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用語集:用語

モノのインターネット:Internet of Things(IoT)

クイック定義

IoTとは、物理的なデバイスを接続してネットワークを構築し、エッジとも呼ばれるその領域内でリアルタイムコンピューティングを実行し、得られた情報をクラウドに渡したり、クラウドから情報を取得したりすることです。

重要ポイント

 

IoTシステムは、コンピューティング要素を備えたスマートデバイス、情報の収集と処理が可能な入出力システム、デバイスがクラウドと通信するためのネットワーク接続によって構成されます。

IoTにより、以前は不可能だった規模で情報を収集し、分析することが可能になり、様々な作業を自動化し、効率を高めることができます。 

IoTソリューションは企業の新しい収益源になる可能性があります。 

新しいテクノロジーを導入する際にはセキュリティリスクに注意する必要がありますが、企業は段階的に利用者のプライバシーと安全の確保する対策を進めています。


IoTに関する様々な疑問に、Josh van Tonderが回答します。Joshは、Adobe Experience Managerのプロダクトマーケティングチームの一員として、主にAdobe Experience Manager SitesとAdobe Experience Manager Screensを担当しています。Adobe Experience Manager Screensは、アドビが物理的な場所に顧客体験を提供するために革新を進めてきた分野のひとつであり、IoTデバイスへの取り組みに対するアドビの関心の高さを表しています。

質問:IoTとは何ですか?

回答:IoTとは、物理領域内で相互接続されたコンピューティングデバイスの集まりです。それらのデバイスは、多くの場合、非常に小さく、特定のアクションを実行したり、情報を収集したりします。コネクテッドデバイスは、消費者の用途に合わせてさまざまな形を取ります。例えば、スマートサーモスタット、バーチャルアシスタント、ホテルのスマートチェックイン、店舗のタッチパネル、スマート自動販売機、スマートウォッチ、スマートセキュリティシステムなどです。また、農場のスマートスプリンクラーなど、業務用途のデバイスもあります。

コネクテッドデバイスは、スマートホームや店舗、自動車、ウェアラブルデバイス、工場などの設置場所で情報を取得し、クラウドに送信します。こうした方法は、コンピューティングパワーを分散して配置する仕組みのひとつです。また、センサーをコネクテッドデバイスとすれば、データを収集し状況に応じたアクションを実行したり、特定の顧客体験を提供したりすることができます。

質問:「エッジ」とは何ですか?

回答:「エッジ」とは、ネットワークの端部(エッジ)に位置するコンピューティングデバイスを指す用語です。エッジは情報を収集し、クラウドではなくその場で分析をおこないます。エッジコンピューティングでは、データの発生元や収集場所の近くでデータを処理することができるので、デバイスと処理ツールの間で絶えずデータを受け渡しする必要がありません。また、インターネット接続に制限があっても、データを処理できます。

質問:IoTシステムにはどのようなコンポーネントがありますか?

回答:IoTシステムは、主に4つのコンポーネントで構成されています。モノのインターネットと呼ばれるように、インターネットがひとつ目の構成要素です。有線または無線のいずれかのネットワーク接続を、常時または一時的に使用します。一時的に接続するタイプのデバイスは、情報のアップロードやダウンロードの際に接続されます。

ネットワークの反対側では、通常はクラウドサービスと接続されているデバイスが、コンピューティングのサポートと情報を提供する中央のクラウドサービスや、他のデバイスと情報をやり取りしています。このデバイスは情報を収集して処理した後、その情報の補強と集約をおこなうクラウドサービスに接続します。こうしたクラウドサービスの多くは、AI(人工知能)や分析機能を活用して、顧客体験の強化を促進します。このように、クラウドがこれらのデバイスを集約して制御する役割を担います。

ふたつ目の重要な要素は、顧客体験の提供に関わる物理的な物体、すなわち「モノ」です。超小型コンピューターなどのように、筐体に相当する部分とコンピューティング要素を備えています。また、顧客とのやり取りやセンサーによる情報収集のために、入出力を担う機能も実装しています。こうしたセンサーには、マイク、カメラ、サーモスタット、加速度計、ジャイロスコープなどがあります。 

IoTシステムを構成する3つ目の要素は、デバイスに保存されたコンテンツやクラウドから取得されたコンテンツです。利用者は音声やタッチパネルなどを使用してコンテンツを操作します。例えば、ある種のスマート冷蔵庫には小型のタッチパネルが搭載されており、そのパネルで冷蔵庫の中身をすばやく確認したり、料理のレシピを調べたりすることができます。 

