企業を成功に導く、デジタル基盤の統合と構成のポイント

2017年05月16日


 

【POINT】

  • 別々に運用しているデジタル基盤を統合すると、「何が役に立っていて、何が役にたっていないか」という全体像が見えてくる
  • デジタル基盤の選択には、自社のマーケティング戦略を反映させるべきだ
  • 企業のニーズに合ったデジタル基盤の構成変更を積極的に行うべきだ
 

複数基盤の運用が、データの断片化をまねく

マーケターが繰り返す議論のひとつに、「顧客の全体像をつかむ」という課題がある。これは、簡単な話ではない。あらゆるデジタル顧客接点からは、顧客の属性や意向をデータという形で得ることができるが、多くの企業が採用しているデジタル基盤はおおむね5~6つに分散しており、その結果、データも断片化してしまっている。別々の基盤から得られるデータを、全体としてどう結びつけて読み解けばよいのか、わからない状態になっているのだ。

テクノロジー領域で幅広い知見を持つ米国調査会社ガートナーのレポート「デジタルマーケティング ハブ市場のマジッククアドラント (*)」は、まさにこの点に言及しており、「複数基盤と計測方法の統合が成功へのカギとなる」と示唆している。ひとつの場所にすべてのデータを集約すれば、マーケターはレベルアップした顧客知見を手にすることができるのだ。

(* 編注:2016年時点の同社レポート名。2018年5月に同社は改訂版「マルチチャネル マーケティングハブ市場のマジッククアドラント」をリリース)

ガートナーVPのアンドリュー フランク氏は、以下のように述べている。

「(別々に運用されている複数の)基盤を統合すると、何が役に立っていて、何が役に立っていないかという、全体像が見えてくる。すると、マーケティング施策をどう評価するかについて、全社的に一致した見解を得ることができる。必ずしも別のテクノロジーを足さなくとも、改善すべき点を改善できるようになる」

自社のマーケティング戦略に合わせて基盤を構成し、データを活用せよ

同レポートによると、デジタル基盤の導入には、現在でも大きな混乱がともなうという。フランク氏は、自社の戦略に適したテクノロジーへの投資が重要であるとしている。

「自社のマーケティング戦略が、基盤の選択に反映されるべきだ。多くの機能がそろっている総合基盤であっても、自社の優先事項に沿わないコンポーネントまで一括購入する必要はない」

大切なのは、単一のデータソースから可能な限り多くのものを得られるよう、自社のニーズに合った基盤の構築と構成に積極的に取り組むことだ。

「例えば、電子メールやモバイルメッセージングなど、ダイレクトマーケティングに注力している会社なら、広告やアナリティクス主導のマーケティング戦略に注力している会社とは異なるソリューションセット(基盤)を購入するべきだろう」(フランク氏)

ガートナーでは、CMOをはじめとする企業リーダーたちに、これまでに蓄積してきたバラバラな「ポイントソリューション」を統合することを勧めている。これは、単にすべてをひとつのダッシュボードにまとめるということではない。全社共通基盤を備えることによって、組織内の全員が、同じ仕組みを使って各自の施策設計と計測を行うということだ。

今後のマーケティング施策に欠かせない概念「デジタルハブ」

ガートナーによると、今後は「デジタルハブ」が、マーケティング施策の重要なポイントになるという。この「デジタルハブ」という概念について、ガートナーでは以下のように説明している。

「デジタルマーケティング ハブとは、マーケターとアプリケーションが標準的な方法と手続きによって利用できる、オーディエンス(個人を特定しない、「ある人」)のプロファイルデータ、コンテンツ、業務フロー効率化、メッセージング、共通分析機能を提供する。これらの要素は、オンライン/オフライン、手作業/自動に関わらず、複数チャネルでのキャンペーン、メッセージング、対話、体験、データ収集の展開と最適化に役立てることができる」

つまり、オーディエンス(ある人)の複数チャネルにまたがる行動を統合して分析し、施策を最適化できるということだ。

「典型的なデジタルマーケティング ハブには、マーケティング用のネイティブアプリケーションと機能のセットが含まれている。ハブは、認可を受けたパートナー企業が統合することにより、パブリッシュサービスを通じた拡張が可能だ」(ガートナー)

ハブの拡張によって、より深く正確に「ある人」の行動を知り、施策に活かすことができる。「人」単位のマーケティングが当たり前になる時代に向けて、ますます基盤の統合、カスタマイズが重要となってくるだろう。

 

UNITE編集部


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