モンタージュ動画の作り方

自分のストーリーを伝えましょう。モンタージュ動画を使えば、それが素早くできます。いつ、なぜこの映像テクニックを使うべきか、そしてAdobe Premiere Rush による映像の作成方法を学びましょう。

Adobe Premiere Rushを使って携帯電話でモンタージュ動画を編集するイメージと画像コラージュ

画像：セイ・パク

モンタージュ動画とは？

モンタージュ動画は、ストーリーを伝えるために関連性を持たせて構成された一連のショート動画です。ドキュメンタリー映像では、最初にシーンを設定するためにモンタージュを使うことがあり、またドラマでは、さまざまなシーンをモンタージュとして前もって組み込んでおき、サスペンスを盛り上げたりします。また、スポーツ映像では、ハイライトや特定のアスリートを見せるためにもよく使われます。「これは、短い時間に情報や感情の両方を伝えることができるように、意図的に順番を構成した動画クリップと音声です」と語るのはビデオエディターでユーチューバーのセイ・パクさんです。

モンタージュを使うとき

モンタージュはショート動画に、数多くの情報を盛り込む良いツールです。写真のモンタージュやスライドーショーを使って、最近の旅行について人々に語るのと同じように、モンタージュ動画はその生の体験を伝えます。モンタージュの用途は無限ですが、ここに人気のある参考例をいくつか紹介します。

動画撮影：セイ・パク

時間の経過を見せる

モンタージュは、ストーリーの大まかな進行を視聴者に見せるには良い方法です。途中飛ばして前に進んだり、それぞれのシーンをゆっくりと見せたりする必要がありません。モンタージュを使えば、全体の時間の経過を短時間で見せることができます。このテクニックは多くの有名な映画の中でもよく使われていますが、これを使って、例えば子供が成長するにつれ、体格がどのように変化していったかなどのストーリーを伝えることができます。

シーンを設定する

映画では、場所の設定や日を変える場合、視聴者を次のシーンへ誘導しなければなりません。そうしないと観客は前後関係が分からなく混乱してしまいます。それを解決する方法の1つがモンタージュです。都市景観の動画クリップや、春の草花が花開く様子などで、通常のトランジションの方法よりさらに視聴者を映像の世界に引き込ませる最適な方法です。モンタージュはまたYouTube 動画のイントロにも最適です。

特別な出来事を再現

モンタージュは旅行の動画、ウェディングや特別な出来事の思い出を保存したり、後で人に見せたりするときにも最適です。モンタージュであれば、1日の出来事、旅行、イベントなどのストーリーをごく自然に見せることができます。

商品を宣伝する

マーケティング用にモンタージュを効果的に使うのであれば、視聴者の悩みに焦点を当て、それを解消するような商品、サービスを紹介します。「最初に消費者の悩みを取り上げて、最後にそれを解決してあげるのです。モンタージュでは、商品やサービスの良い面をアピールして、なぜこれを購入すべきか、またはこのサービスを頼むべきかを伝えます」とパクさんは言います。

モンタージュ動画の最良方法

最初のフレームで惹きつける

動画のエスタブリッシングショット（つまり最初のフレームです）で、モンタージュ全体のシーン、雰囲気、フィーリングを設定します。良書が読者を段々引きき込んでいくように、モンタージュも視聴者が見続けたいと思うようなシーンから始めます。

最初の数秒間が肝心

「21世紀の現在、人が注意力を維持できる時間は金魚より短く、なんと9秒なんです。だから、視聴者をなるべくしっかりと、しかも早く動画に引き込ませることが重要なんです」とパクさんは言います。重要なシーンを後に持ってくる必要はありません。最初から強烈な印象の映像で視聴者を引き込ませることができれば、視聴者の関心を最後まで引きつけておける確率は高くなります。

画像：セイ・パク

バラエティに富んだ映像

広角の映像から縮まった映像に移行したり、人と物のバランスを取ったり、動画クリップのスピードを加減したりするなどペースを色々変えてみましょう。動画クリップが人の目を左から右へ動かすのであれば、それを切り替えて目を反対方向へも向くようにします。映像のタイプがバラエティに富んでいるほど、視聴者をストーリーに引きつけることができます。

モンタージュをプラットフォームに合わせる

動画の長さやフォーマットは、モンタージュをどのプラットフォームにアップロードするかで決まります。動画を配信したいプラットフォームに合わせ、最適な状態になるように作成しましょう。例えば、Instagram Reel の場合は縦長の縦横比が向いていて、YouTube チャンネルの場合は横長が最適です。

ムードに合う音声を選ぶ

視聴者が動画をどのように反応するかは音楽に大きくかかっています。動画のムードやストーリーを引き立てるような音楽を使う必要があります。視聴者の動画視聴を妨げるのではなく、視聴をさらに楽しくするような音楽を選択します。ストーリーのある部分を強調したい場合は、音楽のビートまたはサビの部分を動画クリップと同期させます。

印象の強いモンタージュを作成するための手順

動画を全て撮影できましたら、後はそれを思い通りに編集していきます。「最初は、動画を系統的に撮影するリズムを身に付けます。そして、後から創造性豊富な作品にすれば良いのです」とパクさんは言います。編集を始めたばかりの頃は、ディテールと創造性にこだわるものですが、まず、基本に忠実になって、創造性は後から考えていきましょう。以下はモンタージュ動画作成のガイドです。

メディアファイル用フォルダを作成する

能率的なワークスペースは、きちんと整理されています。数多くの動画クリップを編集する時には、なおさら整理整頓が重要です。例えば、サウンドエフェクト、声、バックグラウンドの音楽を入れた音声ファイルのフォルダなどをファイルのタイプにして整理することができます。b ロールのクリップを別のフォルダに入れられるよう、2つのフォルダを作ることをパクさんは勧めています。1つはクライマックスの瞬間、もう1つは他の部分の映像用です。

対象と目的を明確にする

作業を始める前に、視聴者は誰なのか、なぜこの動画を見たいのかを明確に認識する必要があります。編集時に選ぶ動画クリップはどれも、その動画を作る目的に沿っていなければなりません。

動画を絵コンテにする

絵コンテは動画の流れをスケッチで示します。絵コンテは、フレームごとのスケッチや、ストーリーの進行の説明や、その他さまざまな形で表現されます。「人の注意を引きつける最初の部分はとても重要です。また、最後の部分も、それまでのアクションとメッセージの結果があるわけですからこれも重要です。そのため、私は最初にそうした部分を作成し、その間の部分は後でやります」とパクさんは言います。

絵コンテは、ストーリーを展開し、動画クリップの順番を確認する段階でもあります。絵コンテは最も重要な手順の1つです。注意深い作業が必要です。「もし動画がストーリーの目的を伝えなかったり、人の注意を引かなければ役に立ちません。逆にそれさえできれば、どのような種類のモンタージュでも、最高の動画ができます」とパクさんは言います。