという用語は、初めて登場した頃は「ブラケット撮影」と呼ばれるテクニックを指していました。このテクニックは、同じ場面の写真を3回撮影することで広いダイナミックレンジを実現するものです。最も一般的な設定で1回撮影し、さらに露出オーバーと露出アンダーでそれぞれ1回ずつ撮影します。その後、編集ソフトで3枚の画像を合成して、最も明るいハイライト部分から最も暗い影の部分までのディテールを維持した写真を作り出します。
最近のデジタルカメラの進化によってHDR設定搭載のカメラが増えたので、現在ではHDRの意味は昔とは少し異なっています。つまり、カメラは3枚の写真を撮りますが、その3枚を自動的に合成して結果だけが表示されるので、撮る人の手間が省けるのです。
HDRに適した撮影場面
通例として、HDRカメラ設定は写真の光のバランスを取るのが難しい場合に便利です。風景写真を撮るときにHDRを使うと、太陽光が当たっている場所と影が落ちている場所の両方のディテールを写し出すのに役立ちます。
スポーツ写真など、動きを捉えたい場合にはHDRは使わないほうがよいでしょう。写真の中に明るすぎる部分や暗すぎる部分が生じるおそれがあります。写真のスキルを磨くのに役立つ、写真撮影のヒントをさらに探してみましょう。
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