効果的な展示会のポスターを作るための6つのポイントとデザインツール
展示会は、自社の商品やサービスを大々的に告知したり、新たな顧客を増やしたりするための一大イベントです。営業担当者が来場者に直接アピールできたり、商品やサービスを実際に試してもらえたりする、貴重な機会でもあります。また、商品やサービスを通じて社名の認知を広げるのも目的のひとつです。
多くの企業が参加する展示会では、自社のブースに興味をもってもらうための工夫が必要です。その際に、大きな効果を発揮するのが「展示会のポスター」です。ポスターを一目見るだけで、自社が提供する商品やサービスがわかるようにしておくと、来場者に興味をもってもらいやすくなります。
この記事では、展示会用のポスターを作成するときのポイントについて解説します。無料のデザインツール「Adobe Express」を使ってカンタンにポスターを作る方法もご紹介しますので、初めてポスターを作る方もぜひ参考にしてください。
展示会でのポスターの効果
新規顧客を増やすためには、自社が提供できる商品やサービスの認知を広め、興味を持ってもらうことが重要です。展示会には様々な企業が参加していて、会場には各企業の担当者の趣向を凝らしたポスターが並んでいます。来場者に他社のブースではなく自社のブースに足を運んでもらうには、他社よりも目を引くデザインを考え、アピールする必要があります。
自社のポスターに興味を持ってもらえれば、次のような効果が期待できます。
- 来場者が自社のブースで足を止めてくれる可能性が高くなる
- 営業担当者が来場者と接点をもち、商談へとつなげるチャンスが生まれる
来場者のいるブースには他の来場者も足を止めやすくなるので、さらなる集客効果も期待できます。
展示会のポスターを作成する際に参考にしたいデザインテンプレート
ポスターを通して自社の商品やサービスに興味を持ってもらうためには、来場者にアピールポイントがわかりやすく伝わる必要があります。そこでまずは、無料ツール「Adobe Express」のデザインテンプレートを参考にして、どのようなデザインが商品やサービスのイメージにピッタリなのかを知るところからはじめましょう。
Collection ID
(To pull in manually curated templates if needed)
Orientation
(Horizontal/Vertical)
Width
(Full, Std, sixcols)
Limit
(number of templates to load each pagination. Min. 5)
Sort
Most Viewed
Rare & Original
Newest to Oldest
Oldest to Newest
Premium
(true, false, all) true or false will limit to premium only or free only.
ポスターを作成する前におさえておきたい6つのポイント
商品やサービスを紹介する展示会のポスターは、一目で来場者の興味関心を引くものでなければなりません。ポスターを見た人に、その商品やサービスについてもっと知りたいと思ってもらえれば、自社ブースに足を止めてくれる可能性が高くなります。
それでは、効果的なポスターを作成するための、6つのポイントについて見ていきましょう。
【ポイント1】 ポスターのコンセプトを決める
展示会には様々な業種や年齢層の方が来場します。自社の商品やサービスをどのような人に見てもらいたいかをあらかじめ想定し、それを基にコンセプトを決めましょう。
【ポイント2】 ポスターに載せる情報を決める
展示会に来場する人の中には、新たな技術や商品などの情報収集を目的としている人がいます。自社の商品やサービスに興味を持ってもらうためにも、最低限必要な情報を記載しましょう。
例えば、以下のようなものがあります。
- 実物のサイズや重さ
- 商品に使われている素材の種類や質感
- サービス使用時の最低限必要なPC環境やデータ容量
- 購入後の手続きやクーリングオフの有無
インパクトのあるキャッチコピーや商品を導入するメリットを書いたり、具体的な表やグラフで自社商品のよい点をアピールしたりするのも効果的です。商品やサービスの概説の隣に、詳細がわかるウェブサイトのURL(QRコード)を置く方法もあります。
なお、展示会用のポスターに掲載する商品やサービスには、自社で撮影した写真や作成した画像を使いましょう。装飾などでそれ以外の画像を使用する場合は、著作権や用途可能範囲などについてきちんと調べておくと安心です。後ほどご紹介する「Adobe Express」で用意されている画像なら、著作権を気にせずポスターを作れるのでとても便利です。
【ポイント3】掲示できるスペースに応じてポスターのサイズを決める
自社のブースがどれだけのスペースを確保できるかは、参加する展示会の規模によって異なります。そのため、展示会で用意するポスターは、そのスペースに応じたサイズを選ぶ必要があります。
