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デジタルマーケティングCoEの役割(後)

【POINT】

  • CoEが<デジタルマーケティングの推進>を行うために求められる機能は6つある
  • 6つの機能のうち、計測、トレーニング/サポート、文化の醸成について紹介
  • CoEの立ち上げ期に配慮すべきポイントについて解説

前回はデジタルマーケティングを全社で推進していくために必要な中央組織、Center of Excellence(以下CoE)の役割について、6つの機能があることに触れた。今回は、残りの3つの機能である、計測、トレーニング/サポート、文化について紹介する。

計測

各担当者がそれぞれの目標数字を任されているケースでは、どうしても自分の数字の評価が最重要となり、全体の数字などが見えにくくなってしまうことがある。

そのため、CoEではデジタルマーケティングの戦略や戦術に基づいた総合的な評価を行うことが求められてくる。総合的評価があれば、近視眼的になりがちな各担当者に、全体最適の視点から成果/課題を伝え、全体の戦略にフィードバックすることができる。

また、役員などエグゼクティブに対してのレポートも重要な役割として持つことになる。経営層に自社のデジタルマーケティングを伝え、経営判断をしやすくすることもCoEの重要なミッションだ。

これ以外にも社内のデジタルマーケティングに関する成熟度の評価、ユーザビリティやアクセシビリティに関する調査なども定期的に実施、評価をしていくことで、自社のデジタルマーケティングの位置づけを客観的に認識できるようにしていくことが重要である。

トレーニング/サポート

前述した通り、CoEだけで全ての実行を担うことはできない。デジタルマーケティングを適切に実行していくためには、関係社員へのトレーニングや、実施する施策へのサポートなども重要な役割となる。

ツールの利用に関わるトレーニングや、デジタルマーケティングに関わる社内セミナー、ワークショップなどを定期的に開催し、データに基づく判断や仮説を作れる組織作りをしていく必要がある。

特に全社的なデジタルマーケティング展開の黎明期においては、各施策の実行フェイズにおいてもサポートが必要になってくる。実施するキャンペーンに対して、より効果を高くするためのアドバイス、ツール的/技術的な視点での支援も重要な要素となるだろう。

しかし、ツールだけのサポートをしていても、なかなか効果があがらないことも多い。アドビが支援している顧客企業のプロジェクトにおいて、実際に中央組織を持っている企業では、より具体的な社内コンサルティングを実施するようになってきているところが数多くある。

具体的な施策からサポートし、施策の効果をあげ、それを全社で参照できるアーカイブとしてナレッジ化することで、良いスパイラルを作ることができるだろう。

文化の醸成

データに基づく意思決定をしていくことや、データで評価をすること自体が苦手な組織の場合もあるだろう。データをもとに次のアクションを起こす“データドリブンな組織”にしていくためにも、CoEの役割として、上述したようなキーファンクションを通して文化を醸成していく活動は非常に重要だ。

社内文化を醸成していく活動の一貫として、定期的な外部講師を招いた社内セミナーを実施する企業や、ベストプラクティスや事例などを1年に1回ハンドブックとしてまとめている企業などもある。

上記のような実際の役割を見ることで、改めてCenter of Excellence(CoE)の必要性を感じて頂けただろうか。実際にCoEを運用していくためには、立ち上げ期、運用期で分けて考えると良い。特に立ち上げ期は非常に重要な時期であり、この時期に次のポイントをきちんと押さえているかどうかで、CoEのその後の成功も左右される。

ここで、CoEの立ち上げ期に配慮すべきポイントについて、もう少しだけ触れてみたい。

エグゼクティブスポンサーの獲得

こちらの記事でも触れたとおり、役員クラスのエグゼクティブスポンサーを得ることは非常に重要なミッションだ。エグゼクティブスポンサーの必要性は下記の4つのPに集約される。

Prioritization(プライオリティ付け)

CoEの役割がデジタルマーケティングの推進である以上、実施すべきことが会社のゴールにマッチしている必要がある。また、影響が大きい意思決定など、必要に応じて上層部の承認が必要な場合においても、エグゼクティブスポンサーの可否でその進め方は大きく変わってくる。

Protection(プロテクション)

