レッスン4

新しい働き方が持続的なメリットをもたらす

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、あらゆる企業が新たな課題に直面しています。アドビも例外ではありません。その課題に立ち向かうために、多くの取り組みを続けています。ここでは、それらの取り組みを通じてアドビが学んだことを、リアルタイムの顧客体験の重要性など、6つのレッスンとして紹介します。

デジタルファーストは必須なだけでなく、メリットもある

新型コロナウイルス感染症の脅威が広がるまでは、商談から会食に至るまで、ビジネスの大部分は対面でおこなわれていました。デジタル体験は、カスタマージャーニーの重要な要素ではあったものの、対面でのビジネス体験を補助する役割を担っていました。

 

しかし、そうした様相は一変しました。対面で取引を交わすことができない現在では、デジタル体験は間違いなく絶対に欠かすことのできないものになっています。


「これまでの手法だけに頼らず、俊敏に対応する必要があります。今何が適切なのか、利用者にとって何が望ましいのかを見きわめることが重要です」

 

Sergio Claudio

アドビ、Adobe.comエンタープライズ担当シニアディレクター

Christopher Parkinの顔写真

変化には困難が伴うが、メリットもある

デジタル基盤を構築している企業は、新しい働き方への移行にすばやく対応しています。しかし、そうした基盤を準備できていない企業も適応する方法を模索しています。一時的な対応と考えている企業もいれば、新しい働き方から生まれる持続的なメリットに目を向けている企業もあります。 

 

デジタル変革を牽引しているアドビでも、新型コロナウイルス感染症に対応するための変化が求められています。ソーシャルディスタンスの確保や外出自粛といった現実に対処するために、Q&Aセッションや人脈作りのほか、講演者や同業者、エバンジェリスト、専門家との対話など、高い評価を得ているライブ体験を残したまま、Adobe Summitをオンラインに移行する方法を見つける必要がありました。 

 

わずか3週間で詳細を詰め、使用可能な新しいテクノロジーを調査したうえで、多くの時間を費やして、ラスベガスで開催されるこの対面型の巨大なライブイベントを、多数の基調講演や100以上のセッションで構成される完全なバーチャルイベントに移行しました。それらの講演やセッションは、講演者の自宅で撮影されました。しかし、多くのことに短時間で取り組んだため、いくつかの課題に直面しました。 

 

Adobe.comエンタープライズ担当シニアディレクターを務めるSergio Claudioは、「現在の状況では、従来通りの高品質な動画を制作することが不可能であることにすぐに気が付きました。それらをライブで提供すると、再生が中断したり、遅延したりするなどの様々なリスクが伴います」と、直面した課題を説明します。そのため、事前に録画した、編集可能な動画を使用する判断を下しました。事前録画の動画には、日本語やフランス語、ドイツ語など、他の言語に翻訳できるというメリットもありました。質問やチャットについては、ライブでの受け渡しとAI(人工知能)を組み合わせて対応しました。 

 

また、コンテンツの利用方法についても考える必要がありました。柔軟性が重要と判断し、長い動画を避け、都合に合わせて視聴できる短めの動画を制作しました。この動画にはチャプターを追加し、興味がある箇所をすぐに再生できるようにしました。 

 

この取り組みにより、多くのことを学ぶことができました。「講演やセッションを、オンラインで無料公開したことで、より多くの人がイベントを体験できるようになりました。しかし、人々は録画ではなくライブ開催を望み、双方向のやり取りができることを期待していることも学びました。そのため、次回のイベントはハイブリッドな手法で開催することを検討しています」とSergioは述べています。


「講演やセッションを、オンラインで無料公開したことで、より多くの人がイベントを体験できるようになりました」

 

Sergio Claudio

アドビ、Adobe.comエンタープライズ担当シニアディレクター

Christopher Parkinの顔写真

混沌とした状況の中でも前向きに

世界中の家庭が、学校の閉鎖という問題に頭を悩ませています。それは比較的小さな子供がいる世帯だけの話ではありません。米国では、テンプル大学のTyler School of Art and Architectureの学生が、キャンパスにある多数の設計ツールやリソースを突如として利用できなくなりました。それらの学生はデジタルツールを使い慣れていましたが、キャンパスにある物理的なツールも必要だと考えていました。しかし、すぐにオンラインで対応できることや、デジタルツールが創造力を高めることを知りました。「学生とともにこうした体験や学習を活かし、Adobe DimensionとAdobe Stockを有効活用することで、この春の学期の授業をオンラインに移行する目途が立ちました」と、テンプル大学でグラフィック兼インタラクティブデザイン担当の助教授を務めるAbby Guido氏は語っています。

