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ソーシャルメディアリーチに関するガイド

ソーシャルメディアリーチと、それを長期的に拡大していく方法について知っておくべきすべてのこと。

必要なもの

リーチは、エンゲージメントレベルやフォロワー数と比べてあまり話題にされませんが、あなたの目標が特にブランド認知度に重点を置いたものである場合は、SNSのパフォーマンスを把握するうえで注目すべき重要な指標です。

SNSの各指標は、多くの場合、相互に密接に関連しており、それぞれのスコアの高さに影響を与え合うことをご存知でしょうか?フォロワーの増加がエンゲージメントの向上につながる可能性があるということは(とてもわかりやすいので)既に考えたことがあるかもしれませんが、エンゲージメントレベルがリーチにどのような影響を与えるかについては、まだ考えたことがない方もいらっしゃるかもしれません。エンゲージメントレベルが高まると、アルゴリズムからの優遇度が高まり、コンテンツが他のSNSユーザーに届けられやすくなります。

基本的に、SNSの指標はどれも重要であり、軽視している指標があると、SNS全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。SNS戦略が各指標にどのような影響を与えるかについて深く考慮するようにしていけば、全体的な結果が驚くほど改善する可能性があります。

リーチを意識しながらSNSチャンネルを管理し、その改善に積極的に取り組むことは、SNS管理の正しいあり方だと言えます。

ソーシャルメディアリーチとは何か?

ソーシャルメディアリーチとは、コンテンツを閲覧した個人の数を指します。この指標は、コンテンツが閲覧された回数を表すインプレッションとよく混同されます(インプレッションでは、1人がコンテンツを複数回見た場合、複数のインプレッションとしてカウントされます)。どちらの指標も、コンテンツがSNSネットワーク上でどの程度拡散したかを判断するのに役立ち、ハッシュタグの有効度、コンテンツの魅力度、共有されやすさ、アルゴリズムによる優遇度などを判断するのに利用できます。

より多くのフォロワーを獲得してエンゲージメント率を高めたい場合、リーチが不十分だとコンテンツの閲覧数が増えにくくなります。さらに、リーチのスコアをエンゲージメントなどの他の指標と比較して分析することは、興味深く、かつ有益です。ソーシャルメディアリーチがエンゲージメントレベルよりも大幅に高い場合は、コンテンツ戦略がアルゴリズムに対して有効に機能している一方で、オーディエンスの心にはあまり響いていない可能性があります。それがわかれば、SNSのパフォーマンスを向上させるために何に取り組めばよいのかも見えてきます。

目指すべきソーシャルメディアリーチとは?

SNSネットワーク内で提供されている分析データをチェックすると、自分のソーシャルメディアリーチを確認できます。ソーシャルメディアリーチの数値は、高ければ高いほど良いと言えます。ソーシャルメディアリーチが増えるほど、アルゴリズムがそのコンテンツをより多くの人に表示するようになり、エンゲージメント、フォロワー数、リード数などが増加する可能性が高まります。ただし、リーチをさらに詳しく分析したい場合は、フォロワー数に対するリーチのパーセンテージを確認するのが有効です。

そのためには、SNSについて次の計算をおこなう必要があります。

  • (リーチ)÷(フォロワー数)= x

  • この数値(x)を100倍する

この最終的な数値がパーセンテージであり、「リーチ率」と呼ばれます。

リーチがフォロワー数だけで構成された数値でないことを理解するのも重要ですが、コンテンツの閲覧数がオーディエンスの規模と比較してどれくらい妥当なのかをより明確に把握するために、フォロワー数のパーセンテージであるリーチを計算することは有用です。

それでは、リーチ率が良いかどうかを確認するにはどうすればよいのでしょうか?リーチ率は非常に主観的な指標であり、その評価はフォロワーの数や使用しているSNSチャンネルによって変わってきます。BazaarVoiceによると、Instagramのフォロワー数が多い(51万人以上いる)人の場合は、投稿のリーチ率が12%以上、ストーリーのリーチ率が2%以上になることを目指すのが妥当とされ、フォロワー数が少ない人は、投稿のリーチ率32%以上、ストーリーは7%以上を目指すのが妥当とされています。

意外かもしれませんが、小規模なブランドは通常、大規模なアカウントに比べてリーチ率が高くなります。これは一般的に言って、フォロワー数が多い人ほど、オーディエンスの規模に見合った数の人たちにコンテンツを届けるのが難しくなるということを意味します。

