Lenovoが明かす

アドビ製品を利用したeコマース

1,100万ドル

費用の削減

+53%

コンテンツ量の増加

+12.5%

クリックスルー率の増加

「アドビは、オンラインのカスタマージャーニーを管理するための、最も包括的なエンドツーエンドのソリューションを提供しています」

 

Ajit Sivadasan氏
グローバルeコマースおよびデジタルマーケティング&プラットフォーム担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー

顧客を第一に

 

Ajit Sivadasan氏は、2006年の春にLenovoに入社しました。当時、この中国のテクノロジー企業は世界市場への進出に精力的に取り組んでいました。LenovoがIBMのPC部門をその象徴たるThinkPadノートパソコンごと12.5億ドルで買収し、一夜にして世界第3位のPCメーカーになって間もない時期です。しかし、デジタルディスラプターでありeコマースのパイオニアでもあるSivadasan氏は、この会社が抱える大きな問題を把握していました。彼はその頃を「eコマースに取り組むと言っても、Lenovoにはその実績がありませんでした。私はオンラインビジネスを構築するために、この会社に来たのです」と振り返ります。

当時、同社は5ヶ国でのみPCをオンラインで販売していました。「その当時の当社は、eコマースに力を入れておらず、積極的ではありませんでした。正直に言って、変更管理の大規模実習のようなものでした」と同氏は語っています。インド生まれで米国に拠点を置く同氏は、Amos Tverskyなどの心理学者の研究を好む思索家です。意思決定の科学に興味を持ち、「どのようにして全方位から包括的に顧客を理解するか」や「マーケティング、需要創出、営業のクロージングのいずれにおいても、決定に影響を及ぼすには、つまり、ほぼリアルタイムで顧客の要望に応えるにはどうすればよいか」といったといったことを自問しています。

社内の関係者たちに時間をかけてデジタルの威力を説いた後、同氏は世界トップ10の市場でeコマース事業を開始する取り組みに注力しました。国民一人あたりの所得、人口、インターネット普及率の点から各国を分析し、それが済めば「さらにその次の10ヶ国を調査しました」と同氏は述べています。

その後すぐ、同氏はLenovoの大変革に最前線で取り組むことになりました。わずか10年で、同社は普通のPCメーカーから、消費者、商用、データセンター向けの革新的なテクノロジーを提供するグローバルリーダーへと変貌を遂げました。現在では、50,000人を超える従業員を抱え、180の市場で事業を展開し、PCやタブレット、スマートフォン、ワークステーション、サーバー、IT管理ソフトウェア、スマートテレビの設計、開発、製造、販売を手掛けています。この記事をここまで読む間に、Lenovoは720台のデバイスを販売しています。1秒につき4台の売れ行きで、年間の売上高はなんと500億ドルにも達します。それでも同社のデジタル変革は、終わることなく継続しています。

eコマースとデジタル戦略を指揮するリーダーとして、同氏はデジタルによる販売を3年で2倍にするという大きな目標に取り組んでいます。3年でデジタル収益を倍増させるというのです。この取り組みは、同氏の「どのようにして顧客を中心にカスタマージャーニーを構築するかという重要な問いを軸として進められています。その答えは、新しいテクノロジースタックと企業文化の変革でした。


Lenovoの急速な発展


1984年、Liu Chuanzhi氏と10人のコンピューター技術者によって設立された同社は、わずか28,000ドルの資金で北京の小さなオフィスを拠点に事業を開始しました。1980年代の中頃に社名をLegendとし、中国市場向けにIBM互換機を販売し、1994年には中国最大のPCメーカーとなりました。2003年に社名をLenovoに変更した後、2005年にIBMのPC事業を買収し、さらにその約10年後にIBMからx86サーバー事業を、GoogleからMotorolaをそれぞれ買収しました。企業合併時には、それぞれのまったく異なるカスタマージャーニーをどうやって統合するかという課題に直面しました。

Lenovoでは、適切なトラフィック、コンバージョン、売上を促進するために、顧客を第一に考えること、カスタマージャーニーをパーソナライズすること、チャネルをまたいだ広告費用を最適化することが必要でした。同社が「オーディエンスの自動化」と呼ぶこの取り組みでは、顧客のニーズを高い精度で予測するために、コンテクストに即した会話が作成されます。また、過去のマーケティングで得られたデータを使用し、将来のキャンペーンについて、データ主導型の効果的な意思決定をおこなうことも非常に重要でした。それほどの大規模なパーソナライゼーションは容易なことではありませんが、これにより同社では、最大で7,000万ドルの売上増を見込んでいました。