用紙のサイズは、JIS規格(日本産業規格)で定められています。A判とB判の2種類があり、用紙の最大サイズは「B0」です。
一般的に、展示会で使用されるポスターのサイズは以下の6種類です。
- B0(1,030×1,456mm):大判で遠目でも目立つので、視認性は高い/小規模なブースには不向き
- A0(841×1,189mm):A0大判で視認性が高いので、告知に向いている/小規模なブースには不向き
- B1(728×1,030mm):映画館やイベントのポスターに使用されるサイズ/小規模なブースでは壁などの広いスペースが必要
- A1(594×841mm):やや大きめだが、ブースの壁に貼りやすい/目の高さにくるように貼っても全体が見やすい
- B2(515×728mm):一般的にポスターに使用されるサイズ/視認性があり、近距離での告知に向いている
- A2(420×594mm):やや小さいので情報の詰め込みに注意/遠目には目立ちにくいが、小回りが利くので小規模なブースでは使いやすい
【ポイント4】見やすさを意識する
展示会用のポスターを作るときは、「見やすさ」を意識してデザインしましょう。ポスターを見た来場者に一目で内容を理解してもらい、商品やサービスに興味関心を持ってもらうことが重要だからです。
ポスターの見やすさを大きく左右する要素として「フォント」「配色」「明度・彩度」があります。
それぞれについて以下で解説しますので、選ぶときの参考にしてください。
フォント
ポスターに使うフォントを決めるときに大切なことは、見やすさと読みやすさです。商品名や商品の説明など、使う場所に合わせて文字の大きさや太さ、文字間の広さを決めましょう。例として、同じ文章をゴシック体と明朝体のフォントで表しました。
このように、同じ文章でも違うフォントを使用すると印象が変わります。ゴシック体や明朝体は一般的によく使用されますが、もしインパクトを求めて他の個性的な書体のフォントを使いたい場合は一部分にのみ使いましょう。多用すると文字が読みにくくなったり、商品やサービスの内容が理解しにくくなったりする場合があります。
配色
ポスターを作るときには、配色にも気をつけましょう。配色について考えるときに便利なのが、「色の法則」です。統一感を出すなら同系色でまとめ、逆にメリハリを出すなら補色を使います。補色とは、以下の図のように、色相環の反対側に位置する色のことです。
明度・彩度
「明度」とは、色の明るさのことです。明度が高いほど白色に近くなり、低いほど黒色に近くなります。
「彩度」とは、色みの強さや鮮やかさの度合いのことです。彩度が高いほどはっきりとした色に、低いほどくすんだ色に近付きます。同じ系統の色(例えば赤)でも、彩度が高いほどより鮮明に見えます。
なお、多くの場合、展示ブースには複数のポスターを並べます。それぞれのポスターの内容が異なる場合でも、ブースに配置したときに統一感を感じられるように意識して作りましょう。
それぞれのポスターの完成度が高くても、ブース全体を見たときに統一感がないと、まとまりがなく雑然とした印象を与えてしまうからです。
よって、各ポスターで同じフォントを使ったり、似た色を用いたりすることで、統一感を持たせるようにしましょう。
【ポイント5】目立たせたい部分を決める
来場者は会場内でたくさんのポスターを見ています。そのなかで自社のポスターに注目してもらうためには、一目見て興味をもってもらう必要があります。例えば、商品やサービスの画像が目の高さにくるようにポスターを配置したり、商品・サービス名やキャッチコピーのフォントを大きくしたりするなどの工夫をしましょう。
【ポイント6】全体を見て細かく調整する
最後に全体の調整をします。少し離れたところから見て、文字が見えにくくないか、画像やイラストがぼやけていないかを確認しましょう。また、ポスターが複数ある場合は実際に並べてみて、統一感が出るようにフォントや配色などを調整しましょう。
Adobe Expressを使ってカンタンにポスターを作成する
作りたいポスターのイメージが決まったら、実際に作ってみましょう。ポスター完成までの手順を、「Adobe Express」を使ってご紹介します。Expressは様々なフォントや画像素材を自由に使えるので、素材に困らずコンセプトに合った作品が作れてとても便利です。
ここではPCを使ったデザイン方法をご紹介しますが、Expressのスマホアプリでもカンタンにデザインを作れるので、ぜひ試してみてください。
【手順1】Adobe Expressにログインする
GoogleアカウントやSNSアカウント、メールアドレスを使ってAdobe Expressに無料ログインしてください。登録は30秒ほどで完了します。
【手順2】キャンバスサイズを決める
「サイズを指定」をクリックして、任意のキャンバスサイズを入力します。Expressで利用できるサイズの最大値は「508×508mm」なので、デザインを作成するときはそれ以下の数値を入力しましょう。
【手順3】画像と図形を使用して背景を作成する
ここからは用意したキャンバスの上に素材や情報を配置して、ポスターをデザインする方法をご紹介します。
画像を選択し、切り抜きで形を変える
