Illustratorで洗練された効果を出す方法として アートワークの不透明度などを変更し 描画モードを適用するテクニックがあります 不透明度は、オブジェクトをどれくらい透けさせ 背後にあるものを見せるかの設定です 描画モードは、オブジェクトのカラーと その背後にあるカラーを、どのように合成するかの設定で これは一例です 不透明度を使ってコンテンツを透明にすることは 思いもよらない表現の可能性につながります 左のポスターを拡大して まず、灯台をいったん隠しましょう 選択して オブジェクトメニューから 「隠す」 「選択」を選びます この山々が水に映り込んだ様子を表現しましょう それには、山をコピーして反転させます まず、山を選択して コピーし 元と同じ場所に貼り付けるために、編集メニューから 「前面へペースト」 コピーを反転するために プロパティパネルの「垂直方向に反転」をクリックし ドラッグして水面に配置します これらを透過させて見せるために、プロパティパネルで 「不透明度」を調整しましょう スライダーを左にドラッグするだけで透明になります 雲にも透明な部分を作ったほうが 美しい景色になりそうです 選択ツールで、一部の雲を選択しましょう こちらで雲の不透明度を設定します 重なった部分の見え方の変化に注目してください 少し違うやり方もお見せしましょう 不透明度を100%に戻して 今度は、あらかじめ雲をグループ化してから透明にしてみます まずグループ化し、その後で 不透明度を適用します。
先ほどとの違いを見てください グループに適用した場合はこうなります もし、雲のグループ化を解除すると グループに適用した不透明度も解除されます 不透明度の練習をしたい方は 水面のカラーなどにも適用してみてください このデザインには良い練習素材が含まれています 設定が済んだら、隠しておいた灯台を表示させましょう オブジェクトメニューの 「すべてを表示」です 次に説明するのは、描画モード つまり、重なったオブジェクトのカラーを合成する方法です 右側の完成版アートワークでは、重なり合う円のカラーから 新しいカラーが生まれています これは、個々の円に適用された異なる描画モードの効果です 試してみましょう まず、この円を選択して プロパティパネルで「不透明度」をクリックします 透明パネルが表示されます この描画モードメニューをクリックすると たくさんの選択肢が出てきます 並び順は、アートワークに及ぼす影響の違いで分類されています 例えば、「比較(暗)」からのグループは 上または下のレイヤーにあるアートワークよりも 暗いカラーを生成する描画モードです 「比較(明)」からのグループは 上または下のレイヤーのアートワークよりも 明るい色を生成する描画モードです 例として、まずは 「乗算」を適用してみましょう すると、重なり合う円の乗算処理によって それぞれの円よりも暗いカラーになります ロゴを完成させるには、一番上の円をコピーして 回転させながら配置し、右側の形のように並べます リピートラジアルというコマンドを使うと そのようなコピー処理を自動的におこなえます 緑色の円を削除してから、実行してみましょう 一番上の円を選択した状態で、オブジェクトメニューから 「リピート」 「ラジアル」を選びます 多数のコピーが作られ、放射状のパターンとして配置されました 各種ハンドルを使用して パターンの調整ができるようになっています 今回は手短に 配置の直径だけを縮め、円同士の重なりを増やしましょう 全体を上にドラッグして目的の場所に置きます これは、リピートラジアルオブジェクトという特殊なグループで プロパティパネルにも表示されています グループ内の円を個別に編集するには リピートオブジェクトを分割・拡張という操作で 切り離す必要があります オブジェクトメニューの 「分割・拡張」を選び ダイアログボックスで「オブジェクト」をオンに、「塗り」をオフに 個別の円オブジェクトを扱いたい目的に応じた指定です 「OK」をクリックします 分割・拡張しても、これらの円はまだグループになっているので 解除しなくてはなりません プロパティパネルの「グループ解除」をクリックします プロパティパネルの上部を見ると これでもまだ「グループ」表示なので もう一度「グループ解除」をクリック やっと個別に円を動かせるようになりました すべての円を選択し直して、続けましょう 「不透明度」をクリックし、描画モードを適用します 例として「オーバーレイ」にしてみます また、いくつかの円を違うカラーに変更してみると さらにカラフルなパターンが得られます この「塗り」でカラーを指定しましょう なかなか奇麗ですね ロゴを完成させるために、樹をドラッグして配置します 多彩な素晴らしい表現ができる描画モードと不透明度を 組み合わせたり、別々に使用したりして 印象的なアートワークを生み出してください 異なるカラー、異なる描画モードの組み合わせで どんな結果が得られるか、お楽しみに いろいろ実験しましょう -
