Illustratorでの作業に欠かせないツールの一つ、レイヤー。このチュートリアルでは、レイヤーとは何か、またIllustratorでレイヤーを使用するための操作方法について説明します。
Illustratorを起動して、実際に操作しながら見ていきましょう。

このサンプルファイルには、このチュートリアルの練習⽬的でのみ使⽤可能な、Adobe Stockの素材が含まれています。このファイルの利⽤条件については、ReadMeファイル を参照してください。
① レイヤーについて
レイヤーとは一枚の透明なフィルムのようなもので、要素が追加された複数のレイヤーを重ねることで一つの画像を作り上げます。何枚でも重ねて、画像やテキスト、図版などの要素を個別に配置することができます。
レイヤーを使用すると、他のレイヤーのコンテンツに影響を与えることなく、1つのレイヤーでコンテンツを移動、編集、非表示、ロックしたりできます。多くの要素が組み合わさった複雑なアートワークを作成する場合、特定のオブジェクトの選択や編集がしやすくなり、作業効率がアップします。

② レイヤーパネルについて
複数枚あるレイヤーを管理するのが「レイヤーパネル」です。ドキュメント内のオブジェクトの一覧表示、整理、編集などに使用します。新規ドキュメントを作成すると1つのレイヤーが作成されます。
まずは、レイヤーを使うときに覚えておきたい「レイヤーパネル」の基本的なツールを見ていきます。

A. 表示の切り替え
目のアイコンが表示されているときは、そのレイヤーにあるアイテムが表示されていることを示します。アイコンをクリックすると非表示になり、レイヤーのアイテムが全て非表示になります。このレイヤーにどのようなアイテムが含まれているか確認するときや、バリエーションを比較したりするときなどに便利です。
B. ロックを切り替え 鍵のアイコンが表示されているときは、そのレイヤーが編集できないことを示し、アイコンをクリックすると非表示になり、編集可能な状態になります。レイヤー内のアイテムを動かしたくない、あるいは選択したくないときなどに使用します。
C. レイヤー名 レイヤーが作成される順に、レイヤー1、レイヤー2、レイヤー3と名前がつきます。名前を変更したい場合は、レイヤー名をダブルクリックして再入力します。
D. 新規レイヤーを作成 レイヤーを新規で追加する際にクリックします。新規レイヤーはレイヤーパネルの一番上に作成されます。
E. 選択項目を削除 不要なレイヤーを選択してアイコンをクリックすると、レイヤーが削除されます。
③ レイヤーを操作する
練習用サンプルファイルを使って、実際にレイヤーを操作してみましょう。
練習用サンプルファイル「Layer.ai」を開き、[ウィンドウ ➡ レイヤー]を選択してレイヤーパネルを開きます。
3つのレイヤーを一つずつ選択し、表示の切り替え、ロックを切り替え、レイヤー名の変更を試してみましょう。ここでは、「テキスト」「飛行船」「背景」と変更します。
「テキスト」レイヤーをドラッグして、「飛行船」レイヤーと「背景」レイヤーの間にドロップします。他のレイヤーの順番も入れ替えて、レイヤーの階層構造を理解しましょう。
レイヤーパネル下部の +マーク(新規レイヤーを作成)をクリックします。一番上にレイヤー4が作成されます。(いずれかのレイヤーを選択している場合は、そのレイヤーの上に作成されます)
レイヤー4が選択されていることを確認して、アートワークの空いている場所にテキストを入力してみましょう。一番下の背景のレイヤーにはロックをかけておくと、入力がしやすくなります。入力が終わったらいったんテキストの選択を外します。
レイヤーパネルでレイヤー4の右にある○をクリックすると、その右にカラーボックスが表示され、アートワーク上のテキストが選択されます。カラーボックスをドラッグして、すぐ下の「テキスト」レイヤーにドロップします。これで、レイヤー4で作ったテキストが「テキスト」レイヤーに移動しました。
レイヤー4には何も要素がなくなったので、レイヤーを選択した状態で下の「選択項目を削除」をクリックします。