コンテンツ管理に柔軟性を:あらゆる顧客体験を最適に保つ仕組みとは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顧客の期待に応えるには、適切な体験を
 
現代の人々は多忙な生活を送っています。いつでもどこでも、気になることを調べ、ブランドの情報を得ることができます。自宅から、移動中の電車から、店舗内から、勤務先から、そのとき使える手段を使って、必要な情報を入手するのです。
 
ブランド企業からこの行動を見ると、顧客の利用するデバイスはばらばら、顧客が企業に接触するチャネルも多様である、と映るわけです。しかも、顧客の選択肢は増え続けています。毎日550万台に上る新しいスマート機器がネットワークに接続されています。2020年には世界中で208億台が接続されるようになるとGartnerは予測しています。そのためマーケターにとって、顧客の今いる場所に合わせて適切な対応を行い、一貫性のあるパーソナライズされた体験を提供するのは困難なこととなっています。
 
さらに、顧客とブランド企業との接点は多様化の一途をたどっており、顧客の期待もますます高まる一方です。顧客はどこにいても、常にお気に入りのブランドが「そこにある」ことを期待しています。つまり、あらゆるチャネルとデバイスをまたぐ、一貫性と連続性のある柔軟な体験の提供を期待しているのです。
 
こうした期待に応えるには、心に残るパーソナライズされたクロスチャネルキャンペーンを、迅速に、リアルタイムに近いスピードで提供する必要があります。しかし、これはマーケター個人の能力で対応できる課題ではありません。これを実現するには、オムニチャネルエクスペリエンスを広範囲にわたってすばやくスマートに管理することのできる仕組み、すなわち柔軟性と機能を備えたコンテンツ管理システム(CMS)が必要となるのです。顧客が見聞きする体験はコンテンツとして表現され、届けられます。多様な顧客の期待する情報に応えるためには、多彩なコンテンツが必要となります。コンテンツとは企業のブランドストーリーを形にしたもので、画像や動画、テキストや音声など、膨大なデジタルアセットの組み合わせによって構成されています。そして、膨大なコンテンツの中から最適なものを対象とする顧客へと効果的に届けるための基盤として、CMSにはかつてないほど高い要件が期待されているのです。
 
76%
 
マーケターの76%が、「パーソナライゼーションのためにより多くのアセットが必要になっている」と回答
 
出典IDC
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部門をまたいでコンテンツ管理を一元化するには
 
IDCによれば、大多数のマーケターは、より迅速なキャンペーンの展開を求められていると答えています。そのためには機敏な対応だけではなく、顧客とのコミュニケーションの各局面において最適なコンテンツをすばやく見つけ、管理し、組み立て、配信する、という一連の処理を一瞬で展開する必要があります。しかし多くの企業では、コンテンツが各部門や各システムに分散している、使用しているツールが複雑である、顧客接点をまたいだコンテンツの手軽な再利用や効果測定が困難である、といったことが原因で、この目標を達成できていません。こうした課題を解決するには、どうしたらよいでしょうか。いくつかのグローバル企業における取り組みを見てみましょう。
 
半導体用の設計ツールやサービスで知られるSynopsysは、多くの企業と同様、これらの課題に直面していました。何テラバイトものアセットが複数のシステムに分散していたので、webサイトをわずかに変更するだけでも数時間を要し、複数の部門をまたいで調整しなければならないこともありました。しかも、マーケティング担当者とクリエイティブチームは互いに、自部門だけで変更を反映することができませんでした。制作したコンテンツをweb担当者に電子メールで送信し、そのコンテンツをSharePointにアップロードしてもらう、という複雑なワークフローが必要だったのです。
 
しかし、CMSの導入によって事態は一変しました。まず仕組みとして、あらゆるデジタルアセットを集約する一元的なリポジトリーを整備しました。またワークフローとして、コンテンツ制作者が自らリアルタイムでwebアセットを作成、管理できるセルフサービスモデルに移行しました。これにより、コンテンツを公開する回数が急速に増加しました。 
 
Synopsysのコーポレートマーケティング担当コーポレートバイスプレジデントであるDave DeMaria氏は、「生産性が40倍に向上し、従来の基盤ではコンテンツを再構成するのにひとつのチームが2週間かかっていたところを、今ではふたりが2時間で完了できるようになった」と語ります。 
 
コンテンツの配信に時間がかかる要因は他にも考えられるので、各組織のニーズに合ったCMSを見つけることが非常に重要です。しかし、その答えは必ずしもシンプルではありません。従来のコンテンツ管理システム(非ヘッドレスCMS)の多くは、webなどの単一チャネルに公開する目的には適しています。しかしそもそもの設計として、モバイルやチャット、ソーシャルなどの複数チャネルに向けたコンテンツを管理するようには作られていません。このようなコンテンツの表現方法は、単純なレスポンシブサイトとは大きく異なります。
 
