タグ管理の基本

タグ管理とは何か、どのように機能し、想像以上に重要な理由とは。

マーケティングテクノロジーの急増に伴い、企業は様々なwebサイトをまたいだタグの作成や管理、導入に日々追われています。魅力的な顧客体験を提供するためには、効率的なタグ管理が必須です。それでは、タグ管理とは何か、どのように機能し、どのような効果をもたらすのかを見ていきましょう。
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タグとは

最初に、タグとは何かを説明します。今日のwebサイトはパーソナライゼーションの基盤やチャットサービス、顧客体験ツール、分析ソリューションなど、様々なテクノロジーがそれぞれの目的のもとにインストールされ、運用されています。これらのテクノロジーを特定のwebページで有効にするには、テクノロジーを必要とするページに、タグと呼ばれるJavaScriptコードを設置する必要があります。テクノロジーごとに独自のタグが必要で、一般的なwebページで適切な顧客体験を提供するには、複数の、ときには数十個のタグが必要になります。
 
頻繁にあることですが、これらのテクノロジーのどれかがアップデートされた場合、正しく機能させるために、webサイトをまたいで該当のタブをアップデートする必要があります。つまり、JavaScriptコードの修正が必要です。あらゆるタグを常に最新の状態に保つのは難しく、非常に多くの時間を費やします。
 
 
 
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タグ管理システムとは

タグ管理システムの概念
 
魅力的な顧客体験の提供は、様々なマーケティングテクノロジーの活用の上に成り立ちます。マーケティングテクノロジーの数は増え続け、複雑さも増しています。これらを、顧客データと合わせて管理し、連携して活用するためには、とてつもない作業が必要になる場合があります。そこで役に立つのがタグ管理システムです。
 
タグ管理システムは、あらゆるwebベーステクノロジーのインストール、管理、運用を簡略化するSaaSソリューションです。マーケターやコンテンツマネージャーなど、技術に詳しくないユーザーに容易かつ効率的にタグを設置する方法を提供して、サイトをまたいだマーケティングテクノロジーの導入を可能にします。IT部門の手作業によるタグの設置を依頼することなく、代わりに、IT部門が承認したタグをマーケターが設置するため、魅力的な顧客体験を迅速に提供することができます。
 
タグ管理システムは、タグを使って他のwebベーステクノロジーと同じように機能します。タグ管理システムをインストールするには、埋め込みコードと呼ばれる1~2行のJavaScriptを、理想的にはあらゆるwebページに挿入します。埋め込みコードが挿入されたら、マーケターやIT部門はwebページのコードに手を入れることなく、タグマネージャーのインターフェイスで条件を設定する「if-then」ステートメントを作成してマーケティングテクノロジーを導入できます。例えば、「if-then」ステートメントでは、顧客がwww.weRetail.com/pantsで購入ボタンをクリックしたら(IF)、その商品の名前をAdobe Analyticsに送信する(THEN)というルールを定義します。
 
これらのif-thenステートメントが保存されると、タグ管理システムのインストールに使用された1~2行のコードによって、そのステートメントの実行に必要なJavaScriptが追加されます。
 
 
 
 
 
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タグ管理がビジネスにとって重要な理由

タグ管理システムを使用すると、必要なwebページに適切なテクノロジーを容易にタイミングよく導入できるだけでなく、異なるテクノロジーのデータを収集および共有して一貫した体験を提供できます。例えば、顧客がオンラインストアで帽子を検索している場合には、タグ管理システムによって検索データを収集して分析プログラムに送り、顧客が探しているアイテムを追跡することが可能です。このデータを利用すれば、顧客が何を求めているかを理解できます。パーソナライズの精度を高めて、顧客が探しているものをすばやく見つけられるようにして、ショッピング体験全体を向上させることもできます。
 
タグ管理システムは、4つの業務を簡素化します。
 
  • webページへのマーケティングテクノロジーの導入
  • オーディエンスの行動の理解
  • webページごとに機能するマーケティングテクノロジーの決定
  • データの収集とマーケティングテクノロジーへの提供
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タグ管理の利点

