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知れば写真が上手くなる!基本・応用の構図15選と構図を使いこなすコツ

知れば写真が上手くなる!基本・応用の構図15選と構図を使いこなすコツ
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「きれいだな」「残しておきたいな」と思った風景を、そのまま切り取って残せる写真。

たくさん写真を撮っていると、あるときふと、どれも同じような写真に見えたり、思い通りのイメージで撮れないと感じたりすることがあります。

そんなときは、まず「構図」を見直してみましょう。

同じ写真でも構図を変えるだけで、写真の雰囲気や印象は大きく変わります。

構図を意識して写真を撮ることで、その写真の中で特に目立たせたい要素が際立ち、作品を通して伝えたいメッセージがより伝わりやすくなるからです。

さらに、構図をたくさん知っておくと、写真撮影の引き出しが増え、目の前の被写体や風景の魅力を引き出しやすくなります。

この記事では、よく使われる構図から応用編まで、15種類の構図を紹介します。

この記事の内容を参考に、表現の幅を広げ、もっと写真撮影を楽しんでくださいね。

まず押さえておきたい10の基本構図

まずは、基本的な構図を10種類紹介します。

いずれも、プロの写真家もよく使うものばかり。

基本の構図を押さえておくだけで、素人感が出ず、伝えたいメッセージが伝わりやすく、印象に残る写真を撮れるようになります。

それぞれの構図の特徴や効果を確認し、被写体や撮りたい写真のイメージに合わせて構図を使い分けてみましょう。

1.三分割構図

補助線付きの「三分割構図」の例

●「三分割構図」は、こんな構図

基本中の基本とされる構図です。

画面を縦横に三分割し、その線が交わる箇所に被写体を配置するよう意識して撮影しましょう。

水平線や建物の壁のように、画面上に目立つ線がある場合は、三分割の線と重ねて配置することで、さらに安定感が増します。


●「三分割構図」の効果

バランスがよく、見ていて安心感のある写真に仕上がります。

被写体を画面の中心からズラして配置することで生まれる余白が、写真に広がりを与え、ストーリー性を高めてくれます。

「三分割構図」の例

2.日の丸構図

補助線付きの「日の丸構図」の例

●「日の丸構図」は、こんな構図

被写体を画面の中央に配置するシンプルな構図です。

シンプルなぶん、場合によっては、味気ない印象の写真になる場合があります。

主役を特に目立たせたい場合に使うとよいでしょう。



●「日の丸構図」の効果

主役がわかりやすく、見てほしいものに視線が集まりやすくなります。

「日の丸構図」の例

3.アルファベット構図(C・S)