「組織が大きければ大きいほど、一貫性のあるエクスペリエンスを提供することが難しくなる」とは、Deloitteのグローバル広告兼マーケティング&コマース担当責任者を務めるBarbara Venneman氏の言葉です。

Sivadasan氏はDeloitteでコンサルタントを務めていた経歴があり、Deloitteはアドビプラチナパートナーとして、アドビと協力してLenovoのデジタル変革を確実に進めることに尽力しました。


Lenovoは以下のアドビ製品を使用しています。

Adobe Experience Manager


企業レベルのCMSを備えた、デジタルアセット管理ソリューション

Adobe Analytics



オンラインとオフライン両方の行動を分析して、カスタマージャーニーの全体像を把握

Adobe Audience Manager



データ管理プラットフォーム、オーディエンスセグメンテーション、オーディエンスインサイト、リアルタイムアクション


あるチームの取り組み


2019年1月のCESでおこなわれた会合の後、アドビのデジタル戦略グループはLenovoの主要な関係者とともに100時間以上を費やし、同社が20億ドルの売上を達成するために必要なビジネス目標を設定しました。Lenovoプロジェクトに携わるアドビのグローバルアカウントディレクター、Jason van Namenは「一連のアドビデーやワークショップ、ITアーキテクチャ関係のセッションは、Adobe Experience Managerで同社向けに調整しました」と振り返り、「同社は、世界中の既存のソリューションを置き換えることで、B2Bエンゲージメントとキャンペーンを強化することができると認識していました」と語ります。この施策は、ワークフローを効率化して1,100万ドルの節約につながると見込まれていました。

現在、同社はAdobe Experience Cloud製品スイートを包括的に活用し、カスタマージャーニーの変革や顧客データの獲得をおこない、Adobe Advertising CloudAdobe Audience Managerを使用して的確なマーケティングメッセージを提供しています。Sivadasan氏は、アドビの製品が「おそらく、オンラインのカスタマージャーニーをエンドツーエンドで管理する最も包括的な製品」であるため、この判断が容易であったと述べています。


「この5、6年で、弊社はアドビ製品を中心としたシステムへの移行を進めてきました。その理由は明確で、顧客に関するデータをアドビの製品を通じて取得しているからです」

Ajit Sivadasan氏
Lenovo、グローバルオンラインセールス&マーケティング責任者



さらに同氏は「この5、6年で、当社は意識的にアドビ製品を中心としたシステムへの移行を進めてきました。その理由は明確で、顧客に関するデータをアドビの製品を通じて取得しているからです。Adobe Targetは実験的に試行錯誤する際に欠かせませんし、Adobe Audience Managerを使用して、オーディエンスをより詳細に把握し、カスタマージャーニーに対する理解を深めています。さらに、特定のグループに対する価値のある提案を作成し、適切な方法でターゲットして優れたエクスペリエンスを提供する方法を探しています」と述べています。

同社ではAdobe Senseiを活用して、特定のCPUの価格が様々な市場でどのように影響するかを理解し、その結果をもとに人工知能に最適な価格を探らせています。「分析ソリューションのプロバイダーとして、Adobe Senseiは顧客にとって本当に重要なものを把握する際の起点になります」とSivadasan氏は述べています。


顧客から学ぶ


セグメンテーションの効果を実証するために、アドビのチームは2種類のオーディエンスに適したカスタマージャーニーの概略を示しました。ひとつは25~35歳のコンピューターゲームプレイヤーで、もうひとつは中小企業のITプロフェッショナルです。アドビチームは、Adobe Audience Managerを使用すれば、Lenovoが容易に顧客のセグメンテーションを実施し、パーソナライズしたメッセージを配信できることを説明しました。Sivadasan氏は「これらのセグメントが市場に参入する能力をテストするのに最適な方法であることが明らかになりました。ゲームプレイヤーの行動が、他の顧客とは異なっていたのです」と振り返ります。

さらに同氏は「4年前、私たちはゲームプレイヤーを招き、市販ゲームの開発に関して意見を出してもらったことがあります。彼らは、当社の知らなかった多くのことを教えてくれました。特に印象的だったのは、ゲームプレイヤーは開発プロセスへの関与を強く望んでいることでした製品を購入するだけではなく、意見を出したいのです。彼らが関与すればするほど、ブランドに対するロイヤルティが高まります。そのため、より包括的に深く関与できる、協調的なビジネスモデルに転換しました」と説明します。同社では、データ主導型のインサイトをもとにビデオゲーム製品にターゲットを定めた結果、300%の成長率を経験することになりました。





