このチュートリアルでは、Premiere Proにおけるカット編集の基本を学びます。前半はカット編集の考え方について、後半は具体的なカット方法とおすすめのショートカットキーについても紹介します。
本チュートリアル内で利用する主な機能
選択ツール、レーザーツール、リップル削除、編集点の追加、次の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング、前の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング
目次
作業に入る前に、練習用サンプルファイルをダウンロードしておきましょう。下記リンクからサンプルファイルをダウンロードできます。
また、動画を見ながら一緒に編集をしてみたい場合は、Premiere Proの編集画面を画面上部にあるワークスペース「エフェクト」にしましょう。

まずはカット編集の考え方について学びましょう。今回の動画のカット編集では主に2つのポイントを見て編集をしていきます。
1.波形を見て音声が小さい箇所を見つける
2.言い間違いを見つける
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
波形を見ることによって、音声が大きいか小さいかをある程度想定することができます。

このように、波形が振れている部分は音声が大きく、それ以外の波形の平坦な部分は音声が小さいということになります。
したがって、波形の平坦な部分をカットしていくことがまずは大事なポイントになります。
波形を見て音声の大きさを判断することはできますが、言い間違いの部分は直接自分で判断してカットする必要があります。
ここに関しては波形を見て余分な部分をカットした後に、一度動画を再生して自分の耳で直接聞いて、言い間違いの部分が無いかを確認しましょう。
実際の編集では誤ってクリップをカットし過ぎてしまい、動画の繋がりに違和感を覚える機会も出てくると思います。
その場合の対処方法を2つ紹介します。
Macの場合は「command+Z」、Windowsの場合は「Ctrl+Z」を使用しましょう。そうすることで、一度行った処理を取り消すことができます。

キーボードショートカットキーの(A)はトラックの前方選択ツールになります。これを使うことで、選択した箇所のクリップを含む後続のクリップ全てを選択することができます。その状態でクリップをずらし、詰め過ぎた箇所を再度引き伸ばすことで対処することができます。

続いて、具体的な編集方法を学びましょう。今回は初級・中級・上級と習得の難易度別に3つの方法をお伝えします。また、素早く編集を行うためのおすすめのショートカットキーも中級以降に合わせて紹介していきます。
手順1/5 ツールバーからレーザーツールを選択する
ツールバーの上から4番目に「レーザーツール」があるので、これをクリックしましょう。

手順2/5 レーザーツールでクリップに切り込みを入れる
レーザーツールを選択した状態でクリップをクリックすると、その箇所でカットすることができます。

手順3/5 ツールバーから選択ツールを選択する
ツールバーの1番上にある「選択ツール」をクリックします。

手順4/5 カットしたいクリップを選択して消去する
選択ツールを選択した状態で、カットしたいクリップをクリックをして選択し、キーボードのdeleteキーを押してクリップを消去します。

手順5/5 リップル(空白部分)を消去してクリップを詰めるor後方のクリップをドラッグして移動させる
先ほど消去したクリップの部分に空いた空白の箇所(リップル)を選択し、キーボードのdeleteキーを押してクリップを詰めます

もしくは、後方のクリップをクリックを長押ししてドラッグした状態で左側に詰めることでも同様の動作をすることができます。

中級からはショートカットキーを使ってのカット編集方法を紹介します。
手順1/4 キーボードショートカットを使用してレーザーツールを選択する。
初級ではツールバーにあるレーザーツールをクリックして選択しましたが、中級ではキーボードショートカットキーの(C)を押してみましょう。ツールバー上でレーザーツールをクリックする必要がなく、瞬時にレーザーツールを選択することができます。

手順2/4 レーザーツールでクリップに切り込みを入れる
こちらは初級と同じ処理になります。

手順 3/4キーボードショートカットを使用して選択ツールを選択する
選択ツールも同様にキーボードショートカットキー(V)を使うことで瞬時に選択ツールに切り替えることができます。

手順4/4 カットしたい部分を選択してリップル削除をする
選択したクリップを削除と同時に後続クリップを前に詰めるという2つの処理を一気に行うリップル削除(Mac:option+delete,Windows:Altl+delete)を使用します。

上級ではより高度なショートカットキーを使っていきます。
手順1/4 カットしたい箇所で編集点を追加する
編集点を追加(Mac:⌘+K,Windows:Ctrl+K)を使用すると、初級・中級で使用していたレーザーツールでの処理と同様の処理を選択ツールを選択したままの状態で行うことができます。つまり、編集点を追加をすることでレーザーツールを使わなくても切り込みを入れることができます。

手順2/4 前の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミングを使用し、クリップの左側全てを削除し詰める
前の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング(Q)を使用することで、選択されているクリップにおいて、再生ヘッド(青色のライン)から左側全てを削除と同時に後続クリップを前に詰めるという2つの処理を一度に行うことができます。

手順3/4 次の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミングを使用し、クリップの右側全てを削除し詰める
次の編集点を再生ヘッドまでリップルトリミング(W)は上記の処理と逆に、選択されているクリップにおいて、再生ヘッド(青色のライン)から右側全てを削除と同時に後続クリップを前に詰めるという2つの処理を一度に行うことができます。

今回は、Premiere Proでのカット編集の基本についてご紹介しました。この基本を抑えた上でPremiere Proでの編集を快適に行ってみてください。