補助線付きの「アルファベット構図(C)」の例

補助線付きの「アルファベット構図(S)」の例

●「アルファベット構図」は、こんな構図

被写体を使って、アルファベットの「C」や「S」の形を表現します。

テーブルの上に置かれた丸いお皿や、曲がりくねった道など、曲線を活かした写真を撮りたいときにぴったりの構図です。



●「アルファベット構図」の効果

画面内に緩やかなカーブを映すことで動きを感じさせ、遠近感や滑らかさを表現できます。

4.対角線構図

補助線付きの「対角線構図」の例

●「対角線構図」は、こんな構図

画面上に対角線をイメージし、その上に被写体を配置する構図です。

広角レンズを使って奥行きのある写真を撮りたい場合にも向いています。



●「対角線構図」の効果

写真に立体感や奥行きを出したり、被写体の動きを表現したりできます。

同じものが複数並んでいる場合にこの構図を使うと、写真にリズムが生まれます。

「対角線構図」の例

5.トンネル構図

補助線付きの「トンネル構図」の例

●「トンネル構図」はこんな構図

トンネルや洞窟、木の枝のように、アーチ状になったもので主役の被写体を囲むようにして撮影する構図です。

被写体部分をぼかしたり暗くしたりすることで、被写体が注目されやすくなったり、より雰囲気のある写真にしたりできます。



●「トンネル構図」の効果

主役となる被写体に目線が集まり、写真全体に奥行きや立体感が生まれます。

「トンネル構図」の例

6.額縁構図

補助線付きの「額縁構図」の例

●「額縁構図」は、こんな構図

主役となる被写体を、窓枠や壁、植物など視界をさえぎるもので囲むようにして撮影する構図です。

絵画における額縁と同様に、主役を目立たせたり、引き締まった印象にしたりする効果があります。



●「額縁構図」の効果

まるで額縁の中に写真があるような、印象深い写真に仕上げられます。

「額縁構図」の例

7.三角形構図

補助線付きの「三角形構図」の例

●「三角形構図」は、こんな構図

被写体を、三角形状に見えるアングルで撮影します。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や、サンドロ・ボッティチェッリの「ビーナスの誕生」といった有名な絵画にも、この構図が使われています。



●「三角形構図」の効果

奥行きや安定感を表現する効果があります。

「三角形構図」の例

8.二分割構図

補助線付きの「二分割構図」の例

●「二分割構図」は、こんな構図

画面を縦または横に二分割するように、景色や被写体を切り替える構図です。

地平線や水平線の見える広い空間を被写体にする場合に、よく使われます。



●「二分割構図」の効果

安定感や落ち着いた印象、静けさを感じさせる写真にできます。

「二分割構図」の例

9.放射線構図(消失点構図)

補助線付きの「放射線構図(消失点構図)」の例

●「放射線構図(消失点構図)」は、こんな構図

画面上の特定の1点から、放射線状に広がりをもたせる構図です。

この放射線が集まる点のことを「消失点」と呼びます。

遠近感を表現するのに適しており、絵画でもよく使われます。



●「放射線構図(消失点構図)」の効果

奥行きと広がりを感じさせ、躍動感や迫力を表現できます。

「放射線構図(消失点構図)」の例

10.サンドイッチ構図

補助線付きの「サンドイッチ構図」の例

●「サンドイッチ構図」は、こんな構図

壁や木など、視界をさえぎるものを左右に配置し、主役となる被写体を挟むようにして撮影する構図です。

トンネル構図や額縁構図と同じように、主役に自然と目線を集められます。



●「サンドイッチ構図」の効果

主役となる被写体に自然と視線が集まり、主役の印象を際立たせられます。

立体感や遠近感を表現する効果もあります。

「サンドイッチ構図」の例

ここまで、基本的な構図を10種類紹介しました。

普段目にする写真も、この基本構図に沿って撮影されているものがたくさんあるはずです。

使いこなせるようになれば、写真撮影のスキルがグッと上がること間違いなし!

続いては、表現力をより一層高めるために知っておきたい、応用的な構図を5つご紹介します。

表現の幅を広げる5つの応用構図

基本の構図を押さえたうえで、さらに撮影の引き出しを増やすために、応用的な構図も見ていきましょう。

構図が適用されるアングルを探すのが難しかったり、バランスが崩れると成立しなくなってしまったりといった難しさはありますが、使いこなせると表現の幅がグッと広がります。

1.シンメトリー構図

補助線付きの「シンメトリー構図」の例

●「シンメトリー構図」は、こんな構図

画面の中心で上下または左右が対称になるよう、被写体を配置する構図です。

対称のバランスがズレてしまうと不安定な印象になってしまうので、主役となる被写体を中央に配置できるよう、カメラのプレビュー画面に表示されるグリッド線を活用して撮影するとよいでしょう。



