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「つくりたい気持ちをそのまま形に」Shunさんに聞くIllustratorで始めるZINEづくり

ご自身のキャリアストーリーについて語るShunさん

Shunさんにとって、{{illustrator}}はどのような存在ですか?

IllustratorでオリジナルのZINEを制作している様子

{{illustrator}}は「イメージを自由に、直感的に表現できる道具」ですね。

クライアントワークもZINEもポスターも、ほとんどのグラフィックを{{illustrator}}でつくっていますが、グリッドやルールに縛られることなく、自分の感覚で形や配置を変えていく、その自由度の高さが何よりの魅力だと思います。

全部の機能を覚えているわけではないし、あとから見返してどうつくったのか、わからないことも多々あります。でも、それくらい感覚的に使えることが{{illustrator}}のいいところなんですよね。

お仕事について語るShunさん

いまの活動について教えてください。

本業では、グラフィックデザイナーとしてクライアントワークを担当し、PaRaLELGA(パラレルガ)では、アーティストとして展示活動やオリジナルのZINE、ポスターの販売をしています。

肩書きとしては、グラフィックデザイナー兼アーティスト。でも、自分のことを「アーティスト」と言えるようになったのは、ごく最近のことなんです。デザイナーになって10年の節目にPaRaLELGAを始めたことで、ようやく、「グラフィックを使ったアーティスト」として名乗ってもいいかな、と思えるようになりました。

Webや映像の依頼もいただきますが、僕が担当するのは常にそのグラフィックの部分。コーディングやモーショングラフィック、映像編集等はできる人にお願いして、チームとして請け負うかたちです。グラフィックを軸に表現をしているという点では、クライアントワークもアーティスト活動も、根は同じじゃないかと考えています。

PaRaLELGAの紹介
左:PaRaLELGA(Instagram) 右:PaRaLELGA(ONLINE STORE)

デザイナーを目指したきっかけは?

大学生のとき、自分のバンドのロゴやフライヤーをつくったことが最初のきっかけです。それから先輩や後輩のバンドにも頼まれてデザインをするようになりました。最初からデザイナーを目指していたわけじゃなく、まず音楽があり、グラフィックが必要になったことで、自然とデザインを始めていた、という感じですね。

ただ、当時はデザイナーになりたいとは思っていなくて、あくまで音楽で売れたいという気持ちのほうが強かった。でも、バンドメンバーが就職を選んだことでバンドは解散し、残された僕は、音楽とデザイン、どちらも中途半端な状況になってしまいました。

そんなとき、夢に憧れていたアーティストが出てきたんですね。自分がやっている音楽について熱く語ったけれど、相手は興味なさそうに去ってしまって。「これは音楽をやめろということだな」と思って、翌日には機材すべてを売却し、フリーランスデザイナーとして活動することを決めました。

もちろん、好きだった音楽を諦めるつらさはありましたが、デザインに集中するようになったことで、デザイナーとしても成果が出せるようになったんです。


オーディオにもこだわりを感じさせるShunさんのアトリエ。バンド活動はやめても、音楽は好きなまま

PaRaLELGAでZINEやポスターづくりを始めた経緯を教えてください。

フリーランスデザイナーになってからの10年間、地道にクライアントワーク=「人のためのデザイン」を続けてきましたが、グラフィックのみで自分の表現をつくることはありませんでした。怖かったというか、自分のスキルに自信がなかったんですね。

でも、デザイナーとして10年が経ったとき、これを機に「これまでの経験やスキルを活かした、グラフィックが主役の表現をしてみよう」と思って始めたのがPaRaLELGAです。

Shunさんが手がけた色とりどりのZINE
現在、刊行されているZINE。PaRaLELGAのオンラインショップで購入可能

PaRaLELGAでの活動とクライアントワークの違いは?

クライアントワークと大きく違うのは「課題の有無」だと思います。クライアントワークは「条件があって、その中で最適解を探す」のが仕事。でもPaRaLELGAは逆に「自分で課題を設定する」必要があるんです。たとえば「交通安全というテーマでポスターをつくってみよう」とか「ZINEで星評価の低いレストランをまとめてみよう」とか。正解がない、締切もない、その自由な世界のなかで自分自身がどう答えるか。それを考えるのが難しくもあり、おもしろいところでもあるんです。

クライアントワークには「こうしたいのにできない」というもどかしさがつきものですが、自分でつくるZINEやポスターにはそれがないのもいいところですね。思いついたことをそのまま形にできる。

クライアントワークとZINE、ポスターづくりは、ある意味では両方がバランスを取り合っていて、クライアントワークがあるからPaRaLELGAが楽しいし、PaRaLELGAがあるからクライアントワークにも新しい視点を持ち込める、そんな関係になっています。