リーチとインプレッション

要約すると、リーチはコンテンツを閲覧した個人の数であり、インプレッションはコンテンツが閲覧された回数です。インプレッションは、同じユーザーによる複数回の閲覧もカウントされるため、多くの場合、より高い数値になります。

多くの人は、回数ではなく、何人の人が自分のコンテンツを閲覧したかを知りたいと考えるため、リーチのほうがより注目する価値のある数値だと考えられています。リーチは、エンゲージメント率に大きな影響を与える指標です。そのため、リーチとエンゲージメントのレベルを比較して、戦略の弱点がどこにあるのかを把握することは非常に効果的です。一方、インプレッションは、この点で言うとあまり有用な指標ではありません。同じ人がコンテンツを何度も見たからといって、必ずしもエンゲージメントの向上につながるわけではないからです。

SNSを使用して事業を成長させ、売上を伸ばしたいと考えている事業者にとって、リーチは特に注目すべき有用な指標です。1つの投稿でどれだけのリードや顧客にリーチできたのかをより正確に把握できるからです。1つの投稿が同じユーザーに複数回閲覧されることももちろん良いことではありますが、1つの投稿を何度も見てもらうことより、ユーザーへのリーチを最大限に高めることに重点を置いている事業者にとっては、インプレッションはそれほど注目すべき指標ではないのかもしれません。

ソーシャルメディアリーチの追跡方法

ソーシャルメディアリーチは、エンゲージメントレベルやフォロワーの増加など、他の重要な指標と並行して定期的にチェックする必要があります。特定のSNS分析ツールを使用している場合は、それを使って複数のチャンネルの指標を追跡していくのが便利だと感じている方も多いかもしれません。ただし、主要なSNSネットワークでは、そのサービス内で利用できる分析機能も提供されており、それを使うことで、パフォーマンスの推移を簡単に追跡することができます。

リーチを評価する際には、平均リーチ数だけでなく、個々の投稿やストーリーの結果も確認するようにしましょう。これにより、特定のタイプのコンテンツが他のコンテンツタイプよりもリーチが高いかどうかがわかり、どのコンテンツをもっと作成すべきかの手がかりが得られます。Instagram Insightsなど、一部のSNSネットワークでは、フォロワーとフォロワー以外でのリーチの割合も確認できます。これはデータにもとづいた推測をおこなうのに役立つため、注目すべき重要な情報です。例えば、コンテンツがフォロワー以外のオーディエンスに多く閲覧されている場合、それはコンテンツがアルゴリズムに対してうまく機能しているか、あるいはフォロワーではない多くのユーザーに共有されている兆候である可能性があります。

ソーシャルメディアリーチを増やす方法

1つの指標を改善することで別の指標がどのように強化されるかについては既に触れましたが、ここからは、より具体的なアドバイスとして、ソーシャルメディアリーチを増やすための7つのヒントを紹介していきます。

1

コンテンツをより見つけやすくする

ソーシャルメディアリーチを拡大する方法として、非常に簡単に実行できる工夫がいくつかあります。コンテンツで紹介されているブランドや他のユーザーをタグ付けすると、言及されたユーザーがあなたのコンテンツを共有したり、つながりを持ってくれる動機になるので、コンテンツがネットワーク全体に広まりやすくなり、オーディエンスのフィードにプッシュされやすくなります。位置情報のタグ付けも、(適切な場合は)コンテンツを強化するのに役立ちます。また、人気のあるハッシュタグのうち、自分のコンテンツとの関連性が高いものを利用して、コンテンツを検索しやすくすることもできます。

2

コンテンツをより共有しやすくする

ソーシャルメディアリーチを改善したいのであれば、コンテンツが共有されやすくなる方法を考えましょう。品の高いコンテンツは自ずと共有されやすくなりますが、「共通の興味を持つ友人をタグ付けしてください」であったり、「仕事上の仲間と共有してください」などといったメッセージを積極的に発信して、オーディエンスにつながりの拡大を促すことは、何ら恥ずべきことではありません。ゴリ押しをしたり、投稿内容との関連性が薄いことをお願いをするのは良くありませんが、ここぞというタイミングでさりげなく促すことは、試してみる価値が十分にあります。

3

コンテンツのエンゲージ力を高める

エンゲージメントとリーチは、自然に相関する2つの指標です。つまり、エンゲージメントが高まれば、リーチも増加します。コンテンツをより魅力的なものにするために、分析データを詳しく調べてあなたのSNSオーディエンスの人口統計を詳細に把握し、よりターゲットに合ったコンテンツを作成できるようにしましょう。また、コンテンツ戦略内での多様性を維持することも重要です。様々なテーマやフォーマットでコンテンツをテストし、どのコンテンツがより共感を呼ぶかを確認するようにしましょう。