「Adobe Experience Managerを使用すれば、これらをシームレスにつなぎ合わせることが可能で、特に重要なことは、当社の分析製品に接続できるために、ほぼリアルタイムで効果を確認できるようになったことです。アドビ製品の使用を始めた当初は、データ分析とインサイトを多く利用していましたが、今ではより深く、より多くのスタッフが必要な情報をアドビ製品から入手して、顧客体験の要になるエクスペリエンスを形成するようになっています。受動的な利用から、はるかに能動的な利用へと変わったというわけです」とSivadasan氏は語っています。

アドビのvan Namenは、目下の膨大なタスクを念頭に「デジタル変革はどのような規模においても困難を伴いますが、世界規模の変革を多言語で、32や34ヶ国で実施するとなると、Lenovoが達成しようしていることはまさしく大事業で、しかもスピードも求められます」と説明します。

最近、Sivadasan氏は、Digital Bulletin誌に対し「私がアドビを好むのは、アドビの製品や基盤が自分の役に立つからです。最終的に目指していることは、アドビ製品を使用してカスタマージャーニーの点と点を結び、課題を解決する方法を見つけることです」と語っています。その結果、生み出されるものは、単一の包括的なブランド像です。

単なるPCメーカーから脱却


2019年9月、Lenovoは何百万ドルもの予算を投じて「Smarter Technology for All」というキャンペーンを開始し、よりスマートなテクノロジーの開発にとどまらず、誰もがアクセスして利用でき、あらゆる人々に価値をもたらす戦略の実現に取り組んでいます。Lenovoのブランドコンテンツプロデューサー、Ernie Navarro氏は「自社のミッションとブランド価値を紹介するビデオの編集に、Adobe Premiere ProAfter Effectsを使用しています。当社は、デスクトップPCとノートPCだけを製造しているテクノロジー企業ではありません。現実世界の生活にかかわる健康や環境の問題、宇宙技術などを取り扱う企業向けのスマート製品やソリューションを開発しています」と述べています。

Lenovoのクリエイティブチームは、Adobe Creative Cloudを使用して、キャンペーンの世界展開に用いられるビデオの制作と優れたツールキットの設計に取り組んできました。「私の制作物の大半はIllustratorPhotoshopで作成しました。InDesignを使う機会はこのところ減っていますが、それでも欠かすことはできません」と語るのは、クリエイティブデザイナーのMelissa Herboth氏です。「それらの製品は本当にシームレスです。直観的に操作できて、一度どれかのインターフェイスを理解したら、他の製品も使えるようになります」  と話す同氏は、ガイダンス文書とツールキットの作成を支援し、それらを「実際に試す」ように指示して、様々なグローバルチームに提供しています。

世の中を変える


現在、Lenovoのあらゆる社員のバッチには、どの従業員のバッジにも「私たちはお客様中心であらゆる業務をおこないます」と書かれています。  この変化は、運営から戦略に関心を移したSivadasan氏にも影響を与えています。ノースカロライナにある同社のモリスビルオフィスでは3,000人の従業員が働いていますが、同氏もその1人として週に3日出勤しています。「月曜は考える時間をとり、戦略を立て、書類を読み、執筆をします。金曜は面会日で、私と何か話したい人がいればいつでも応じられるように空けてある」と語ります。

Jason van Namenは、Sivadasan氏とアドビの間に見られる親密な関係について「Sivadasan⽒は葉巻の愛好家で、ゴルフも好みます。そうした話題が解放的な会話の糸口になるのです」と笑みを浮かべます。また、祝杯を挙げるべき効果も数多く成し遂げられていて、van Namenによると「Lenovoとグローバルeコマースチームは、3年で収益倍増という目標を確実に突破できそう」だと語ります。

ここまでの進展が慌ただしかったことは、Sivadasan氏も認めています。同氏は「自分の事業を展開する起業家のような気持ちでした。1億5,000万ドルで始めたビジネスが、今ではほぼ30億ドルになっているのです。仕事を進めることに途方もない権限が与えられていて、人生で他に何か望むことがあるでしょうか」と述べています。

Sivadasan氏は、自らの使命を全うするために、同社の利益だけではなく、テクノロジーで人類に貢献したいと考えています。「私たちが手掛けているたくさんの仕事を見れば、ユタ州の病院と共同で進めている癌研究にせよ、バルセロナにおけるゲノム研究に対する支援にせよ、テクノロジーを利用して人類最大の課題を解決する試みであることがわかるでしょう」という発言は、その考えを表しています。



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