目次
作成日
31 August 2011
このマスターシリーズでは、コーディング環境の強化、Creative Suiteシリーズの連携など、Flash Builder 4.5の新機能について解説します。
本記事では、Creative Suiteシリーズに同梱されているFlash CatalystやFlash Professionalとの連携について解説します。
Flash Builder 4.5には、Flash Catalystと連携するための機能が追加されました。この機能を使うことで相互編集ができるようになり、Flash Catalystで容易にレイアウトやスキンを修正するこができるようになります。
- Flash Catalyst互換プロジェクト
- Flash Catalystプロジェクトの読み込み/書き出し
- Flash Catalyst互換Flexライブラリ
また、Flash Catalyst互換プロジェクトでは、さらに以下の連携機能を利用することができます。
- Flash Catalyst互換検証
- Flash Catalyst相互編集
さらに、Flash Builderの[プロジェクト]メニューには、Flash Catalystと連携するための[Flash Catalyst]サブメニューが追加されました。

Flash Builder 4.5とFlash Catalyst 5.5との間で相互編集を行うには、プロジェクトを「Flash Catalyst互換プロジェクト」として作成する必要があります。Flash Catalyst互換プロジェクトを作成するには、メニューから[ファイル]→[新規]→[Flash Catalyst 互換プロジェクト]を選択します。

選択すると[新規Flash Catalyst互換Flexプロジェクト]ウィザードが開くので、プロジェクト名を入力します。

作成されたプロジェクトは、Flash Catalystプロジェクトと互換性のあるフォルダー構成になっています。assetsフォルダー配下には画像や音源などの素材を置き、componentsフォルダー配下にはコンポーネントやスキンクラスを置きます。

また、プロジェクトのライブラリパスを見ると、Flash Catalystとの互換性を保つために必要な初期設定になっています。コンポーネントセットは[Sparkのみ]で、ビルドパスライブラリは必要最低限のSWCのみです。

Flash Catalystプロジェクトの読み込み
メニューから[プロジェクト]→[Flash Catalyst]→[Flash Catalystプロジェクトを読み込み]を選択すると、Flash Catalystで作成したFXPファイルを読み込むための[Flash Catalystプロジェクトを読み込み]ウィザードが開きます。[参照]ボタンを押して読み込むFXPファイルを選択し、[メソッドを読み込み]でどのように読み込むかを選択します。

Flash Catalystプロジェクトの書き出し
メニューから[プロジェクト]→[Flash Catalyst]→[Flash Catalystプロジェクトを書き出し]を選択すると、Flash Catalystで編集可能なFXPファイルを書き出すための[Flash Catalystプロジェクトを書き出し]ウィザードが開きます。書き出し対象のプロジェクトを選択し、FXPファイルの書き出し場所を[参照]ボタンで押して選択します。また、書き出す際にプロジェクトのコンパイルと互換性の検証を行うことができます。

Flash Catalyst互換プロジェクトでは、通常のFlexプロジェクトと同じようにコンポーネントやスキンを作成することができます。それらを作成した際には、Flash Catalystとの互換性が損なわれていないか検証するようにしましょう。互換性が損なわれると相互編集することができなくなります。
互換検証を行うための機能は、Flash Catalyst互換プロジェクトを選択した状態で、メニューの[プロジェクト]→[Flash Catalyst]から該当する項目を選びます。

互換チェッカーを実行
選択しているFlash Catalyst互換プロジェクトにおけるFlash Catalystとの互換性について検証を実行します。


また、[問題]ビューの[タイプ]列に互換性への影響内容が表示されます。Flash Catalystでプロジェクトを開けなくなる問題は「警告」として表示されます。深刻度の低い問題は「情報」として表示されます。下表は主なエラー項目です。詳しくは、「Guidelines to create a Flash Catalyst compatible project」を参照してください。
非互換のタイプ | 説明 | |
---|---|---|
プロジェクトの非互換 | プロジェクトをFlash Catalystで開けません。 | |
ファイルの非互換 | ファイルをFlash Catalystで編集できません。メインアプリケーション内に互換性のない箇所が1つでも存在すると、プロジェクトの互換性は失われます。 | |
スキナブルコンポーネントの非互換 | Flash Catalystでコンポーネントのスキンを設定できないか、スキンパーツを割り当てることができません。 | |
デザイン用データの非互換 | リストデータは、Flash Catalystで編集できないアプリケーションコードによって制御されています。リストの外観は、Flash Catalystで編集できます。 | |
Flash Catalystとの互換性の警告 | この警告によって、Flash Catalystでプロジェクトが編集できなくなることはありませんが、シームレスな編集を行えない可能性があることを示しています。 |
互換性を自動的に検証
選択しているFlash Catalyst互換プロジェクトにおけるFlash Catalystとの互換性について、ファイル保存する際に自動的に検証を行うようにするための設定です。
Flash Catalyst互換プロジェクトでは、Flash Catalystと相互編集することができます。相互編集を行うための機能は、Flash Catalyst互換プロジェクトを選択した状態で、メニューの[プロジェクト]→[Flash Catalyst]から該当する項目を選びます。


