チュートリアル記事

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3 分

字送りとカーニングで文字間隔を調整する方法

テキストの見栄えが良くなるよう、全体の文字間隔、特定の2文字の間隔、行間などの書式設定を変更します。

このサンプルファイルには、このチュートリアルの練習目的でのみ使用可能な、Adobe Stockの素材が含まれています。このファイルの利用条件については、フォルダー内のReadMeファイルを参照してください。Adobe Stock には、商用利用可能なロイヤリティフリーの画像とビデオが1億点以上あります。1か月の無料体験期間中 は画像を10点までご利用いただけます。

文字が読みやすくなるよう、トラッキング、カーニング、行送りを調整して、タイポグラフィを洗練させましょう。

トラッキング

トラッキングでは、単語、行、または段落全体の文字間隔を調整できます。デザイン全体のトーンに影響し、トラッキングを増やすと、テキストに広がりが生まれ洗練された印象になり、逆にトラッキングを減らすと、コンパクトで緊迫した印象になります。

トラッキングを変更するには、プロパティ パネルの「文字 」セクションか文字 パネル(ウィンドウ/書式と文字/文字 )を使用します。

見出しのトラッキング

  • 文字 ツールで見出しのテキストを選択し、トラッキングメニューで値を選択または入力します。

  • 上または下向き矢印キーを押す方法もあります。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと25刻みで増減します。

本文のトラッキング

トラッキングを少し増やすと、小見出し、画面に表示されるテキスト、目立たせたい引用文やサイドバーなどの要素が読みやすくなります。トラッキングの値を小さくすると、文字が詰まって判別しにくくなるため、本文ではほとんど使用されません。実際に試してみてください。

ヒント: トラッキングは実際に確認しながら調整できます。まずCtrl+Kキー(Windows)またはCommand+Kキー(macOS)を押して、「環境設定 」を開きます。「単位と増減値」で「カーニング/トラッキング」の値を下げ、細かい編集ができるようにします。ここでは、5/1000 emを使用しました。文字 ツールでいくつかのテキストを選択し、Altキー(Windows)またはOptionキー(macOS)を押しながら左右の矢印キーを押してトラッキングの値を増減します。

カーニング

プロのような見出しに仕上げるには、トラッキングだけでなくカーニングも組み合わせましょう。トラッキングが2文字以上の間隔に影響を及ぼすのに対して、カーニングは特定の2文字の間隔のみを調整します。

InDesignに組み込まれている自動カーニングオプションを試してみてください。それだけでも良い結果が得られるでしょう。

  • 見出しのテキストを選択して、文字 パネルまたはプロパティ パネルで、「オプティカル」または「メトリクス」を適用します。オプティカルカーニングは、文字の形状にもとづいて間隔を調整します。一般的に、大きなサイズで表示するテキストに適したオプションです。メトリクスカーニングは、フォントデザインに含まれるフォントペアリングのメトリクスにもとづくため、小見出しや本文のような小さいサイズのテキストに適しています。

間隔の改善が必要な箇所を見つけるためのヒント

  • Va、Fo、Ta、AV、AT、AWなどの文字の組み合わせでは、文字間隔の調整が必要な場合がよくあります。 画面に大きく表示するようなサイズの文字では、必要に応じて手動で少しカーニングを調整しましょう。手動で文字をカーニングするには、文字 ツールを選択して、2文字の間をクリックします。メニューからカーニング値を選択するか、上下の矢印キーを押します。Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと、増減の幅が大きくなります。

  • オプティカルで文字の間隔を調整してみましょう。目を細めて文字の形をぼかしながら、形状と間隔の狭まりに注目します。

  • 今度は見出しのテキストを180度回転し、抽象的な形状として間隔に注目します。終了したら、選択 ツールでテキストを選択し、プロパティ パネルの「変形 」セクションで「回転角度」を0度に戻します。

  • カーニングを視覚的に調整するには、文字 ツールで2文字の間をクリックし、Altキー(Windows)またはOptionキー(macOS)を押しながら左右の矢印キーを押します。トラッキングとカーニングをリセットしてデフォルトの設定に戻すには、文字 ツールでテキストを選択します。Ctrl+Alt+Qキー(Windowsの場合)またはCommand+Option+Qキー(macOS)を押します。

行送り

行送りは、ベースラインからベースラインまでの行の間隔です(ベースラインとは文字の底部が接する見えない線のことです)。

  • 選択 ツールまたは文字 ツールで、複数行のテキストを選択します。

  • 文字 パネルまたはプロパティ パネルで行送りを設定します。

ヒント:

  • 一般的に、行送りはフォントサイズよりも2ポイントほど大きく設定すると読みやすくなります(例:フォントサイズ10ptに対して12ptの行送り、11ptに対して13.5ptの行送りなど)。行送りをさらに増やすと、全体にゆとりができます。

  • 行長が長く、行数の多いテキストの場合、行送りの値を大きくすると、読み手の視線を次の行の先頭に誘導しやすくなります。

  • 行送りを確認しながら調整するには、文字 ツールで段落を選択します。Altキー(Windows)またはOptionキー(macOS)を押しながら上下の矢印キーを押して、行送りを調整します。

  • 行送りをリセットして自動設定に戻すには、段落を選択して、Ctrl+Alt+Shift+Aキー(Windows)またはCommand+Option+Shift+Aキー(macOS)を押します。


用途や目的を考えて文字間隔を調整することで、タイポグラフィの完成度を高めることができます。形式に決まりはなく、見出しや本文に最適なトラッキング、カーニング、行送りの量は、書体、目的、行の長さによって異なります。練習すれば、徐々に感覚がつかめるでしょう。


Adobe Stock提供元

Wavebreak Media

チュートリアルの著者

Rita Amladi

2023年5月24日

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