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用語集:用語

ドロップシッピング:Drop shipping

クイック定義

ドロップシッピングとは、小売業者が実際に商品を保有することなく、ドロップシッピングサプライヤーと連携し、商品の製造元から発送をおこなう流通手法のことです。その後、メーカーが消費者に直接注文を発送します。

重要ポイント

 

ドロップシッピングでは、小売業者が商品の代金を前払いしたり、自社で商品を保管したりすることなく、商品を顧客に紹介できます。 

ドロップシッピング戦略を成功に導くには、顧客を理解し、関連コストを把握し、サプライヤーと良好な関係を築く必要があります。 

ドロップシッピングモデルは利益率が低いので、企業の主力事業となることはほとんどありません。 

将来的には、デジタルネイティブな企業が実店舗を開店した場合に、ドロップシッピングを利用して顧客が購入前に製品を試すことができるようにすることも考えられます。


ドロップシッピングに関する数々の疑問に、Matthew Wasleyが回答します。Matthewは、Adobe Experience Cloud製品のマーケティングチームに所属し、Magento Commerceを担当しています。Matthewは、注文管理からビジネスインテリジェンス、製品リコメンデーションに至るまで、様々な製品に携わっています。アドビのMagentoの買収に伴い入社し、それ以降の2年間で、アカウントエグゼクティブ、プロダクトマーケティングアソシエート、プロダクトマーケティングマネージャーを歴任しています。

質問:ドロップシッピングはどのような仕組みですか?

回答:eコマース企業が顧客に新製品を提供するとします。この企業は自社でその製品を大量に購入、保管して出荷する代わりに、小売業者と連携して製品を販売することに興味があるメーカーを探します。そうしたメーカーと連絡を取り、販売する製品を小売業者がwebサイトに掲載して販売し、メーカーが製品を出荷するという合意を取り付けます。製品の製造、保管、出荷を担うのはメーカーです。

2社(小売業者とメーカー)は、製品の価格と出荷に関する契約書を作成します。小売業者は製品を75ドルでメーカーから仕入れることに合意した場合、その製品をwebサイトで100ドルで販売すれば、25ドルの利益を得ることができます。

質問:ドロップシッピングを採用する理由は何ですか?

回答:多くのオンラインショップは、顧客に提供する製品の幅を広げるためにドロップシッピングを利用します。ドロップシッピングは、在庫に先行投資することなく将来性のある商品を試すことができるリスクの低い方法です。例えば、家庭用品の小売業者がアウトドア用品の販売を検討しているとします。在庫を購入して保管場所を確保し、製品が売れなかった場合に損失が発生するリスクを負う代わりに、アウトドア用品のドロップシップサプライヤーと直接連携することができます。小売業者は、事前に在庫費用を投じることなく、自社サイトで製品を宣伝して自社の顧客層の関心を探ることができます。

また、これは一般的に手持ちの現金が少ないスタートアップ企業にとっても有効なオプションです。メーカーが保管と出荷を担うので、小売業者にとって、参入時のハードルが低くなります。

質問:ドロップシッピングは独占的な契約ですか?

回答:ドロップシップサプライヤーが1社にのみ製品を販売することは稀です。ドロップシップサプライヤーは他社に直接販売したり、他のドロップシップ小売業者と連携したり、自ら製品を販売したりする場合があります。

質問:ドロップシッピングビジネスは合法ですか?

回答:ドロップシッピングの概念は完全に合法です。これはビジネス戦略と言うよりは、フルフィルメント手法です。例えば、メーカーが1,000点もの製品を扱っているとします。これらの製品は汎用品なので、ドロップシップサプライヤーはこれらの製品を小売業者に提供して、小売業者が独自のブランドを付けます。また、各サプライヤー契約の規約はそれぞれ異なります。ここで法的観点が問題になります。小売業者とドロップシップサプライヤーの間では、必ず、法的拘束力のある特定条件が盛り込まれた契約が締結されます。

質問:製品の破損については、誰が責任を負うのですか?