Flash Catalystでプロジェクトを編集
選択しているFlash Catalyst互換プロジェクトをFlash Catalystで開きます。Flash Catalystで開いた編集状態になると、Flash Builder上では編集ロックされた状態になります。編集ロックは、下記の再開かキャンセルのどちらかを選択することで解除することができます。
Flash Catalystでプロジェクトの操作を再開
Flash Catalystで開いているプロジェクトを再度Flash Builder上で編集できるように、編集ロックを解除します。その際に、Flash Catalystで行った編集を適用することができます。
Flash Catalystでのプロジェクトの編集をキャンセル
Flash Catalystで開いているプロジェクトを再度Flash Builder上で編集できるように、編集ロックを解除します。その際に、Flash Catalystで行った編集を破棄します。
Flash Catalyst互換Flexライブラリプロジェクトは、FXPLファイルで書き出すとFlash Catalystに読み込むことができます。それにより、Flexライブラリに含めた自作コンポーネントのスキンを作成することができます。
Flash Catalyst互換Flexライブラリの作成
Flash Catalyst互換Flexライブラリプロジェクトを作成するには、メニューから[ファイル]→[新規]→[Flexライブラリプロジェクト]を選択します。

選択すると[新規Flexライブラリプロジェクト]ウィザードが開きます。ここで[プロジェクトをFlash Catalyst互換にする]にチェックを入れることで、Flash Catalyst互換Flexライブラリプロジェクトを作成することができます。

作成されたプロジェクトは、Flash Catalystプロジェクトと互換性のあるフォルダー構成になっています。

また、プロジェクトのライブラリパスを見ると、Flash Catalystとの互換性を保つために必要な初期設定になっています。コンポーネントセットは[Sparkのみ]で、ビルドパスライブラリは必要最低限のSWCのみです。

Flash Catalyst互換Flexライブラリの書き出し
Flexライブラリプロジェクトを選択して、右クリックのコンテキストメニューの[エクスポート]を選択し、[書き出し]ウィザードを開きます。[エクスポート先の選択]ツリーで[Flash Builder]→[Flash Builderプロジェクト]を選択して、[次へ]ボタンを押します。

[Flash Builderプロジェクトを書き出し]ページでは、書き出し対象のプロジェクトを選択します。そして、FXPLファイルの書き出し場所を[参照]ボタンを押して選択します。また、書き出す際にプロジェクトのコンパイルを検証することができます。

Flash Professionalプロジェクトの作成
Flash ProfessionalのソースコードをFlash Builderと連携させて編集するためには、プロジェクトを[Flash Professionalプロジェクト]として作成する必要があります。Flash Builderのメニューから[ファイル]→[新規]→[Flash Professionalプロジェクト]を選択します。

または、Flash Builderのメニューから[プロジェクト]→[Flash Professional]→[FLAまたはXFLファイルを使用してプロジェクトを作成]を選択します。

選択すると[新規Flash Professionalプロジェクト]ウィザードが開くので、プロジェクト名を入力します。

作成されたプロジェクトは、Flash Professionalと連携するためのフォルダー構成になっています。srcフォルダーは、ターゲットファイルの保存フォルダーをリンクする形になります。

Flash Professionalムービー操作機能
Flash Professional のムービー操作機能は、Flash Professionalプロジェクトを選択した状態で、Flash Builderのメニューの[プロジェクト]→[Flash Professional]から実行することができます。これらのムービーに対する機能は、全てFlash Professionalにて実行されます。

今回のチュートリアルでは、Flash CatalystやFlash Professionalとの連携方法について学ぶことができたと思います。 Flash BuilderとFlash Catalystを連携することで、プログラマーとデザイナーの作業を分業することができるようになります。Flash BuilderとFlash Professionalを連携することで、Flashコンテンツ開発を容易にすることができるようになります。
これらの連携を開発ワークフローに取り入れることで、より良い設計や開発効率アップにつながることでしょう。