IoTに不可欠な4つ目の要素は、収集され処理される実際のデータです。スマートオブジェクトには、利用者の行動と選択を追跡し、その入力を使用して情報にもとづいて意思決定をおこなうIoTセンサーが搭載されています。IoTデバイスはクラウドサービスにこうした情報を送るだけでなく、ローカルでもそのデータを使用して処理を実行することができます。例えば、顧客の精算に応じて新しい製品を自動で注文する、鏡に映されたバーチャルな映像の上に衣服を重ねて「試着」する、スマートフォンに連携するセンサーを使用してホテルの客室の鍵を開けるなど、様々な形で利用されています。

質問:IoTにはどのような用途がありますか?

回答:IoTデバイスは利用者に多くのメリットをもたらし、様々なタスクを実行することができます。商業用途でのIoTの例としては、農作業の自動化や改善を目的としたシステムが挙げられます。例えば、センサーを使用して降雨量と気温を監視する方法があります。この場合、システムが情報を収集し、AIを使用するなどして畑にまく水の最適量を決定し、その情報をスプリンクラーに送ります。

家庭向けには、セキュリティシステムを構築して、侵入の可能性や不審な物音を監視するといった用途が考えられます。何かが検出されたら、自動で現場の警報を鳴らし、家主のアプリとセキュリティ会社に通知を送って、対処できるようにします。

消費者側でのIoT活用例は、先に挙げたスマート冷蔵庫やホテルでのスマートチェックインといった例以外にも多数あり、洗剤の残量が少なくなると自動で注文してくれるスマート洗濯機などもあります。消費者向けのスマートデバイスには、一通りの作業を自動で遂行したり、パーソナライズされた顧客体験を提供したりするものがあります。将来的には、顧客がガソリンスタンドに行くと、ガソリンの給油機に必要な油種と支払金額が既に設定されているようになるでしょう。

シェアリングエコノミーも、消費者の環境でIoTを活用できる領域のひとつです。多くの都市部で自転車や電動スクーターを借り、移動先で返却したり乗り捨てたりすることが可能になっています。これらの自転車やスクーターはコネクテッドデバイスであり、いつ使用されたか、誰がレンタルしたか、どこに放置されたかを報告します。レンタル体験は、回を重ねるごとに利用者に合わせてパーソナライズすることができます。得られたデータを活用し、利用者の体験から適合しない部分を取り除き、本人に特化したものへと調整します。

質問:IoTにはどのような歴史がありますか?

回答:IoTに必要なテクノロジー要素は複数あり、それぞれが独自に発展し、現在では交わるようになりました。ひとつ目の要素は、ハードウェアです。マイクロプロセッサー、チップ、センサーのサイズと価格は、時間が経つにつれて大幅に低下しました。非常に高性能なCPUやセンサーを安価に入手し、きわめて小型の製品に収められるようになったことで、あらゆる場所にIoTデバイスを設置できるようになりました。

ふたつ目の要素は、ユビキタスネットワークが世界中に展開されたことです。無線接続できるブロードバンドインターネットの普及に伴って、IoTデバイスどうしの接続が容易になりました。これでネットワークという要素がそろいました。

3つ目の重要な要素は、クラウドで動作するソフトウェアの進化です。ソフトウェアに組み込まれたAIとマシンラーニング(機械学習)によって分析機能が強化され、IoTデバイス自体での情報処理と意思決定が可能になりました。こうした技術的進歩の融合は、手頃な価格でIoTデバイスを接続して便利なタスクを実行できるレベルにまで達しています。

質問:IoTシステムにはWi-Fi接続が必要ですか?

回答:通常は、いくつかの時点でネットワークが必要になりますが、常時接続が必須というわけではありません。設置場所によっては、IoTを展開するうえでネットワーク接続が限られているというケースもよく見られます。帯域幅が狭い場合や、一定期間にわたってまったく接続できなくなる場合があっても、多くのシステムは、しばらくの間は自律的に動作し、再接続した際に情報のアップロードやダウンロードを実行して、同期を図るように設定されています。デバイスはクラウドと通信して、情報を伝達し分析をおこなった後、新しい指示を求めてその内容を実行することができます。

質問:IoTデバイスから収集した情報の分析は誰が担当しますか?