タグ管理には、タグ付けの簡略化やデータの調整以外にも多くの利点があります。タグ管理システムは、ビジネスに次の5つの利点をもたらします。
 
1.迅速に導入し収益を増やす
タグ管理システムを使用すると、マーケターが自らの手で魅力的な顧客体験を構築できるので、時間とリソースを節約できます。つまり、webサイトのコンテンツや顧客に最も近い担当者が、必要に応じて、IT部門が承認した安全な方法でwebサイトの機能を追加、調整、改良できます。タグ管理システムを使うことで、多くのことを短時間に処理できます。また、エクスペリエンスを迅速に向上できるので、最終的には収益の増加につながります。
 
2.顧客をより深く理解
タグ管理システムはwebサイトでのユーザーの行動を追跡するプロセスを飛躍的に簡素化します。タグ管理システムを使用しない場合、顧客のクリックといった単純な動作を追跡するために、多くの時間をかけて各webページのコードの隅から隅まで目を通さなければなりません。複雑な行動を追跡してインサイトを得るには、さらに多くの時間を費やすことになります。タグ管理システムを使用すれば、マーケターは使いやすいインターフェイスを使ってどのような行動を測定するかを決定し、単純な行動と複雑な行動の両方を迅速に追跡でき、最終的には顧客を深く理解することができます。
 
 
3.より優れた顧客体験を迅速に提供する
タグ管理システムでは、あらゆるページに必要なタグを埋め込む必要はありません。タグ管理システムでは、マーケターとIT部門が注意深くルールを作成することで、該当するページに適切なタグだけを設置できます。タグが少なければ、webページの読み込みが速くなります。重いwebページの読み込みが得意なデバイスもあるので、顧客体験だけでなくリーチも向上します。
 
 
4.マーケティングテクノロジーをまたいで、正確なデータを収集および共有する
タグ管理システムでは、グループ化されたwebサイトで収集されたあらゆるデータとその収集方法がひとつの画面に表示されます。その画面において、適切なデータが正しい方法で収集されていることを確認できると同時に、そのデータを他のマーケティングテクノロジーと共有できます。webサイトのデータを一元的に管理し、マーケティングテクノロジーやアドテクノロジーからアクセスできるようにすれば、適切なデータにもとづいて最適な顧客体験を構築し、自信をもって提供することができます。
 
5.ひとつのエコシステムにデータとテクノロジーを統合する
最高の顧客体験を提供するには、マーケティングテクノロジー間で情報を共有して効果的に連動するエコシステムが必要です。タグは情報を共有する媒体であり、タグ管理は、導入されているあらゆるテクノロジーの情報をまとめ、それらを連動させて最適な顧客体験を提供できるようにします。
 
 
 
 
 
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あらゆるタグ管理システムが同じように作られているわけではありません。

最初にタグ管理システムが登場したのは2000年代初頭です。その後すぐに多くの製品が発売されました。これら第1世代のタグ管理システムでは、webサイトにタグを容易に設置できるテンプレートを使用します。テンプレートを使うと、技術に詳しくないユーザーでも、ほとんどコーディングをおこなわずにマーケティングテクノロジーの基礎的な部分を導入し、設定できます。ユーザーは使用するテクノロジーの設定とルールを指定するフォームに入力するだけです。あとは、タグマネージャーがフォームの入力内容をJavaScriptコードに変換し、そのコードをwebページに挿入します。導入プロセスを容易にするにはテクノロジーごとに独自のテンプレートが必要で、多くの場合、テクノロジーがアップデートされると、テンプレートのアップデートも必要となります。
 

第1世代のタグ管理システムが直面する2つの大きな課題

 

マーケティングテクノロジーの急増
顧客体験を提供するwebベーステクノロジーの数は、2011年の150種類程度から飛躍的に増加し、現在は5,000種類を超えています。マーケティングテクノロジーの数が増え、企業による新たなテクノロジーの採用率が高まるにつれて、企業はそれらのテクノロジーを導入し、すぐに結果を出すために、柔軟性を最大限に高めるという新たな課題に直面しています。しかし、第1世代のタグ管理システムはテンプレートを作成してwebベーステクノロジーのエコシステム全体をサポートするという方法を採用しており、マーケットに対応して迅速にテンプレートを作成することができません。そのため、マーケターにはテクノロジーの選択肢がほとんどなく、残っている選択肢は時代遅れということがよくあります。
 
マーケティングテクノロジー機能の分断
導入している様々なテクノロジーがばらばらに機能していると、魅力的な顧客体験を提供することはできません。ひとつのテクノロジーで得た顧客の情報が、別のテクノロジーでも利用できるように連動させる必要があります。残念ながら、第1世代のタグ管理システムは製品の連動性ではなく、導入の簡易化に注力していました。
 