この問題に対処するために、「ヘッドレスCMS」と呼ばれるコンテンツ管理システムが一般的になりつつあります。ヘッドレスCMSでは、あらゆるチャネルに適したカスタムプレゼンテーションレイヤーを開発者が構築できます。開発者は独自の顧客体験を柔軟に構築でき、様々なチャネルで、場合によっては別のルールやコードを使用しつつ、コンテンツを再利用することができます。しかし、ヘッドレスCMSを利用するには専門の技術知識が必要です。そうした知識を持つマーケターはごくわずかでしょう。したがって、コンテンツを組み立て、プレビューし、公開するプロセスには、様々なチャネルに適したコンテンツを制作、配信、管理するためのコストと時間に加えて、IT部門の関与が必要になります。
コンテンツ作成が遅れる理由
この問題を解決するために、賢明な企業では、従来のCMSとヘッドレスCMSの利点を組み合わせた、「ハイブリッド型」のコンテンツ管理システム(あるいはエクスペリエンス管理システム)を導入しています。この管理システムは、マーケターとクリエイティブ担当者の双方が、モバイルサイトのような任意のチャネル向けのコンテンツを作成して公開するための、使いやすい環境を提供します。さらに開発者はこの管理システムを通じて、同じコンテンツをJSONなど任意の形式で容易に同時配信することができます。これにより、コンテンツをあらゆるエンドポイントで、例えばモバイルアプリやシングルページアプリケーション(SPA)、IoTデバイス、さらにはチャットや音声チャネルなどで再利用できます。このシステムでは、マーケターは今後も新たなチャネルやエンドポイントが登場してもそれに適したエクスペリエンスを提供し続けることを期待できます。一方で開発者は、「ヘッドレス」でコンテンツにアクセスできます。その結果、マーケターと開発者の距離が縮まり、開発スピードが向上します。
「当社の生産性は40倍に向上しました」
Dave DeMaria氏
(Synopsys、コーポレートマーケティング担当コーポレートバイスプレジデント)
Synopsysは先頭を維持するために必要なスピードを獲得
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膨大な中から該当のコンテンツをすばやく探すには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いものを一度に作ることはできますが、正しいものを一度に作ることはできません。『正しい』が指すものは常に変化しているため、作成後の最適化こそが重要なのです」
Naomi Le Get氏
(Lens10、アナリティクスプリンシパル)
デジタル時代のいま、コンテンツは動的です。すなわち、提供しようとしている様々なタイプの顧客体験に合わせて再利用、変更できなければならないのです。しかしそれでも、最適なコンテンツを探して組み合わせ、一人ひとりの好みに適合するような顧客体験に仕立てるのは、容易なことではありません。何千、何百万ものデジタルアセットの中から最適なコンテンツを見つけ出さなければならないかもしれません。しかも、ほぼリアルタイムでコンテンツを配信する必要がある場合は、それだけで作業する人の貴重な時間を使い果たしてしまいます。
 
高度なアルゴリズムを用いたインテリジェントな仕組みがCMSに組み込まれていれば、コンテンツの発見や管理、制作、パーソナライズ、配信、実行など、ワークフロー全体を通じてコンテンツ制作工程を自動化し、コンテンツを迅速に最適化できます。これにより、より柔軟な顧客体験の構築が可能になります。
 
データ管理ソリューションで知られるInformaticaは、高度なアセットタグ管理機能を利用することで、柔軟なメタデータ制御とレポートを実現し、多様なコンテンツを形式、製品、ソリューション、業界、戦略的価値ごとに識別しています。それに伴い、社内のコンテンツ制作者と社外の制作会社のコンテンツ制作者が、一つひとつのアセットに対して、ホワイトペーパーかデータシートか、使用箇所はセールスファネルの上部、中央、下部のどこかなど、目的に応じたタグ付けをおこなっています。
 
また、Informaticaでは、アセットタグ管理機能を利用して、買収した企業のwebコンテンツを柔軟に管理できる仕組みを整えています。例えば、買収した企業のいくつかは、従来のページ上のライブチャットやライブエージェントによるやり取りに古い基盤を使用していました。しかし、各ページに固有のタグを割り当てることで、ある企業から買収した製品をサポートするために古いライブチャットプラットフォームを維持しつつ、別のページではライブエージェントによるやり取りを提供する、といったことが可能になります。
 
同様に、スマートタグ機能を利用することで、組織が所有する何千ものデジタルアセットの検索と管理を簡素化しています。そして、コンテンツ制作に関しては、インテリジェントなCMSの導入により、色の変更、オブジェクトの削除、多様なテーマの識別、といった制作工程を容易に自動化できます。また、インテリジェントな配信ツールによって、各種デバイスやチャネルの様々な画面サイズやピクセル要件に合わせて、コンテンツのフォーマットをどのように調整するかを識別、処理を自動化することで、コンテンツの公開を自動化することができました。
 
人工知能やマシンラーニングを活用したこのような仕組みは、コンテンツの制作や、公開されたコンテンツの展開を迅速化するだけでなく、あらゆるデバイスとチャネルに向けた適切で魅力的な顧客体験の提供を可能にします。
すべてはタグ次第
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的確なコンテンツを利用するには
 