回答:IoTデバイス自体が情報を分析します。IoTデバイスの多くはAIと分析機能を内蔵しているので、エッジで自ら分析を実行することができます。IoTデバイスは、何を実行し、どのようにして顧客体験を向上するのかを決定する機能を備えていますが、通常はなんらかの形でコンテンツやデータをクラウドに送信して検証を受け、その結果を受信しています。

先に挙げたスマートチェックインの例で言うと、IoTデバイスは、利用者が入室が認めれれている顧客であることをクラウドを通じて確認し、その後、部屋のドアを開錠するという、その場でのタスクに対応する必要があります。 

NestやAlexaなどの消費者向けデバイスは利用者が設置した場所で動作しますが、取得した情報をGoogleやAmazonに送っています。各社は独自の分析をおこない、あらゆるデバイスや大規模データソースから得られた匿名化データを蓄積して、消費者のトレンドを理解して予測を立て、製品の改善をおこないます。例えば、Amazonはデバイスが取得した音声を、自然言語処理の改良に利用しています。膨大なデータを収集する能力は、多くの企業にとって魅力的です。最近では、大手家電メーカーも、製品の改善や消費者に対する付加価値の創出の方法を模索しようと、自社製品の使用状況を把握することに関心を寄せています。また、家電製品から得られたデータからは、環境への配慮を深めた製品づくりなどに活用できるインサイトが得られる可能性があります。

質問:IoTの利点は何ですか?

回答:以前では不可能だった規模で大量に情報を収集し、分析を加えて関連するインテリジェンスを追加することができるようになります。農業を例にとると、作物を育てる現場でAIとセンサーを使用することにより、生産性を上げることができるという事業面の利点があります。IoTによって、インテリジェンスと情報収集の活用がこれまでになく大きな規模で広がっていくでしょう。

消費者の立場で見たIoTの利点には、洗剤やプリンターのインクの再注文のような基本的な作業を自動化し、時間を節約することができる点や、自分のニーズに合わせてパーソナライズされた顧客体験を受けられる点などがあります。また、必要な物事をすばやく効率的にこなすことが可能になり、生活全般の負担の軽減につながります。IoTに投資する企業にとっては、顧客を詳細に理解することで、より適切なビジネスの意思決定が可能になるという利点があります。

質問:IoTは新しい収益源になりますか?

回答:エッジでIoTデバイスを運用することにより、利用できる情報やセンサーが増えて、質の高いサービスの提供につながります。多くの企業が、顧客体験を武器に市場競争に立ち向かい、より優れた顧客体験の提供に取り組んでいます。企業が、より適切でパーソナライズされた顧客体験をタイミングよく提供できるようにすることで、IoTは確実に新しい収益源を創出し、競争力を向上させるでしょう。またそれだけでなく、隣接領域のサービスを追加する機会にもなります。

例えば、ガソリンスタンドやホテルで、利用者について詳しく知ることで、以前は活用できていなかった他の顧客接点を開拓できる場合があります。これによって、不快な印象を与えることなく、適切なタイミングで他のサービスや製品を推奨できるようになります。IoTは市場での競争力を強化するとともに、状況に適した働きかけを実現します。さらに、時間の経過とともに、顧客に追加のサービスや製品を提供する機会とデータを提供します。

IoTデバイスを製品として提供する企業からは、自動化のための機会と、従来は不可能であった形での価値が提供されています。こうした驚くほど安価でありながら驚異的な性能を備えたコンピューターを導入することで、情報を収集し非常に強力なAIアルゴリズムを実行することができます。その結果を集約することで、エッジにおけるスマートな動作が可能になります。さらにあらゆるデバイスから情報を集約すれば、いっそうスマートな動作も実現できます。

何らかの物理的な所在を持つほぼすべての業界において、IoTの用途があります。大半の企業には、エンドユーザーや事業に価値を付加できる用途が生まれます。したがって、常にデバイスやシステムに料金を課すのではなく、実際のサービスで請求する料金を増やすとよいでしょう。また、サービスを提供するだけでも、競争力を高められます。高度な差別化を生み出すサービスを提供できれば、なおよいでしょう。

質問:IoTにはどのような課題が伴いますか?