まずは背景に使いたい画像を選びましょう。画面左の「メディア」をクリックして「写真」を選びます。検索ボックスに「グラフ」と入力し、使いたい写真をクリックします。
次に画像を好きな形に切り抜きます。ここでは円を選びます。
最後に画像の形を整えます。
図形の使用と色の変更、切り抜き
次に図形を使って模様を作ります。
画面左の「デザイン素材」から「シェイプ」を選び、黒い円を選びます。するとキャンバスの中央に図形が追加されるので、図形の大きさと色、不透明度を調整しましょう。
図形を選択するとキャンバスに8つの白ポイントが表示され、マウスでサイズを調整できるようになります。(2)で図形の色を変えたり、(3)で不透明度を調整できます。デフォルトの不透明度は100%で、数値を下げると図形がより透明になります。
今回は、何度か上記の手順を繰り返して画像と図形を重ね、以下のような背景を作ってみました。
【手順4】テキストを設置する
テキストを追加する場合は画面左の「テキスト」から、「テキストを追加」をクリックします。
キャンバスの中央にテキストボックスが表示されるので、クリックして文字を入力します。テキストボックスを選択すると左側に文字を編集するメニューが表示されるので、フォントやフォントサイズ、色を変えてみましょう。
今回はテキストを調整し、架空の商品名を左上に配置しました。
【手順5】画像を切り抜いて設置する
画面上部に人物を配置します。画面左の「メディア」から、「写真」を選択します。検索ボックスでキーワードを入力し、画像を探します。使いたい画像をクリックすると、キャンバス中央に表示されます。
ただ、このままだと背景があって少し使いづらいですね。そこで、写真を選択した状態でメニューに表示される「背景を削除」をクリックしてみましょう。
写真のようにきれいに背景が削除されました。この「背景を削除」は、期間限定で無料で使える機能です(2024年3月時点)。本当に便利な機能ですので、ぜひ今のうちにAdobe Expressをお試しください。
【手順6】画像をアップロードする
次は、展示会で最も重要な商品やサービスの画像をアップロードします。写真を選ぶときと同じように、「デザイン素材」から「写真」を選択します。メニュー内の「デバイスからアップロード」を選択します。
配置できました。
【手順7】ダウンロードする
最終的に、上記以外の情報も掲載し、次のようなポスターが完成しました。
最後に右上の「ダウンロード」ボタンをクリックして、ダウンロード用のメニューを表示します。「ファイル形式」を選択し、「ダウンロード」ボタンを押せばデザインをダウンロードできます。
テンプレートを利用する
ここまでは無地のキャンバスからデザインする方法をご紹介しましたが、最初にご紹介したテンプレートを使ってデザインすることもできます。
テンプレートを利用する場合は、左のメニューから「テンプレート」を選択します。検索ボックスに、目的に関連するキーワードを入れると、見つけやすくなります。
なお、無料アカウントの場合、Expressのテンプレート検索画面で右下に王冠マークがついたテンプレートを選ぶと、「このテンプレートにはプレミアム素材が含まれています」というポップアップが表示されることがあります。
この場合、Expressのプレミアムプラン(有料プラン)にアップグレードすると、テンプレートをダウンロードできるようになります。
プレミアムプランでは、無料プランよりもたくさんのテンプレートや素材を使えるほか、特定の箇所を削除する「消しゴム」機能なども使えます。
もっと自由にポスターをデザインできるようになるので、ぜひプレミアムプランも活用してみてください。
ポスターの印刷を発注するときの注意点
出来上がったポスターのデザインを印刷する際に、印刷会社や印刷通販に依頼する場合があります。印刷会社や印刷通販によって、作成できるポスターのサイズや入稿規定、最低受注枚数などが異なるので注意しましょう。
もし展示会までの期間に余裕がある場合は、1〜2枚だけ発注してみることをおすすめします。用紙サイズによってはデータを引き延ばして印刷することもあるので、本刷りの前にデザインの崩れがないかを確認できて安心です。また、デザインデータと実際に印刷したときの色が異なる場合があります。色の微調整を依頼できる印刷会社・印刷通販かどうかを、発注前に調べておくとよいでしょう。
発注からポスターが手元に届くまでの期間を考えて、試作のスケジュールを立てましょう。
展示会に向けてExpressで印象に残るポスターを作ろう
展示会用のポスターは、自社の商品やサービスの認知を広めるための宣伝ツールです。来場者がポスターを見て興味を持ち、セールストークの機会が生まれれば、自社ブランドを来場者の記憶に残せます。新たな顧客を増やすためにも、ポスターのデザインにはこだわりたいですね。
自社ブランドをアピールしつつ印象に残るポスターを作りたいなら、操作がカンタンで、使える素材が豊富にある「Adobe Express」はぴったりのツールです。Expressを活用して、効果的な展示会のポスターをデザインしてみてくださいね。