横断組織である以上、部門間の衝突や社内政治などが発生するケースもある。こういった場合にエグゼクティブスポンサーがいることで、部門間の衝突をトップダウンで調整することができるようになる。

Problem-Solving(問題の排除)

組織を作る以上、リソースや予算などが付いてまわる。こういったCoEだけではクリアできない問題が発生した場合においても、エグゼクティブのバックアップがあることで、問題の排除がしやすくなる。

Promotion(プロモーション)

社内にCoEがあることを周知することも、前述の<文化の醸成>につながる。施策を評価し、表彰する仕組みなどを行うことで、より一層推進される場合もある。これらの実現においてもエグゼクティブのスポンサーシップは非常に重要になってくる。

実際にエグゼクティブの考えに沿っていないために、うまく活動が評価されなかったケースや、横断的な活動ができずにCoEの機能をまっとうできないケースなどもある。そうならないためには、まずエグゼクティブスポンサーを見つけることが重要なポイントとなるだろう。

人を集める

さて、CoEは組織である以上、人材が必要になってくる。大きくは以下の4つの役割の人を引き入れ、構成していくと良いだろう。

  1. 組織全体をコントロールする人。コミュニケーションに長けており、デジタルマーケティングに関する知識もオールラウンドに理解できる人が良い。
  2. マーケティングの専門家。デジタルマーケティング組織である以上、ここは必須である。実際の施策経験者などを引き込むと良いだろう。
  3. コンテンツの専門家。デジタルマーケティングはコンテンツが無いと成り立たない。どのようなコンテンツが必要か、必要に応じて外部/内部のリソースを活用できる人を引き込むと良い。
  4. テクノロジーの専門家。デジタルマーケティングは<デジタル>である以上、テクノロジーとは切っても切り離せない。また、実施のプライオリティを付ける際にも、システムへの影響や改修規模などが重要な判断基準となる。このような技術的判断ができる人が必要だ。

このようなスキルのメンバーをバランスよくまぜ、チームを形成するようにしていこう。しかし、場合によってはメンバーのデジタルマーケティングのスキル評価が難しい場合もあるかもしれない。

アドビのコンサルティングチームでは、関係者へのワークショップを実施し、その中でスキル評価も行いながら、CoEに適切なメンバーを選定し、コアメンバーやサポートメンバーの構成をサポートしている。ぜひお声がけいただきたい。

ミッション/戦略の整備

エグゼクティブスポンサーを獲得し、チームメンバーが集まれば、いよいよCoEとして活動開始だ。CoEとして実施すべき組織の定義、またゴールを設定し、それを実行していくためのKey Success Factorを決めよう。

これらのミッションやKey Success Factorなどは非常に重要なため、CoEのコアメンバーおよびエグゼクティブスポンサーによって定期的に見直すべきだ。エグゼクティブスポンサーも交え、アラインメントをとりながら整備をしておくことで、後々の認識違いなどを防ぐことができる。

成熟度の評価/ロードマップの整備

ミッション/戦略の整備とともに、企業のデジタルマーケティングに関わる成熟度の評価を行っておこう。まず、現状は何ができていて、何ができていないのかを認識することで、その後実施する活動におけるプライオリティ付けができるようになる。

私たち、アドビのコンサルティングチームでも、こういった組織の評価を提供している。まず、簡単に自己評価できるサービス(Adobe Digital Marketing Maturity Assessment)を提供しているので、評価を行ってみていただければ、現状の成熟度合を把握する目安になると思う。

ミッション、戦略、成熟度、評価指標などが整備されると、CoEとしてのロードマップが整備できるようになる。上述した主要な機能に照らし合わせながら、どこから手をつけていけば良いのかを整備していこう。


この記事で触れた、デジタルマーケティングを推進するために重要なL3PS(Leadership、Product、People、Process、Strategy)を全体的に整備していくために、CoEは不可欠だと言えます。アドビでは、製品を最大限活用しデジタルマーケティングを推進していくために、このようなCoEを推進するためのサポートをするコンサルティングサービスを用意しておりますので、ぜひ、お問い合わせください。

アドビシステムズ

グローバルサービス統括本部 コンサルティング サービス本部 DMSコンサルティング部 シニア コンサルタント 安西敬介 (@ank

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