Illustratorには、アートワークを自在に変形できる 楽しくて強力な機能があります その1つが、パペットワープツールです 個々のオブジェクトを選択することなく アートワークをねじったり、歪ませる操作ができます その使い方を例題のプロジェクトで説明しましょう この部分を拡大していきます 自転車で速く走っているようなスピード感を出したいので、女性の姿を こんな感じに変形します まずは、スカーフの形を調整し 流れるような動きをつけると 風を切って走る雰囲気を表現できそうです パペットワープツールで、スカーフをねじったり、歪めたりしてみましょう 女性のアートワークをすべて選択します 自転車を含める必要はありません さて、変形に使うパペットワープツールは デフォルトのツールバーには表示されていないので 詳細ツールバーを表示する必要があります ウィンドウメニューから 「ツールバー/詳細」を選択して 表示しましょう ツールバーの「自由変形ツール」を開くと パペットワープツールがあります 選択しましょう すると、アートワーク内に黒丸の「ピン」がいくつか表示されます パペットワープの制御は これらのピンを使っておこないます ピンはアートワークの各部に自動的に追加され その部分を固定して動かなくしたり 移動、回転ができます アートワークにを覆っているメッシュは 非表示にしたほうが、この作業はやりやすいでしょう そこで、プロパティパネルの 「メッシュを表示」をオフにします では、変形させていきましょう このカーソルで スカーフの真ん中あたりをポイントします カーソルに「+」が表示された状態でクリックし、ピンを追加します ピンをドラッグすると、このようにアートワークが変形します とくにスカーフに影響がありますね アートワークの他の部分は、頭などにあるピンで 固定されているため その場から動きません とはいえ、背中は少し影響を受けているので 動かないようにピンで留めましょう 肩のあたりをクリックして、ピンを追加してから スカーフを動かすと、こうなります ピンを使って、アートワークを回転させることもできます 選択したピンの周囲に点線で表示されている円を カーソルでポイントし、ドラッグします なかなかいい感じですね スカーフに動きが出ました 次は、もっと前のめりのライディング姿勢に見えるように 頭を下に向け、胴体も、もう少し低い姿勢にしましょう 頭を下に向けたいときは どこを回転軸にすればよいでしょうか たぶん首のあたりなので、クリックして 新しいピンを追加します ここで、このピンを回転させて頭を動かそうとすると ちょっと問題が起きます。
見てください 頭にもピンがあるので、変な形になりました 自由に回転させるには頭のピンを外す必要があります いま実行した操作を元に戻してから 頭を留めているピンを選択し DeleteまたはBackspaceキーを押して削除します そうすれば、首のピンをもう一度選択して回転させることができます 良くなりました 胴体をもう少し水平に近づける操作は 先ほど肩に追加したピンを動かせば可能です ただし、その前に準備が必要です 今、このままで操作をしても 肩以外の部分は追従してきません ハンドルを握る手と、腰の位置は動かしたくないので ピンで留める必要がありますが このように肘にピンがある場合、それを削除しなくてはなりません ピンを選択して削除します 一方、手は動かしたくないので、手首あたりにピンを追加し 固定されるようにします 私の画面では腰にピンがありますが もしピンがなければ、追加してください 位置を下げたいのは、頭、体、スカーフの部分です それらを別々に動かしてもいいですが まとめてドラッグするほうが手早くできます Shiftキーを押しながらピンをクリックして 複数選択しましょう あとは、1か所をドラッグするだけ うまく行きそうです 下げすぎると形が潰れるので、ほどほどに どうかな 胴体のバランスを少し微調整して うまく整ったら 下を向きすぎた頭を、もう一度回転させて 前に向けましょう 走るときは前方を見ないとね 首のピンを選択し、このように頭を回転させます 楽しいでしょう いろいろな部分で実験し ピンの削除、追加、回転操作を試し 使いこなしの可能性やスキルを広げてください アセットファイルを見ると 右側に、自転車以外の練習用アートワークと 私が完成させたバージョンが用意してあります 変形を加えた方法を知りたければ、完成版を選択し パペットワープツールを選んで、ピンを表示してください -