回答:懸念のひとつはプライバシーの保護です。どの程度の情報収集まで許容されるかを見極めつつ、消費者の望みを把握するという綱渡りのような作業が必要になります。例えば、デバイスに発生したハードウェアの問題を自動的に企業が把握し、交換部品を送ってきたら、顧客は喜ぶかもしれません。しかし、スマート冷蔵庫内に入れたあらゆる食品について、食品の自動注文のためにRFIDタグ付きの食品の情報が企業に公開されたり、バーコードがスキャンされたりすると聞くと、心配になる顧客もいるでしょう。

企業が情報を収集して保管し、それにもとづいて行動するのであれば、顧客はどのような情報が収集されるのかを知ろうとします。企業側はこの懸念を和らげるために、明快で確実なガイダンスにより収集対象のデータとその理由、そして収集対象外のデータを示したうえで、データを共有するかどうかを利用者が選択できるようにするという対策をとることをお勧めします。

過去を振り返ると、技術インフラストラクチャが標準化されていなかったことが、実装を遅らせる要因になっていました。初期のシステムに相互運用性が欠けていたことも要因と言えるでしょう。しかし今では状況が変化し、インターネットの大部分を動かしている、標準化とコモディティ化の進んだテクノロジーを使用できるようになりました。また、かつては導入のハードルとなっていたコストも低下しています。このように、時間の経過に伴ってコストが自然に下がるというムーアの法則が示す効果に加えIoTプラットフォームは新たな収益源を生み出すことができるため、可能性を見込んだ他の企業に買収されることがあります。 

コンテンツとデータの管理をめぐる課題も存在しています。デバイス、センサー、ネットワークは揃っていますが、顧客体験を提供するためにはコンテンツとデータも欠かせません。データからインサイトを抽出し、後に別の顧客接点でのやり取りにおいても一貫性のある顧客体験を的確に提供するうえで、効果的にこうした情報を一元化し大規模に運用できることがIoTシステムにとって重要です。

この点は、企業が常に苦心して向上に取り組んでいる要素です。業務に関係する膨大な対象のなかで、様々な顧客接点を合理的に扱う試みが続けられています。コンテンツとデータを一元化し、顧客体験とデータを統合することが、ここでの主要な課題です。

そのほか、IoTシステムには、世界中で一貫したネットワークがないという課題もあります。あらゆる場所で利用できるわけではなく、同じ帯域幅で接続できないこともあります。この問題は、世界的なネットワーク接続性の向上によって解決される可能性があります。

質問:プライバシーを保護し、IoTのセキュリティを確保するには、どうすればよいですか?

回答:IoTテクノロジーは、他の新技術に比べて多くのセキュリティリスクをもたらしているわけではありませんが、それでも企業は顧客の懸念を軽減する対策に取り組む方が良いでしょう。第一に、どのようなデータを収集しておりどのように使用するつもりかを公表するとともに、常に消費者が詳細を把握したうえでデータ収集に同意している状態を保つようにします。また、顧客はテクノロジーの利用を決めたとしても、後で考えを変えることもあります。顧客が利用を中止し自身のデータを確実に処分できる選択肢を用意する必要があります。

第二に、収集、転送、保管中の情報を保護する技術的な手続きを定める必要があります。加えて、人間の要素も考慮します。これらのシステムの管理や、適切なプロセスが実施されているかの確認は、人間が担っているからです。従業員に、所定の場所で情報を保護する適切な手順を遵守するように義務付けなければなりません。

質問:今後、IoTはどうなっていくのでしょうか

回答:まずは、規模に変化が現れるでしょう。ハードウェアとデータ量の増加が見込まれます。デバイスの数が増え、それらによって大量のデータが収集されるようになります。さらに、グローバルネットワークの品質向上に伴い、IoTの相互接続が進み、多くの人がアクセスするようになります。スマートオブジェクトやその他のIoTデバイスへのアクセスの拡大がすれば、消費者の作業を簡略化し、効率を向上させ、摩擦を軽減する機会がさらに増えるでしょう。

デバイスのインテリジェンスと性能も向上します。最終的には、より多くのデータポイントと情報を収集するデバイスが増え、デバイスはそのデータにもとづいて、よりインテリジェントな意思決定をおこなうことができるようになります。理屈のうえでは、今日では不可能な量と効率でデバイスがタスクを処理できるようになります。AIが進化し続けて性能が向上していけば、このメリットはますます大きくなるでしょう。その結果、より適切でパーソナライズされた顧客体験が提供され、全体的な効率も向上すると考えられます。