回答:法的責任は、小売業者とサプライヤー間の契約によって定められます。これは、多くの場合どちらが優位に立っているかによります。責任を負う側を決定する際、通常は大企業のドロップシップサプライヤーが優位に立ちます。

質問:ドロップシッピングを有効活用するにはどうすればよいですか?

回答:新製品のドロップシッピングを始めようとする企業は、これが自社の大規模な戦略的目標に適合するか確認する必要があります。自社の顧客層と現在提供している商品を考慮して、今後どのような製品を取り入れる可能性があり、どのような分野に成長の余地があるかを見極める必要があります。つまり、自社の目標と一致し、顧客のニーズを満たす概念実証から始めます。

次のステップは、信頼できるドロップシップサプライヤーを見つけて関係を構築することです。ドロップシップサプライヤーを利用すると、サプライチェーンが小売業者の手から離れるので、重要事項のひとつである品質を管理できなくなります。サプライヤーとともにこの点を完全に把握することが重要です。小売業者には製品との接点はありませんが、問題が発生した場合に責められるのは小売業者です。品質の低いサプライヤーと連携すると、ブランドの評判に悪影響を及ぼします。品質管理に関する問題が発生した場合は、サプライヤーと連携して解決することでプロセスが順調に機能します。 

ドロップシッピングを成功に導く最大の要因は、小売業者がいかにビジネスを理解しているかです。小売業者はどこでコストが発生し、どのくらいの利益があり、顧客獲得単価がいくらなのかを把握する必要があります。顧客獲得単価が低ければ、利益が増えます。しかし、顧客獲得単価が50ドルで、平均注文額が50ドルで、ドロップシップ業者の利幅が12%だとしたら、小売業者の利益はありません。

質問:いずれはドロップシッピングの在庫を自社内に取り込む必要がありますか?

回答:これは、企業の戦略的目標によります。ドロップシッピングの利益率は低い傾向にあります。フルフィルメントコスト全般を負担するのはドロップシップサプライヤーですが、通常、広告プロモーション活動、需要喚起など、顧客獲得にかかる費用はすべて小売業者が負担します。多くの場合、小売業者が多額の利益を生み出すことは困難です。

ドロップシッピングの在庫を社内に取り込むかどうかは、在庫の回転率によります。また、小売業者が顧客数を拡大するためではなく、顧客を維持する方法として、いくつかの製品にドロップシッピングを利用している場合もあります。

質問:顧客にとって、ドロップシッピングの利点は何ですか?

回答:ドロップシッピングの利点の多くは経費削減やリスク低減など販売者側のものですが、顧客にも有益です。販売者はドロップシッピングを利用することで、新製品をすばやく顧客に提供する柔軟性が得られるので、容易に様々な製品を顧客に販売し、顧客に求められる製品を特定できるようになります。顧客がある製品やブランドのファンで、小売業者に取り扱い製品の拡充を希望した場合、小売業者は何ヶ月もかけて製品をデザイン、開発する代わりに、ドロップシップサプライヤーを利用して翌週から製品の提供を始めることができます。

質問:ドロップシッピングと大規模なビジネス戦略を連携させるにはどうすればよいですか?

回答:ドロップシッピングにのみ依存している場合は、収益性を高めるのは困難です。ドロップシッピングは、別のより大規模な収入源を補完し、自社の提供する製品の範囲を拡張する方法であるべきです。ドロップシッピングは、他の収入源が失われた場合に、製品の提供を継続して顧客を失わないための方法を模索する間の一時的な方策として利用できます。

質問:社内在庫品とドロップシッピング製品では広告に違いはありますか?

回答:小売業者はドロップシッピング製品を自社製品としてブランド化しているので、顧客にはあまり違いがわかりませんが、違いはあります。ドロップシッピング製品の利益率は低く、小売業者は社内で製造、保管している製品でより多くの利益を上げている場合があります。そのため、マーケティング予算の支出を判断するときは注意が必要です。

質問:店舗全体のプロモーションは、ドロップシッピング製品にどう影響しますか?