Tシャツ、バッグ等を自作する工房スペース
アトリエ内にはTシャツ、バッグ等を自作する工房スペースも

{{illustrator}}との出会いについて教えてください。

{{illustrator}}に初めて触れたのは、フリーランスデザイナーとして活動を始める、少し前だったかな。

バンドのロゴやフライヤーをつくっていた頃は、まだ、{{illustrator}}がパッケージで販売されていた時代で、学生には手が届く金額ではなくて。市販のドローソフトでデザインをしていたのですが、ほどなくしてサブスクリプションの{{creative-cloud}}の提供が開始したんです。「これなら手が届く」と思い、まず{{photoshop}}、そのあと、{{illustrator}}を追加するかたちで使いはじめました。

サブスクの{{creative-cloud}}がなかったら、いまの僕はいない……その意味では「アドビのサブスクが生んだデザイナー」と言っても過言ではないと思っています(笑)。

Illustratorの制作画面

{{illustrator}}を使ううえで苦労した点は?

{{illustrator}}を覚えるのに大きな苦労をしたという感覚はあまりないんです。むしろ最初に使ったドローソフトのほうがずっと大変でしたね。

当時は今のようにチュートリアル動画もなかったので、書籍やブログを読みながら操作を繰り返し、少しずつ{{illustrator}}の使いかたを身につけていきました。ユーザーが多いぶん、ネット上にたくさんの情報があったので、わからないことがあっても調べればたいていのことは解決できた。これは{{illustrator}}や{{photoshop}}ならではのメリットですよね。

美大や専門学校に通っていたわけでもないし、デザイン会社に就職したこともないので、周囲には教えてくれる人も気軽に聞ける人もいませんでしたが、だからこそ「調べて学ぶ」という習慣がついたと思っています。

{{illustrator}}は多機能で奥深いアプリだと思いますが、これから{{illustrator}}を始める人も「ぜんぶ覚えなきゃ」なんて思う必要はまったくありません。ZINEをつくるだけなら、基本操作さえわかれば十分できますし、チュートリアル動画も解説記事も大量にある今のほうが、当時よりずっと{{illustrator}}を始めやすい環境になっていると思います。

{{illustrator}}のいいところは?

「文字の強さを出せること」。

ZINEやポスターで主役になるのが文字だったら、もう、{{illustrator}}一択です。写真の加工や質感表現は{{photoshop}}のほうが向いていますが、文字を活かした表現は、{{illustrator}}が圧倒的に強いと思います。

グラフィックとしての「絵の強さ」を追い求めるとき、写真やイラストで強くする/レイアウトで強くする/文字で強くするというように、いろいろな強さの出しかたがあるんですが、僕はわりと、文字を主役に絵を強くすることが多いんですね。そのとき、{{illustrator}}なら文字を自由にコントロールできる。それが{{illustrator}}の一番の魅力ですね。

印刷物に最適化されているのも大きなメリットです。ZINEは基本的に印刷するものなので、{{illustrator}}でつくっておけば安心です。

ZINE『新生児川柳』 のデザイン
ZINE『新生児川柳』

Illustratorで文字に丸みを加えている画面
{{illustrator}}で川柳の文字すべてに丸みを加えている

ZINEづくりに興味を持っている人、これから{{illustrator}}に使う人たちにアドバイスをお願いします。

ZINEって本当にシンプルでいいんです。A4の紙をコンビニでプリントして折るだけでもZINEになる。その気づきは僕にとっても衝撃でした。

周りの目を気にする必要もないし、トレンドやカルチャーを意識する必要もない。大事なのは「つくりたいからつくる」という気持ちです。

{{illustrator}}も、すべての機能を覚える必要はまったくありません。自分がやりたいことに必要な操作を少しずつ覚えていけば、それだけで立派なZINEがつくれるはず。だから、まず{{illustrator}}を開いて、気楽にやってみるといいんじゃないかな。

これからIllustratorに使う人たちへアドバイスするShunさん
Shun Nanuu
グラフィックデザイナー/アーティスト

graphic solo collective group. パラレル画(ガ)
2024年4月START。超現実主義(シュルレアリスム)を哲学とした「Surreal(シュール)&Cool(クール)」を軸にグラフィックを展開する集団的個人。ポスターを中心にZINE、アパレル、グッズなどを発表している。国内外での出展や展示、東京にて事務所兼ギャラリー「OBA gallery」を運営し、不定期に展示会を開催。

PaRaLELGA(Instagram)|https://www.instagram.com/paralelga
PaRaLELGA(EC)|https://paralelga.official.ec/

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