いま存在するチャネルをすべてサポートするためには、従来の10倍ものアセットを作成しなければならない、とアドビでは考えています。しかしほとんどの組織では、人員や予算を10倍に増やすことはできないでしょう。そのため、マーケティング部門は、コンテクストに即してコンテンツを最適化しつつ、より多くのコンテンツをより多くのチャネルにより速く配信しようとして、しばしば過負荷になり、途方に暮れています。この課題を解消するには、オーディエンスやチャネルに合わせてパーソナライズされた形で、容易かつ迅速にコンテンツの組み立てを自動化し、任意のキャンペーン、サイト、地域に拡張できるCMSが必要です。 

金融業界をリードするUBSでは、顧客一人ひとりのコンテクストに合わせてパーソナライズしたコンテンツを提供できるかどうか、という点に注目してCMSを選定しました。その後UBS.comでは、導入したCMSの柔軟性を活用して、訪問者の所在地やニーズに応じた10種類のページ表現を出し分けています。ニュースとブログは、パーソナライズされた顧客の関心にもとづいて動的に組み立て、提示しています。また、レスポンシブデザインを全面的に採用しているので、UBSの顧客はあらゆるデバイスから金融情報にアクセスできます。 
 
「インターネットサイトとイントラネットサイトを極めて短時間に調整し、パーソナライズできるので、施策の柔軟性が高まり、従業員の生産性を向上することができました。また、新規顧客の獲得チャンスも広がっています」と、UBSのグループマーケティングおよびコミュニケーションサービス担当デジタルチャネル責任者、エグゼクティブディレクターであるManuel Niess氏は述べています。
 
さらにUBSでは、従業員の勤務地や職務内容、役職などのデータを利用し、特定の従業員のニーズとの関連性にもとづいてニュースをカスタマイズするなど、優れたパーソナライゼーションをおこない、さらに安全性を高めることもできます。また、適切なwebページのみをアクセス可能にし、それ以外へのアクセスを制限することができます。
 
顧客の期待値の上昇に伴い、マーケターやIT部門の時間やリソースに対する負担が高まり続けている今日では、時代に後れを取らず、先取りしていくために、チャネルやデバイスの種類に応じてパーソナライズされたコンテンツを提供することが不可欠です。しかも、従業員が燃え尽き症候群を引き起こすことなく、働き方を改革しなければなりません。
「インターネットサイトとイントラネットサイトを極めて短時間に調整し、パーソナライズできるので、施策の柔軟性が高まり、従業員の生産性を向上することができました。また、新規顧客の獲得チャンスも広がっています」
Manuel Niess氏
(UBS、グループマーケティングおよびコミュニケーションサービス担当デジタルチャネル責任者、エグゼクティブディレクター)

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適切な相手に的確なコンテンツを届ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顧客はカスタマージャーニーのどの段階においても素晴らしい顧客体験が提供されることを期待しており、そのような体験が提供されなければ他に乗り換えてしまいます。チャネルやデバイスを問わず、絶え間なく顧客にコンテンツを提供するために、企業が取り組むべきは何でしょうか。それは、組織の垣根を超え、組織間や社内外での協働を促し、スマートに作業をこなし、チャネルやデバイスをまたいで連続性が保たれた顧客体験をリアルタイムで提供できる、次世代のコンテンツ管理システムの活用です。そうすれば、適切な相手に的確なコンテンツをタイミングよく届けることができるようになるのです。 
アドビがお役に立ちます
 
アドビが提供するハイブリッド型コンテンツ管理システムであるAdobe Experience Managerは、クリエイター、マーケター、IT部門のそれぞれの柔軟性を最大限に高めます。単純なヘッドレスCMSやモノリシックCMSとは異なり、Adobe Experience Managerを利用すれば、任意のチャネルに向けてコンテクストに応じた顧客体験を提供できます。しかも、あらゆるチャネルや形式でコンテンツを再利用できるので、顧客を含め、あらゆる関係者が迅速、容易、柔軟にコンテンツを利用できます。 順応性の高い顧客体験の迅速な構築について詳しくは、「魅力的なブランドストーリーを届けるための、コンテンツ管理」をご覧ください。
 
アドビ

 

Adobe Experience Managerなら、素晴らしい顧客体験を容易に提供可能です。


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「The Big Data Advantage」、アドビのユーザー事例:Informatica(2017年)

「From Silicon to Software」、アドビのユーザー事例:Synopsys(2017年)

「Gartner Says 6.4 Billion Connected “Things” Will Be in Use in 2016, Up 30 Percent From 2015」、Gartner(2015年11月10日) http://www.gartner.com/newsroom/id/3165317

Michael Stoddart、「Content Velocity – Bringing Marketers and Creatives Closer」、
Adobe Digital Dialogue(2016年7月22日) https://blogs.adobe.com/digitaldialogue/creative-business/content-velocity/

「Proving the Value of Digital Asset Management」、IDC(2015年6月)

「UBS, Delivering Superb Customer and Employee Experiences Online」、
UBSに関するアドビのユーザー事例(2015年)