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モバイル戦略に成功している企業の秘訣

2016年08月04日



【POINT】

  • モバイルサイトやアプリの利用時間は増加しているが、統計的に見ると、利用者はいつも特定の5つのアプリに大部分の時間を使っている。 
  • アプリで送られるメッセージは相手に合わせて調整された内容でなければ、エンゲージメントを高め、購入へと誘導できる可能性は低い。
  •  先進企業は行動や購入喚起を促す顧客体験の研究を続けており、よりユニークな体験を創造している。


多くの企業では、特定のチームがモバイル関連を担当しており、担当以外の社員は、「自分の仕事はモバイルとは関係ない」と認識しているのではないだろうか。「モバイル端末からアクセスしてくる顧客はごく一部に過ぎない」と思う人もいるようだが、この認識は現実と乖離している。

アドビの持つビッグデータをもとに分析レポートとしてまとめられたAdobe Digital Insights(ADI)によると、2015年の感謝祭(11月末の米国の連休。ブラックフライデーと呼ばれるバーゲンが全米で開催される)では、オンラインセールスでのモバイルショッピング訪問(全訪問の57%)がデスクトップを抜き、オンラインでの全売り上げの37%に貢献したという。同じくADIによると、感謝祭からクリスマスまで2015年の歳末商戦全体を通して、モバイルがオンラインショッピング訪問の45%を占め、売上は25%に貢献している。これがモバイルの現実だ。企業にとって、モバイルサイトやアプリのようなモバイル体験は無視できない存在になっているばかりでなく、ビジネスの成功を左右する重要な要素になっているのだ。

利用者の関心をめぐる競争

モバイルサイトやアプリの利用時間の割合は増加しているが、統計的に見ると、利用者はいつも特定の5つのアプリを利用するのに大部分の時間を使っている。また、大多数のアプリは、ダウンロードされてから一週間で削除されている。したがって、企業がダウンロード数のみをモバイルの成功指標としている場合、大事な点を見落としていることになる。つまり、モバイル顧客体験とエンゲージメントが適切かどうか、という点だ。

それでは、ダウンロードされたアプリを継続して使用してもらうには、どうしたらよいのだろう?

1.  使いたいという気持ちを持続させる:

競合他社が特定の機能を提供しており、顧客受けが非常によい場合、同じ機能に対応しなければならない。リーダー企業のペースについていくのは並大抵のことではないが、顧客はベストの体験を「いつでも」求めており、必ずベストの体験ができるとわかっているブランドを利用する。モバイル体験の考慮を後回しにして「いつかやる」では遅過ぎるのだ。モバイル体験を常に改善し、「進化を続ける業界標準」についていかなければならない。

2.  相手に合わせてメッセージを調整する:

仮に10人の人に、使っているスマートフォンを見せてもらったとしよう。するとロック画面とホーム画面には10通りのレイアウトがあるだろう。モバイル端末は、実に個性を象徴する存在だ。Eメールの冒頭に個人の名前を挿入するようなやり方だけでは、モバイル利用者に対するパーソナライズとして十分とはとうてい言えない。モバイル利用者の動向を深く分析し、どうしたら効果的なメッセージを組み立てることができるのかを考える必要がある。これは例えば、アプリ内メッセージや、プッシュ通知などの機能に反映させることができるだろう。メッセージのパーソナライズを行わなければ、アプリでエンゲージメントを高め、購入へと誘導できる可能性は低い。

3.  人間中心で体験を組み立てる:

体験とは、デバイスやプラットフォームのために作るものではなく、一人ひとりの利用者のために考案するものだ。そのためには、利用者の行動を深く見つめ、何が利用者の行動を喚起し、購入に至らしめるのかを理解する必要がある。例えば、ある利用者は、プッシュ通知のパーソナルメッセージには応答しないが、アプリ内メッセージには頻繁に反応する、というようなケースがあり得る。個々の利用者に対し、いつならば反応してもらえる可能性が高く、どうしたらメッセージを好意的に受け取ってもらえるのか理解しなければならない。これが難しいのはいうまでもないが、リーダー企業はこの分野の研究を続けており、よりユニークな体験を創造している。その結果、モバイル利用者は、どの企業であろうとも、リーダー企業と同様の体験を提供して当然と思うようになる。

4.  テストを続ける:

アプリの提供開始は完成ではない。継続的な検証が欠かせない。エンゲージメントの観点から「何が効くか/効かないか」をテストすることに加え、モバイルサイトやアプリが単に「期待通りに機能する」だけでなく「迅速に」機能するかどうかのテストも必要だ。一般的に、モバイル利用者は、読み込み時間の長さに対する許容度が低い。今まさに商品を買おうとしているとき、ショッピングカートの動きが遅い、あるいはクレジットカードの認証に時間がかかり過ぎるといった体験をすると、最後の最後で購入せず離脱することになる。

5.  マネタイズ戦略:

アプリでのマネタイズ戦略が、利用者のモバイル体験を邪魔しないよう配慮が必要だ。モバイル利用者向けに、単にスマホ用サイトを用意するだけでは、十分な対応とは言えない。相手は人間であるという点を忘れてはならないだろう。「便利に使える」「手間が省ける」「お金を節約できる」など、生活者としての人間の感性に訴えかけ、個人的な満足感が得られる体験が望ましい。

リーダー企業のモバイル戦略と競争していくには、「モバイル戦略に関する限り、万人向けの戦略とは今の時代ありえない」と理解することが肝要だ。たゆまずイノベーションを続け、人々が生活し働く場でのモバイル体験を改善していかなければならない。



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(2016年5月19日 CMO.comの記事より)
Matt Asay (Adobeのモバイルデジタル戦略 ヴァイスプレジデント)



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