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私たちの商品はエクスペリエンスそのもの」NBAがファンを増やし続ける理由

【POINT】

  • 優れた顧客体験の提供には、顧客のコンテクスト(志向)を読み解き、エモーション(感動)を届けることが不可欠である
  • NBAは215カ国/地域でビジネスを展開し、ファン(顧客)への情報提供に注力している
  • ファンに適切な情報を提供することで、ファンの情報を得ることができる

カスタマー エクスペリエンス(顧客体験)の在り方が議論された、ビジネスカンファレンス「Adobe Summit 2017」の2日目。例年、2日目の基調講演は、ビジネス界/マーケティング界のソートリーダーに加え、有名俳優などが登壇して来場者を楽しませてくれる場となる。今回もさまざまな趣向が凝らされ、今回のテーマとなる「Make Experience Your Business(自社を変革し、エクスペリエンスをビジネスモデルの中心に据える)」を来場者に印象づけてくれた。

優れたコンテンツによってファンの心を揺さぶり、すばらしい顧客体験を提供する

 

中でも注目されたのが、Pam El(パム エル)氏の語った内容だ。NBA(National Basketball Association)のCMOを務める同氏は、顧客=ファンのコンテクスト(その時々の志向)を読み解き、優れたエモーション(感情を揺り動かすこと/感動)を提供することに力を注いでいる。まさに、「私たちの商品は、エクスペリエンスそのもの」(同氏)なのだ。

NBAは、全世界に13のオフィスを構え、215カ国/地域でビジネスを展開。NBAと聞くと、米国のプロバスケットボールリーグという印象を持つかもしれないが、世界最高のグローバルなリーグとして、プレイヤーの出身国は41カ国に上る。出身国の選手を応援するファンも多く、ビジネスは自然とグローバルなものへと広がっていく。

そのファンへの情報提供が、NBAのコンテンツビジネスになる。ゲームを記録し、映像判定が必要になったシーンで使われる「NBA Replay Center」は、デジタルコンテンツとしてファンへも公開。応援するプレイヤーの実際のゲームにおけるパフォーマンスをポイント化してランキングする公式ゲーム「NBA Inplay」も人気だ。SNSを積極的に利用し、ファンとの交流も活発に行っている。ファンに情報を提供しながら、ファンの情報も得る。

コンテンツがもたらす感情は、データに裏付けられている

NBAではこのように、「その場(試合会場)にいなければ体験できない」リアルの「ゲーム」という体験を、デジタルによって拡張し、様々な形のサービスビジネスへと転換している。デジタル化されたサービスのリーチは、時間も空間も超えてまさにグローバルへと広がる。その場に行けないと体験できないというマイナス要因を、むしろプラスに変えて、世界中で同じコンテンツに接し、同じ感情を分かち合う人々にとっての「共感」へと変えているのだ。

そして、デジタル化されたサービスには、潜在市場を拡大させるだけでなく、双方向性というメリットも含まれる。どのようなファンが、いつどのデバイスでゲームを視聴し、次にどのような行動を取るかは、データによって容易に把握できる。ファンのニーズを把握することは、次にファンが取りそうな行動を予測した施策を打ちやすくなる、ということだ。ファンの望むタイミングで望むコンテンツを提供すれば、相手はよりゲームに夢中になるだろう。

「莫大なコストをかけなくても、データドリブンなマーケティングは実現できます。正しいメッセージを、適切な人々に、最適なタイミングで、そして理想のチャネルで伝えることが大切。私たちにとって必要なのは、世界中のファンに、正しくメッセージを送れるプラットフォームなのです」(同氏)。

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