これらの問題を回避するために、次世代のタグ管理システムでは、新しいテクノロジーや頻繁にアップデートされるテクノロジーに容易に対応できるオープンアーキテクチャを提供しています。専用のタグ管理システムを使ってテンプレートを手動で最新の状態に保つ必要はありません。タグ管理システムはオープンプラットフォーム上に構築されているので、マーケティングテクノロジープロバイダーはいつでも機能を公開してアップデートでき、追加することもできます。そして、マーケターはひとつのシステムからこれらのテクノロジーにすばやくアクセスできます。
 
タグ管理システムの導入は大事に思えるかもしれませんが、優れたシステムが日々もたらす価値は、初期コストや設定の苦労をはるかに上回ります。タグ管理システムを導入すると、テクノロジーの迅速な導入によりコストを節約し、優れた顧客体験を提供できます。また、顧客に対する理解も深まります。さらに次世代のシステムを導入すれば、マーケティングテクノロジーのエコシステムを統合できます。タグ管理システムがビジネスにもたらす利点について詳しくは、担当のアドビカスタマーサクセスマネージャーにお問い合わせください。
 
次世代タグ管理について詳しくは、「タグ管理を超えた顧客体験の提供」を参照してください。
 
 
 
 
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タグ管理システムに関する5つの誤解

タグ管理システムには明らかな利点があるにもかかわらず、導入していない企業が数多くあります。導入に踏み切れないのはなぜでしょうか?タグ管理システムに関する5つの一般的な誤解と現実について紹介します。
 
誤解1:
タグ管理システムを導入したら、IT部門は不要になる。

現実:
タグ管理システムによってIT部門への依存度は低くなりますが、IT部門が不要になることは決してありません。事実、タグ管理はマーケターとIT部門が協力して明確なルールと責任を定めることで価値が高まります。正しく連携すれば、マーケターがキャンペーンを迅速に展開して、顧客の行動を追跡し、webサイトのデータから多くのことを把握できるようにすることができます。つまり、IT部門はタグの導入ではなく、ITに集中できるようになります。
 
 
誤解2:
無償のタグ管理システムは大規模なビジネスのニーズに対応できない。

現実:
最も有名な2つのタグ管理システムは無償で利用できます。そのひとつ、Dynamic Tag Managementの顧客は3,000社を超え、AIG、McDonald’s、Morgan Stanley、Nvidia、Salesforce.com、Starwood Hotels、TysonといったFortune 500企業など、世界トップクラスの企業が利用しています。
 
 
誤解3:
タグ管理システムを使用するには、技術の担当者が必要になる。

現実:
タグ管理システムの一般的な利用目的は、技術系以外のユーザーでも基本的なタグを容易に導入できるようにすることです。多くの場合、2~3の設定値を入力し、タグが起動する状況を定義するだけで導入できます。技術に詳しくないマーケターでも、訪問者がアクセスしてビデオを見たら追跡するといった複雑なタスクをマスターできます。他の分野と同様、慣れるまで少し時間がかかるだけです。
 
誤解4:
無償のタグ管理システムはベンダーニュートラルではない。

現実:
Dynamic Tag Managementとアドビの次世代タグ管理システムであるAdobe Cloud Platform Launchは、サードパーティテクノロジーをサポートしています。実際、Adobe Cloud Platform Launchは、あらゆるベンダーが自社のやりかたで独自の統合を構築、管理、アップデートできるようにしている点で、他のタグ管理システムよりベンダーニュートラルです。
 
誤解5:
タグ管理システムには、導入に伴う労力に見合う価値がない。

現実:
タグ管理システムの初期導入は難しく手間がかかる面もありますが、長期的なメリットは初期投資をはるかに上回ります。タグ管理システムは、技術に詳しくないユーザーがすばやく顧客の行動を分析したり、IT部門で承認されたタグを導入したりできるようにして、時間、作業、コストの低減を実現します。コードやベンダーのタグを実装して追跡し、IT部門とマーケティング部門を行き来してリクエストの要件を調整するためにどれだけの時間が費やされるでしょうか。タグ管理システムでは、このプロセス全体を簡素化できるので、マーケターはwebキャンペーンやテクノロジーを迅速に展開して質の高いインサイトを獲得し、インサイトにもとづく調整を短時間で加えることができます。
 
 
 
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