回答:割引やプロモーションには必ず利用条件と除外条件があります。小売業者は特定のSKUにルールを適用して、ドロップシッピング製品にはクーポンを適用しないようにすることができます。なぜなら利益率の低い製品に割引を適用すると、損失につながる可能性があるからです。

ただし、プロモーションにドロップシッピング製品を含める場合もあります。その特定の売上では損失が発生したとしても、顧客維持や顧客獲得につながれば、長期的には収益が向上するからです。

質問:ドロップシッピングで陥りやすい失敗にはどのようなものがありますか?

回答:オンラインビジネスがドロップシッピングビジネスモデルを導入するときに陥りがちな失敗のひとつは、すべてを一度に展開しようとすることです。調査をおこない、ひとつずつステップを踏むことで、はじめて円滑に導入を進められます。

もうひとつの失敗は、主要な収入源としてドロップシッピングに依存し、コストや利益を把握せず、製品に誤った価格を設定することです。利益については、物理的な品目の原価やサプライヤーの費用に加え、顧客獲得コストも考慮する必要があります。広告費用は、ドロップシッピング製品を含めた在庫全体の利益の計算に含める必要があります。 

小売業者は、サプライヤーと良好な関係を築くのに失敗する場合もあります。可能な限り、小売業者とサプライヤーは対面でやり取りする必要があります。そうすることで、ただの取引関係からパートナー関係に発展します。両社が協力することで、実質的に共通の顧客に優れた体験を提供する方法を見つけることができます。小売業者とサプライヤーの両社が最善を尽くせば、顧客はリピートし、さらなる受注を期待できます。

質問:ドロップシッピングはどのようにして始まったのですか?

回答:初期のドロップシッピングモデルはカタログ注文の時代に発展しました。カタログ販売会社は、自社では製造していない一連の製品を集め、カタログに掲載します。カタログに掲載された1,000点もの様々な製品を製造はしないものの、ブランドを構築し、近隣のあらゆる家のポストに直接カタログを投函することで広範な品揃えを宣伝し、その一方で物理的な在庫を一切持たないことでコストを抑えることができます。

このコンセプトは昔からありましたが、eBayなどのeコマースプラットフォームやインターネットそのものの発展によって、より多くのビジネスで利用できるようになりました。

質問:今後、ドロップシッピングのビジネスモデルはどうなっていくのでしょうか?

回答:各社が利益を追求することで、よりドロップシッピングの競争力が高まります。ビジネスがドロップシッピングをより戦略的に捉え、ドロップシッピングによって最適なセールスチャンスを生み出すことができないか模索している限り、この傾向はしばらく続きます。

実店舗がオンサイトでの在庫を減らすようになれば、ドロップシッピングの活躍の場が広がる可能性があります。今では、試験的に極端に在庫を制限している店舗もあります。顧客は店舗で靴や洋服を試着して、その店舗から直接オンラインで注文します。この方法はドロップシッピングを主軸としているデジタルネイティブな企業に実店舗を展開する機会をもたらします。この方法であれば在庫を持つ必要はなく、製品の配送には引き続きドロップシッピングを利用できるからです。ドロップシッピングは、このようなオムニチャネルエクスペリエンスに含まれる限り存続し、ビジネスにとって有効な選択肢であり続けるでしょう。

また、AI(人工知能)を利用することで、需要と供給や小売業者とサプライヤーの関係に、より優れた予測機能を取り入れることが可能になります。何がいつ売れるかをより正確に予測できるようになるので、サプライヤーは製品をどの程度在庫すればよいかを把握できるようになります。そのため、AIはドロップシッピングサプライヤーがコストを削減してより適切に在庫を管理するのに役立ちます。このことが小売業者にも還元され、さらには消費者にとっても価格が下がる可能性があります。

AIが秘めているもうひとつの利点は、インテリジェントな調達です。ドロップシッピングサプライヤーが複数の異なる地域に倉庫を持っている場合に、インテリジェントな調達アルゴリズムにより、特定の注文を顧客との取り決めにもとづいて最適に処理する方法を把握するという利用方法も考えられます。