AIを活用して教室の中でも外でもクリエイティブな思考力を高める方法

アドビ教育

02-21-2025

AIを活用して教室の中でも外でもクリエイティブな思考力を高める方法

長年にわたり、教職員は学生の個別のニーズに合わせて教育をカスタマイズする方法として、パーソナライズされた学習を構想してきました。人工知能(AI)の進歩により、こうしたビジョンが現実のものとなりつつあります。AIは、個人の強み、関心、学習ニーズに合わせた学習体験を提供することで、授業に変革をもたらす可能性を秘めています。

同時に、学生の作品の創造性と真正性を育むことへの注目も高まり続けています。AIは、アイデア創出からプロジェクトの調整まで、制作プロセスをサポートするうえで重要な役割を果たすことができます。制作プロセスをより明確かつ利用しやすくすることで、学生はAIを活用して障壁を乗り越え、独自の視点を表現することができます。このアプローチは、エンゲージメントを促すだけでなく、クリエイティブな思考力と問題解決が不可欠なスキルとなる未来に対する備えとなります。

Brian Johnsrud - アドビ、教育学習および提言部門担当ディレクター

Brian Johnsrud - アドビ、教育学習および提言部門担当ディレクター

最近、EdSurgeではBrian Johnsrudアドビの教育学習および提言部門担当ディレクター)に、AIの力を活用するだけでなく、学生と教職員のクリエイティブな誠実さも維持できる教育ツールの活用について話を聞きました。Brianは、AIにより学生は多様で個別化された方法で理解したことやアイデアを発表できるため、学習をパーソナライズできることを強調しています。標準化された課題からパーソナライズされたプロジェクトにシフトすることにより、学生にとってより魅力的で関連性の高い内容を学習できます。

EdSurge:教職員が学習をパーソナライズするために、AIを安全かつ責任を持って活用するにはどうすればよいでしょうか?

Johnsrud:学習のパーソナライズという理想は何十年も前から存在していました。最初の段階では、適切なコンテンツを適切な学生に適切なタイミングで提供することに重点が置かれていました。現在、AIにより私たちは第2段階に入っており、単にコンテンツをパーソナライズすることではなく、学生が理解したことを伝え知識を共有する方法についてもパーソナライズすることに重点が置かれています。なぜなら、クリエイティブの特徴は独自性だからです。つまり、学生にクリエイティブな思考をしてもらいたいなら、30人の学生がおこなった30の課題は、すべて異なっているはずです。

学校がAIを安全かつ責任を持って導入するために、現在注目している点がいくつかあります。まずは、そのAIツールが教育専用に設計されているかを確認することです。授業での使用を想定して作られていないなら、学習向上を目的としていないかもしれません。教育的要素やアクセシビリティ、必要な教育技術との連携機能が組み込まれていない可能性があります。

「AIツールが教育専用に設計されているかを確認してください。授業での使用を想定して作られていないなら、学習向上を目的としていないかもしれません。教育的要素やアクセシビリティ、必要な教育技術との連携機能が組み込まれていない可能性があります」

Brian Johnsrud

アドビ、教育学習および提言部門担当ディレクター

安全性と責任を考慮した設計には、学生や教師のプロジェクトでモデルをトレーニングしないことも含まれます。教室で教師や学生が制作するクリエイティブ作品は尊重され、保護されるべきだからです。クリエイティブな傑作から恩恵を受けたり、インスピレーションを得たりするツールを使用すると、クリエイティブの本質的価値や学問的誠実性が失われてしまいます。

AIはクリエイティビティを育みながら、学生の作品の真正性をどのように確保するのでしょうか?

AIはクリエイティブプロセスのあらゆる段階をサポートできます。ブレインストーミングで行き詰まった学生には、AIが複数のアイデアを生成して手助けできます。ブレインストーミングは得意でも作品のブラッシュアップにサポートが必要な学生には、思考パートナーとして改善点を指摘できます。これこそがクリエイティビティのために設計されたAIの魅力です。クリエイティブプロセスの段階を明確にし、学生が障害を乗り越えることができるよう支援します。キャンバスになにも描かれていなくても心配する必要はありません。

AIによって、教師がコンテンツクリエイターである状況から、学生がその役割を担う方向へと焦点が移ることを期待しています。私が社会科の教師をしていた頃にヒントを得た例として、ある歴史的時代の継続性と変化についてまとまった文を書いてもらうのではなく、学生が時代を選択して、継続性を示すトピックを選び、その時代の架空のプロパガンダポスターをデザインしてもらいます。このクリエイティブな課題にメリットがあることは、すべての教師にとって明らかです。しかし厳格な基準と詰め込まれたカリキュラムでは、2週間をかけるのは困難です。幸いにもAIがあれば、この課題を授業中の30分で完了できます。

興味深いことに、AI時代の今こそ、私たちはこれまで以上に真正性を求めています。AIツールは、単純な「プロンプトを入力して結果を得る」という従来のアプローチを超えて進化しています。クリエイティブワークフローに組み込まれたことで、最高のアイデアを形にし、より自分らしい表現ができるようになりました。目標は、AIに代わりに作業をしてもらうことではなく、独自性があり有意義なコンテンツを作成し、影響力のあるストーリーテラーになれるよう支援することです。教師として、学生一人ひとりが制作した作品に込められた独自のメッセージを感じとることができる必要があります。

「目標は、AIに代わりに作業をしてもらうことではなく、独自性があり有意義なコンテンツを作成し、影響力のあるストーリーテラーになれるよう支援することです」

Brian Johnsrud

アドビ、教育学習および提言部門担当ディレクター

AIリテラシーと創造的思考により、学生は将来の就職市場の需要に対してどのように準備できますか?

わずか数年で、AIスキルは不可欠なものとなりました。2024 Work Trend Index Reportでは、業界リーダーの66パーセントがAIスキルのない人を雇わないことが判明しました。驚くほどのスピードで採用の条件になっているということです。同じレポートで、71パーセントのリーダーが、AIスキルのない経験豊富な候補者よりも、AIスキルを持つ経験の浅い候補者を採用する可能性が高いと回答しています。学生はAIスキルを身につけることで、経験豊富な専門家と対等に競うことができるのです。

同時に、創造性と創造的思考も高い需要があります。世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023」では、創造的思考を未来の上位スキルとして強調しています。クリエイターエコノミーは急成長しており、2023年だけでアメリカでは20万の新しいクリエイティブ職が誕生しました。AIスキルと創造的な問題解決を組み合わせることができる学生は、非常にすばらしい機会を掴むことができます。

研究により、学生がより多く制作することができるほど、より成長することが示されています。そして、学生はAIによりより多くの制作機会が得られます。2019年のGallupレポートでは、創造性に焦点を当て、変革的な方法で技術を活用する教師は、大きなメリットを得ていることが判明しました。学生の関心が高まり、より優れた批判的思考を示し、より多くを記憶し、科目間のつながりを理解し、より深い学習を達成しています。教師の燃え尽き症候群が増加している時代に、学生が自分の作品に胸を躍らせ、誇りを持つ姿を見ることで、教師は非常にやりがいを感じることができます。

教師が創造的思考を授業に簡単に取り入れるにはどうすればよいでしょうか?

まず、学生が概念を深く理解したり、学習内容を十分に実証する必要があるカリキュラムの領域を特定することから始めます。このような場面では、創造的な活動がメモ取りや選択問題といった従来の手法に代わり、より広範囲で深い学習成果を生み出すことができます。

この記事は、最初にEdSurgeで公開されました。