オーディエンスとの関係をさらに深め、エンゲージメントをさらに促進するには、SNSアカウントを積極的に運営し、投稿を放置しないようにする必要があります。誰かがあなたの動画にコメントを残したら、積極的に返信しましょう。コメント欄でユーザーどうしが会話しているときには、ぜひ参加しましょう。目指すべきは、あなたのコンテンツをもっと見たいと思っている人たちと日頃からコミュニケーションをとることです。

4

分析データを注視する

ソーシャルメディアリーチを拡大したい場合、最初のステップとして賢明なのは、過去にうまくいったことの要因を確認することです。各SNSチャンネル内からアクセスできる分析データをチェックすれば、最もパフォーマンスの高いコンテンツと最もパフォーマンスの悪いコンテンツを簡単に把握し、それらのパターンを見つけ出すことができます。過去にリーチが高かったのはどのコンテンツかを把握することは、今後の改善に向けての良い出発点となります。今後類似のコンテンツを作成するとしたらどのようなものが考えられるかや、過去の成功したコンセプトを新しく斬新な方法で再利用するにはどうすればよいかを考えてみましょう。

5

積極的に実験する

エンゲージメントレベルを高めようとするときと同様に、リーチを拡大する際にも実験が重要となります。コンテンツに多様性を持たせると、オーディエンスが最も楽しんでいるのはどのコンテンツなのか、またどのタイプのコンテンツをもっと見たがっているのかを把握しやすくなります。異なるテーマを試すだけでなく、使用するフォーマットでも実験をしてみましょう。Instagramリールを試してみたり、ストーリーを作成したり、アンケートを実施したり、ライブ配信をおこなったりしてみるとよいでしょう。SNSネットワークでは新しい機能やフォーマットが次々とリリースされるので、それらに柔軟に対応し、積極的に試していくことが重要です。新しいコンテンツタイプはアルゴリズムによって優遇されます。新しいことへの挑戦を怠ると、それを恐れない他のブランドに先を越され、存在感を弱めてしまうことになります。

6

投稿のタイミングを戦略的に決める

オーディエンスの大部分がオンライン状態でいる時間帯に投稿することは、コンテンツへの注目度を高め、エンゲージメントの機会を増やすための合理的なアプローチです。自分自身でテストをおこない、最適な投稿タイミングを見つけるための時間的余裕がない場合は、主要なSNSネットワークでの最適な投稿タイミングに関する以下のクイックチートシートを参考にしてください。

Instagram投稿の最適なタイミング:

  • 月、火、金曜日の午前11時

  • 火曜日の午後2時

LinkedIn投稿の最適なタイミング:

  • 火曜日:午前7時~午前8時30分、午前10時~午後12時、午後5時~午後6時

  • 水曜日:午前7時~午後12時、午後5時~午後6時

  • 木曜日:午前7時~午前8時30分、午前9時、午後1時~午後2時、午後5時~午後6時

  • 金曜日:午前7時~午前8時30分、午後12時

Facebook投稿の最適なタイミング:

  • 火曜、水曜、金曜:午前9時~午後1時

Twitter投稿の最適なタイミング:

  • 水曜日:午前9時~午後3時

  • 火曜日と木曜日:午前9時~午前11時

7

インフルエンサーやブランドとコラボレーションする

あなたと共通のオーディエンスを持つブランドやSNSインフルエンサーを見つけ、コラボレーションを提案してみましょう。その際には必ず、あなたとコラボするメリットについて説明してください。具体的には、特定の分野におけるあなたの専門知識でもよいですし、高品質なコンテンツの作成能力でもよいでしょう。あるいは、単純に相手をあなたのオーディエンスに紹介できるということでもよいでしょう。同じ分野のブランドやインフルエンサーと協力することは、お互いのアカウントをお互いのオーディエンスに紹介できるという点で相互に有益ですし、リーチの拡大やフォロワー数の増加につながる可能性もあります。

覚えておいてください。SNSの指標は優れたパフォーマンス指標ですが、それがすべてというわけではありません。オーディエンスの共感を呼ぶ優れたSNSコンテンツを作り続けていけば、自ずと良い結果につながっていきます。とは言え、ソーシャルメディアリーチの拡大にもう少し積極的に取り組みたい方にとって、私たちのアドバイスが次のステップに進むための必要な理解とスキルにつながれば幸いです。


プレゼンター

Adobe Express

2023年11月8日

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