 

オーストラリアのNSW Department of Educationでは、デジタル基盤を構築することで、継続的なメリットが生まれることを確信しました。壊滅的な山火事が発生した際に、2,200の学校のwebサイトと1,400のFacebookページにコンテンツを配信し、学校の閉鎖を通知することができました。新型コロナウイルス感染症への対応においても、同じ通知システムを使用しています。

新しい働き方を機能させる方法

新型コロナウイルス感染症により、多くの人々が自宅待機を余儀なくされています。オーディオストリーミングサービスを提供するTuneInでは、人々が最も求めているときに、パーソナライズされたデジタルラジオ体験を提供する方法を見い出しました。しかし、同社の従業員も在宅でのリモートワークをおこなっていたため、提供する体験だけでなく、ワークフローも状況に適応させる必要がありました。幸い、同社は前年にAdobe XDへの移行を済ませており、音声プロトタイプやワイヤーフレーム、共同作業ツールなどを利用した開発に既に取り組んでいました。「クラウドですべてを共有し、新しいデザインをチームメンバー全員に送ることができます。それが非常に大きな利点です」と、TuneInのシニアプロダクトデザイナーのHongwei Huang氏は述べています。

 

バーチャルイベントへの移行や従業員のリモートワークの支援、困難な状況下でのビジネス手法の再構築など、重要なのは従業員や顧客との信頼関係を築くことです。その取り組みが、長期的な価値を生み出します。

重要ポイント:

重要ポイント

デジタル体験を補助的な役割ではなく、中心にする。顧客からの評価の高い対面型の体験を、オンラインで実現する方法を見つける。

重要ポイント

新しい働き方への移行を容易にし、今後もメリットを生むデジタルツールに投資する。

重要ポイント

リモートワークが普及し、気が散る要素が多い中で、コンテンツがどのように利用されるのかを考える。コンテンツは簡潔で、柔軟性のあるものにする。

重要ポイント

チームが対面で共同作業を進めることができない場合は、ワークフローを合理化して、共同作業と迅速な対応ができるようにする。

重要ポイント

新型コロナウイルス感染症によって、様々な業界や地域にどのような影響が生じているのかを把握する。


次のレッスン

レッスン5

レッスン5

戦略からビジネスモデルに至るまで、あらゆる要素を再検討する

その他のレッスンを確認する

新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための、6つのレッスンを確認しましょう。

レッスン1:リアルタイムの顧客インサイトの重要性がこれまで以上に高まる

アドビでは、迅速に戦略を転換するために、顧客データとフィールドマーケティングチームが役立ちました。また、NASCARでは、レースをオンラインに移行した際に、膨大な数の新たなオーディエンスをデジタルテクノロジーを利用して把握しました。

レッスン2:コロナ禍の下、企業が戦略を転換するための鍵は俊敏性が握る

アドビでは、わずか数週間で危機対応チームが新たなメッセージを作成し、展開しました。医薬品や医療サービスのマーケットプレイスを提供している1mgでは、1,400万人の利用者に電子メールを送信して混乱を解消しました。

レッスン3:今だからこそ、人とのつながりが求められる

アドビでは、顧客とのつながりを維持するために、様々な取り組みをおこなっています。また、Vitamixでは食べ物を通じて人々をつなぎ、劇場やオーケストラでは観客を楽しませる新たな方法を模索しています。

レッスン4:新しい働き方が持続的なメリットをもたらす

アドビでは、わずか3週間でAdobe Summitをオンライン開催に移行しました。また、オーストラリアのNSW Department of Educationでは、昨年の山火事から学んだことを新型コロナウイルス感染症の対策に活用しています。

レッスン5:戦略からビジネスモデルに至るまで、あらゆる要素を再検討する

アドビでは、リモートワークのニーズに対応しています。また、小売店では新たな課題に直面し、TSB Bankではデジタルサービスを刷新しました。

レッスン6:後戻りすることなく、今こそデジタル変革を加速する

アドビでは、オンライン学習コミュニティを活用して企業を支援しています。また、米国国勢調査局ではデジタル化の取り組みが大きく前進しました。


電子ブックの表紙 - 日常の変革

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