●「シンメトリー構図」の効果

対称性がありバランスが取れているので、安定感のある写真に仕上げられます。

2.四分割構図

補助線付きの「四分割構図」の例

●「四分割構図」は、こんな構図

画面を縦横に四分割し、その線の交わる点に被写体を配置します。

「三分割構図」だと被写体が画面の中心に寄りすぎる、といった場合に活用するのも有効です。



●「四分割構図」の効果

主役の周囲にある状況や風景を引き立たせられます。

3.対比構図

補助線付きの「対比構図」の例

●「対比構図」は、こんな構図

ある被写体と対比させるように、他の被写体を配置して撮影する構図です。

風景の雄大さを表現したい場合に、被写体と風景を対比させて撮影することもできます。



●「対比構図」の効果

複数の被写体を対比させることにより、お互いを引き立たせられます。

写真全体のバランスを取る効果もあります。

4.フィボナッチ螺旋構図

補助線付きの「フィボナッチ螺旋構図」の例

●「フィボナッチ螺旋構図」は、こんな構図

フィボナッチ数列にもとづく螺旋(フィボナッチ螺旋)を画面上に想定し、その螺旋の流れに沿って被写体や画像の要素を配置する構図です。

フィボナッチ螺旋は、ひまわりの花や松ぼっくりなど、自然界のいたるところに存在しており、人間が見たときに心地よさを感じる配置だといわれています。



●「フィボナッチ螺旋構図」の効果

写真に自然な美しさとバランスをもたらし、主役となる被写体へ視線を導きます。

特に、自然界に存在する形やパターンを撮影する際に効果的です。

5.黄金分割構図

補助線付きの「黄金分割構図」の例

●「黄金分割構図」は、こんな構図

画面の四隅から画面の対角線に垂線を引いてできる交点に、被写体を配置する構図です。

この構図で撮影すると、被写体は、基本の構図で紹介した「三分割構図」よりも外側、応用的な構図で紹介した「四分割構図」より内側に配置されます。



●「黄金分割構図」の効果

バランスよく安定した印象を与え、整った印象の写真に仕上げられます。

基本・応用と合わせて15種類の構図を紹介しました。

構図を意識することで、洗練されていて、メッセージの伝わる写真を撮りやすくなります。

ぜひ、これらの構図を使いこなせるよう練習を重ねてみてください。

続いては、構図を学んだうえで、実際の写真撮影にどのように活かせばよいのかを解説します。

構図を使って上手な写真を撮るためのポイント

様々な構図を知ったうえで、実際の撮影時に使いこなすために意識しておきたいポイントを3つご紹介します。

  1. メインの被写体(主役)を決める
  2. カメラの背面モニターとグリッド線を活用する
  3. 偏りや余白を活かして、画面全体のバランスを取る

【ポイント1】メインの被写体(主役)を決める

構図は、被写体を際立たせるためのものです。

よって、構図を考えるよりも先に、今から撮ろうとしている写真で最も強調したい要素は何かを決めることが重要です。

メインとなる被写体をどのように際立たせるか、見る人の視線をどのようにして誘導するかを考えるために、どの構図を使うかを検討しましょう。

構図にはそれぞれ違った効果があるので、自分の決めたメインの被写体がより際立つような構図を選びましょう。

【ポイント2】カメラの背面モニターとグリッド線を活用する

写真を撮る際には、カメラのファインダーではなく、背面モニターを使って画面を確認するとよいでしょう。

背面モニターは、大きな画面で被写体の位置や全体のバランスを確認できるため、構図を意識しやすくなるからです。

また、背面モニターに「グリッド線」を表示できるカメラもあります。

グリッド線とは、画面上に表示される格子状の線のことです。

グリッド線を利用することで、構図の調整がさらにカンタンになります。

特に「三分割構図」や「黄金分割構図」といった、画面を分割する線を意識する必要のある構図を使う際に便利です。

そのほかの構図を使う際にも、水平線や建物の外壁をグリッド線と合わせることで、水平や垂直を的確に捉えた写真を撮れます。

【ポイント3】偏りや余白を活かして、画面全体のバランスを取る

バランスを取る方法は、必ずしも画面上の要素を上下・左右に均等に配置するだけではありません。

被写体の周囲に「ネガティブスペース」と呼ばれる空間をもたせることも、画面全体のバランスを整えるための有効な手段です。

余白があるからこそ、主役となる被写体が画面上にバランスよく収まるというケースもあります。

撮影した写真をより魅力的に仕上げられる「Photoshop」

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構図にこだわって撮影した写真をさらに魅力的にするには、画像編集ツール「Adobe Photoshop」の利用がオススメです。

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構図を意識して、あなたにしか撮れない写真を撮ろう

構図を意識することで、単にキレイな写真を撮れるだけでなく、自分の感性や伝えたいメッセージを表現できます。

被写体が同じでも、構図を変えるだけで写真の印象は大きく変わります。

そのとき・その場所にいたあなたならではの視点を、写真に反映させることができます。

自分だけの視点で世界を捉え、写真を通じて表現することで、あなたにしか撮れない写真を撮影しましょう。

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